5s活動 なぜあなたの5sは失敗するのか 

5S to sustain Kaizen.

皆さんこんにちは。今日も一日お疲れ様でした。

さて、みなさんの職場の整理・整頓具合はいかがですか?

なかなか片付けまで手が回らない、とか、みんなどこに何があるのかわかってるから必要ないとか、そもそも掃除とかうざいとか。

いろいろな意見はあるかと思いますが、この整理・整頓は本当にものづくり現場の基本になります。

今回はまた原点に立ち返って、この超基礎中の基礎、「5s」に関してのお話です。

5s活動 英語

以前も5S活動については一度このブログでお話ししました。

この5sはその頭文字をとって以下5つの活動というか、目的別に分かれています。

英語では「5S activity」と言いますが、それぞれのSに英単語も併記してみましょう。

整理:Sorting

整頓:Setting in Order

清掃: Shining

清潔: Standardization

躾: Self-discipline

と私は教えていますが、いろいろなバージョンがあります。

何が正解とも言えないですし、この活動を何を意図してやっているかで訳し方も変わってくる思います。

「え? 5sに違う活動なんてあるの?」という方もいらっしゃるかもしれませんが、あります。

よく聞く話では、本当に掃除することがメインになってしまっているところもあるようで、何というか、やらされてる人は少しかわいそうになってきますね。

5s活動 意味

今回は少し原点回帰の意味も込めて、きちんとそれぞれの活動の意味するところの説明を少し。

5s活動は、工場ではほんとに基本となる活動です。以下順に解説です。

整理

まず最初の整理は、その職場に要るものと要らないものを分ける行為です。

だいたいにおいて、野放図な職場には要らないものが山ほどあります。

使わない道具・意味不明の道具、バカでかく高価なんだけど使われていない機械、1年に一度使うか使わないかくらいの特殊装置、置き場に困って作業場にはみ出てきている部品や梱包材、私物などなど。

これらの何がいけないかといいますと、まず見通しが悪くなる

見通しが悪いというのは、見える化の天敵です。問題を隠します。

そして、なにより探すという手間を誘発し、動線を不必要に長くします。言うまでもないことですが、作業者さんの行動はすべてが付加価値(Value adding time)を生むものでなくてはなりません。

探す、持って移動する、迷う、こうした時間は付加価値を生みません(Non value adding activity)。こういう少しの無駄が、積もり積もって生産性を著しく下げます。

なので、とにかく本当に必要なものだけが職場にある、という状態を作り上げなくてはいけません。そのためのまずは整理。

整頓

整頓は、ものに処番地(ところばんち)を与えるということ。

冶具であれ、部品であれ、すべてにあるべき場所が与えられ、それが一目でわかるようになっている。これが基本です。

そしてもちろん使用頻度や、エルゴノミクスの観点から、よく使うものには「ストライクゾーン」が与えられなくてはいけません。

例えば、みんなが頻繁に使うものなのに、使う場所からものすごく遠いところに在ったら、単純に嫌ですよね? 使用者から均等の距離にあるのがベストになります。

あるいは、よく使う部品なのに、倉庫の一番奥にあるものなどないですか? High runnerは通路から一番近い、最も移動距離の少ない所になくてはいけないですよね。

あるべき場所やモノの種類を示すラベルも、5メートル離れたところから、誰でもすぐに見えるようにする。これも見える化の一種です。

清掃・清潔

清掃は、読んで字のごとし。

これは、その工場に求められるレベルの清掃具合でもちろん良いです。

例えば、自動車の工場と、衛星の機器を作る工場では、求められる清掃レベルはちがって当然。

ここで結構アホほどきれいにすることを求める5S活動があるようですが、はっきり言って無駄です。そういうのも7つのムダの一つの「加工そのもののムダ」Overprocessing (Extra-Processing)に入ります。

レベルが良くわからなかったら、自分たちのお客さんが見て、どう思うかということを考えてみるといいですよ。

そして、この清掃も、あまりに汚くなっては、その機械や冶具が正常に作動してるんだかもわからなくなってきますよね。なんか漏れてるとか、見えなくなります。そういう意味あいからの掃除になります。

清潔は、そういう状態をいつもキープするため、上3つの整理・整頓・清掃活動をやり続けていくことです。なので私はここに標準化を意味するStandardizationを持ってきています。

あほほど清潔にしようとしなくていいです。あくまで合目的的に。

この最後のが、言うなれば5s活動で最も重要になるところ。

上の4つまでをずー――とやり続けることで、規則を守ることができるようになります。そして自分たちの行動のムダを探すというMindsetも生まれてきます。

工場勤務の方ならわかると思いますが、決められたことができないということは、決められた手順で製造できないということです。それは、品質に関して、致命的な結果を与えます。

さらには、いかに新たな改善をして、それを新たな作業標準にしようとしても、できません。当たり前ですが、規則や決まり事を守るという気持ちなしに、改善の維持は到底望めないわけです。

それから、そういうことができない人は、もちろんシフトに遅刻してきたりしますから、これだってかなり大きな問題です。

大事なことなので、またご紹介しますが、

「何を守るかを決め、決めたことを守る」

To decide what we have to comply, to comply what we have decided

これがコンセプトになります。

なので、これができている仕事場は、強い。そうでないところは弱い。非常にシンプルです。

5s 管理

管理というか5s活動の展開ですけれども、やり方自体はそんなに難しいことはないです。むしろシンプルというか当たり前すぎて、えーっと思われてしまうかもしれませんが。

もちろんまずは、整理・整頓・清掃この3つの活動をやってください

赤紙作戦とか、いろんな情報がネットにありますから、やり方自体はそう難しくはないはずです。

そしたらその定着のために、場所ごとにグループをアサインして、責任を持たせ、毎日毎週5S活動に割く時間を決める。

工場長やトップが、現場を回って、活動の進捗を見る。

管理版やチェックシートで点数を出して維持度合いのKPIとする。

素晴らしいところには、何かしらの表彰やらをする。

全然トリッキーではないです。

そしてある程度の期間を持たなくてはいけないことを、忘れないでください

私の知っている工場長さんは、ある海外の工場で5sの定着だけで3年かかったといっていました。

工場長に就任してから、朝一工場に出向き、自ら内外の掃除。そして出社してくる作業者さんに挨拶。

最初は止めようとした部下も、やめないとわかると付き合うようになる。

トップが率先してやっているので、ラインの作業者さんも、「これは本気の活動だ」と思い、自発的に動き始める。

上記のような活動をはじめ、完全に定着したとなるまでに3年です。

こんなシンプルなことでも、簡単ではないですよね。まさに「やって見せて」の精神です。

まとめ

そんなわけで今回は、原点の原点に立ち返り、少し丁寧に5s活動を追いかけてみました。

海外では、結構出来ていないところが多いです。

そして、例外なく、そういうところはカイゼンが出来ていません。

5sというのは、単に掃除したりするようなものではないです。まさに、必要なものが、必要な時に、必要なだけ生産されているJust in timeの基本となるものです。

オフィスだってそうです。情報だってそうです。

不必要なもの、プロセス、情報そのものに圧倒されてはいませんか?

5sって何にでも使える、最初の改善ステップです。

そしてその定着のためのキーになります。

今日も読んでいただき、ありがとうございました!

体調管理気を付けてください。ではまた!

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