1サンプルの比率検定 (DMAIC)
皆さんこんにちは! 今日もどこかでカイゼンサポート、Kusunoko-CIです。
過去4回にわたってアップしてきました「統計的検定 Minitabでやってみた」シリーズ、今回は「比率の検定」です。
いわゆる不良率などは、パーセンテージで表すことが多いですね。
このような場面で活躍する比率の検定を、Minitabを使って実際にやってみましょう。「1サンプルの比率検定」です。
重要ですが、統計ソフトを使えばとても簡単なので、この機会にぜひ覚えてほしいですね。
1サンプル比率検定とは
1サンプル比率検定は、ある母集団からランダムに抽出したサンプルの割合と、目標の割合を比較するときに使用されます。
例えば作っている製品を母集団として、その不良率をサンプルでもって計測するという場面は、容易に想像できますよね。
この出てきた率が、求められている比率と比較してどうなんだという判断がしたいときに使用されるものになります。
以前ご紹介した1サンプルtや、1 サンプル分散の検定と同様、目標値あっての考え方です。
1サンプル比率検定 with Minitab
ではさっそくこの1サンプル比率検をMinitabでやってみます。
冷凍ピザ工場に、商品包装用のパッケージを出荷している会社があります。
冷凍ピザ工場さんは、パッケージの不良品の割合が0.05以上にならないように要求しているとしましょう(信頼水準99%で)。
そこで1000枚の包装用のパッケージをランダムにサンプリングしたところ、そのうち5枚が不良品であることがわかったとします。
はたしてこの会社は、先のお客様要求を満たす工程能力があるのでしょうか?
こういうケースで1サンプル比率検の出番です。
まずはいつものように仮説を設定します。
注目すべきパラメータは、プロセスの不良品率pである。
- 帰無仮説 H0: 不良品の割合= 0.05 (顧客の要求を満たしていない)
- 対立仮説 H1: 不良品の割合< 0.05 (顧客の要求は満たされている)
今回の信頼水準は、お客様要求の99%にしないといけないですね。
「統計」→「基本統計」→「1サンプルの比率」と進んでいきます。
今回は、すでに不良率の計算を行っていましたから、「要約データ」を選択し、「事象数」は今回の5枚の不良品の数、「試行回数」は1000枚調べたのでこれを入れます。
「仮説の比率」は、お客様要求で目標としなくてはいけない「0.05」を入れましょう。


仮説検定を実行にチェック
さらにオプションをクリックして以下のポップアップを表示させます。
「信頼水準」は、お客様からの99%。
出てきた比率が仮説の比率、つまり目標としたい値より小さくなっていること示したいですから「比率<仮説の比率」を選択。
ここの「方法」は、検定と信頼区間の計算に使用する方法が選択できます。Minitabデフォルト設定では、より正確を期すため、「exact method(正確)」が選ばれていますので、このままいきましょう。
ただし、多くの統計学の教科書では、学生が手動で計算するのに便利な正規近似法が使用されています。
とのこと(Minitab Help)。より正確な結果が得られるというのはいいことですね。さすがコンピューター。
さて今回の検定で、出てきた結果はこちらです。
99%信頼水準でも、p値は0.000ということで、0.05を下回っていますから、帰無仮説を棄却できました。
お客様要件を満たしていますね。おめでとう! 胸を張って報告出来そうです。
まとめ
というわけで今回は、「1サンプルの比率検定」をMinitabで実際にやってみました。
とても簡単でしたね。
統計を使った分析というのは、すでに社会では必須の要件になりました。
とはいえ、すべてを理解し駆使するというのは、コンピューターなしには至難の業です。
統計ソフトは今回の例のように、難しいところを一瞬で肩代わりしてくれますから、便利この上ない。
是非何かしらのソフトウェアを導入して、品質改善や分析向上に役立ててほしいと思います。
そしてやりながら少しずつ、背景にある理屈も理解していきましょう。「なんで」がわかると、より楽しくなっていきますからね。
今日も読んでいただきましてありがとうございました。
ではまた!
Minitab最新版用があれば、なお良かったんですがね。。。