3H作業対策は「やってみせ 言って聞かせて」の精神でした

For the first time, after a long time, after changed.

皆さんこんにちは、今日も一日お疲れ様です。

今年の方針割り当てて、「Sustainability」(やった改善Projectの定着推進)が私のタスクに入ってきました。なかなか難しいものが当たりましたね。

とりあえず今は、定着化の方法について整理しています。とはいえ、できることも決まっています。

改善の定着で最も重要になるのは、結局のところ「人」です。

新しくなったもの、変更されたもの、その人にとって初めてのやるもの、これはミスがあったり、失敗したり、時間がかかったりするのは当たり前のことです。

では、どうやってそうした失敗を減らしていくのか。

中には、かなり高額な製品などもあるでしょうし、ミスやそれに伴う不良はできればなるべく最小化しつつ、新しいやり方にスムーズに変化していってもらいたい。

そこで今回は、その改善後にどうしてもかかわってる、人の作業ミスや失敗の起きやすいポイントと、それを減らすために取るべき行動について少し考えてみましょう。

「いつ」ミスをするのか~”3H作業時です”

人間はミスをする生き物であることを前提に、作業や工程を組立ていかなくてはいかないということは、いくつもの論文や本ですでに紹介されています(例えばこれ「人間特性としてのヒューマン・ エラーと医療安全 – 医療科学社」)。

では、どういう時にミスを犯しやすいのか、それはいわゆる3H作業の時です。

  • 初めて(Hazimete) – 初めてやる作業
  • 久しぶり(Hisashiburi) – 久しぶりに行う作業
  • 変更 (Henkou)- 手順や方法が変更された作業

この三つのあたまの「H」をとって、「3H作業」と呼ばれています。

誰が言ったか定かではないですが、古くから言われていますね。

Wikiによれば

3H(さんエイチ)または3H作業(さんエイチさぎょう)とは、人間が作業を行う際、ミスや失敗を起こしやすい状況を簡潔にまとめた標語。

とまとめられていました。

なので、その作業が初めてやる、久しぶりにその現場やプロセスに戻ってきた、ないしは何か変更になった、というときは、ミスが起こりやすいのですから、周りが特に注意を払ってあげないといけないということです。

大事なことなので何度も言いますが、人間はミスをする生き物であることを前提に、特にこの3場面で注意してあげれば、確実にミスや失敗を減らしていけます。

 

3H作業時に覚えておきたいサポート

古い例えですが、旧海軍大将山本五十六の

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

にもあるように、ほおっておいては、人は基本的には「動きません」。

動かない、というのは、ここでは単に行動をとるとか取らないということだけではなく、気持ちが入らないという意味においてもですね。

「新しくなったよ」、「初めてだよ」、「気をつけようね」というだけでは、なかなかしっかりと意識は向いてかないもの。

なので、こうした3H作業(初めて、久しぶり、変更)のときには、特にこの山本五十六の

  • まず自分がやってみせる
  • 丹念に内容・変更点を説明する
  • 実際にやらせてみる
  • 出来上がりや過程を褒める

という一連のステップを踏むことを、お勧めします。

これ、シンプルで、新しくもないですが、以前お話ししたChange managementの手順にも合致していて、とても面白いものがありますよ。ぜひご覧ください。

3H作業とトヨタ改善に見る具体例

そんなわけで、改善おじさんたちにとっても、何かやり方が変わった・新しくなった後の作業というのは、なかなか気を遣うものになります。改善(変化)後、ですね。

例えば、トヨタでは、改善でやり方が変わったときに、スムーズかつ確実に定着させるステップとして以下の5つを踏むことになっています。

  1. 仮につくった作業のやり方を正式な標準にして公にする。
  2. 管理の方法を決めて、標準書などを制定する。
  3. 新しい(正しい)管理手法を周知徹底する。
  4. 作業の正しいやり方を訓練する。
  5. 維持されているかを三現主義で確認する

これ見ていただけるとわかるんですが、どれも「人ありき」なんですよ。

1で変化した・新しくなったものを導入すると決定すると、ステップ2では、誰かその新しいやり方をわかりやすくまとめて、手順書なんかを作っているわけです。管理・監督する人もきちんと決められていて、効果的な管理方法なんかも考えられている。

3ではきちんと皆さんがわかるように、「これ新しくなりましたよ」とか、「以前と違いますから、気をつけましょう」と伝えられる。

4では、ちゃんとその新し方法で訓練してくれて、そして5でいつもきちんと見守り、何かおかしければ指導もしていく。

とうことで、いかに改善の進んだ会社とは言えども、こうしたきちんとした手順を踏まなければ、変化は定着しないですし、ミスだって起きてしまうんですね。

まとめ

今回は、「いつ」ミスをするの? 3H作業時でしょ! という観点でお話ししてみました。

現場を監督する立場の皆さん、忙しいですよね。四六時中現場に張り付いてることなんて、とてもできない。

であれば、こういう3H作業という

  • 初めて(Hazimete) – 初めてやる作業
  • 久しぶり(Hisashiburi) – 久しぶりに行う作業
  • 変更 (Henkou)- 手順や方法が変更された作業

の時に、めんどくさがらずしっかり時間や手間を割いて、初めての方が「わかる」指導をしましょう。

具体的には、

  • まず自分がやってみせる
  • 丹念に内容・変更点を説明する
  • 実際にやらせてみる
  • 出来上がりや過程を褒める

という手順でした。

こういう、要所できちんと時間を割くだけで、のちのミスや失敗の大幅な低減になっていきますから、ここぞ、というところに時間や労力を割いて、あなたの時間、有効に使ってくださいね!

それが改善です!

今日も読んでいただきありがとうございました。

では!

 

トヨタの問題解決 単行本 (株)OJTソリューションズ (著)

 

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