5S 改善の基本 5S Foundation of Kaizen

よく5Sは改善の基本だという話を聞きます。でも5Sの本当の意味を理解してやってる方ってどのくらいいらっしゃるでしょうね? 日本でも「それはちょっと違うのでは?」という5S活動を耳にしますが、海外だとその本質の理解されづらさは半端ないです。

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今回はなぜ5Sがすべての改善の原点であるのか、そこを少し考察してみたいと思います。

5Sは、もう皆さんもよくご存知かもしれませんが、5つの「S」から始まる言葉の頭文字を合わせて5Sというわけですね。海外だと「five S」という呼称になります。

この5S、「整理・整頓・清掃・清潔・躾」となります。

職場に不要なものが一切なく、かつすべて処番地がしっかり表示され、だれが見ても一目わかる=探す必要が全くない、これがあるべき姿です。そして、業界として、お客様の要件としてのレベルで清掃が行き届き、清潔に維持される仕組みがあって、それを守る規律が順守されている。これがこの5つのSの一連のながれになりますね。シンプルですが、これらがきちんとも守られれば、生産性は向上します。ほんとに。

ただ、理解の仕方(海外だと訳し方のせい?)でこれがあらぬ方向に行ってしまう。すなわち「掃除なんだ」という解釈と、そこから生まれる活動です。しかも無駄に情熱を注いだりするからたちが悪かったりする。日本の場合だと狂ったように掃除に邁進してしまうとか、海外だと「5S?、あーうちは清掃係がいるし」みたいな。

もちろん掃除は必要です。Toyotaでも例えば、TPSの生みの親である故大野耐一氏の工場でカンバンが何枚か紛失した。徹底的に探したら、オイルにまみれて機械の下側にくっついていた、なんて話がありますね。これ常日頃から「5S」という名のメンテや点検をしていたらこんなことは防げたはずで、5Sって重要なんだという逸話になっているのですが。

5Sの本質が、理解されづらいのだなと感じています。やっぱり清掃とかいう言葉のイメージからそうなってしまうのでしょうか。ですので、ここでしっかり5Sの本質を定義してみましょう。

「何を守るかを決め、それを守る」

(=To decide what we have to comply, to comply what we have decided)

そうです。5Sの本質は、「躾・規律・Self-discipline」の問題です。例えば何か改善して、新しいやり方が標準になったとしますね。でもそれを守っていくだけの地力というか足腰がないと、また元の状態に戻ってしまうのは想像に難くないですよね。そして5Sというのは奥が深くて、この中にある考え方がムダどりなんかにつながっていくのですね。これはまたいつか述べてみたいと思いますが。

だいたい多くの企業、洋の東西を問わず改善してみたものの続かない、ないしはすぐ元に戻ってしまう、という問題に悩まされていると思うのですが、この辺の足腰=disciplineが原因です。SustainabilityあってのContinuous Improvement (CI)ですから。私が師事したToyotaの大先輩もよく「5Sなくして改善なし」といっておりました。

5Sは改善の基本。掃除も清潔も大事です。でも本質は、我々の仕事に対する足腰のところにあるのはないかと思います。

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