改善には「管理図」をぜひ使っていただきたい

皆さんこんにちは! 今日もどこかでカイゼンサポート、Kusunoko-CIです。

さて最近久しぶりに、大掛かりなワークショップのサポートがありました。

COVIDの影響で、実際に現地に赴くことはできませんので、当然Webシステムを使ったやりとりとサポート提供になります。

今回も生産性向上と品質改善の様々なProjectがありまして、チームの皆さんの頑張りにより、それぞれ良い結果を出していましたね。

ただ大事なことは、この結果をどう維持していくか、です。そして実はここのところが一番難しかったりします。

そこで今回は、こうした改善Project完了後にもぜひ導入していただきたい「管理図」についてのご説明になります。統計ソフトMinitabを使いながら、具体的な流れを見てみましょう。

管理図の使用状況 in 海外

I-MR管理図

管理図もQC7つ道具の一つとして有名ですね。皆さんもご存知だと思います。

英語では「Control chart」で、こちらは結構頻繁に耳にします。シックスシグマ、DMAICの最後の管理(Control)の段階でも推奨されますので、海外での使用頻度も高いですね。

ただ正直、ここまできちんと管理されている工程というのも珍しく、Projectの後導入してもらって、管理することや仕組みについても一緒に学んでもらうというケースが多いというのが実状です。

管理図とは

Photo by Science in HD on Unsplash

管理図はそもそも、その工程が安定して製品を作れているかどうかを確認し、異常があれば即座に対応するためのもの。

どんなに優秀な製造ラインでも、製品の特性にばらつきというものが生じます。それは自然現象としても当然のことです。

ただその振れ幅が、許容範囲を超えたり、あるいは傾向としても危険な兆候を示し始めているならば、何らかの問題が発生しているとみなし、改善アクションを取っていかなくてはならないですよね。

管理図は、このように工程の「健康管理」を行うためのもので、いわゆる上下の管理限界線を越えたり、おかしな兆候が出始めていないかを教えてくれる、かなり便利な代物です。

管理図とカイゼン

というわけで、品質向上・工程能力アップなど、カイゼン活動とは切っても切り離させないこの管理図。

もちろん普段から導入して、工程の健康管理に努めてもらいたいわけですが、「やってません」という場合もありますよね。

なので、使ってください、とお願いをして導入していただく。

弊社ではMinitabを使っておりますので、その使い方や読みとり方も含めて指導します。実際データさえきちんと取れていれば、作成は本当に簡単ですからね。これがあることのありがたみとういうのは、すぐに理解していただけているようです。

そんなわけで、Projectが始まる前、準備段階から、データの確認です。そこでまずは一回、管理図を作ってもらいます。現状把握ですね。

そしてカイゼンアクションを取ったのち、不良の数など、解決しようとした事象はどう変化したのか、これを管理図でもって確認してもらいます。

取ったアクションに効果があれば、当然管理図にも変化が現れますからね。それをカイゼン「Before / After」として報告してもらえば、レポートとしてもかなりしまったものになってまいります。

Minitabで管理図

さて実際に、Minitabで管理図を作ってみましょう。

まずは当然ワークシートにデータを入れておきます。今回はweek 13からカイゼン案を施行したとします。C3の列に「Before / After」が入っているのがポイントです。

ワークシート

そうしましたら、統計の管理図から「I-MR」を選択して、

I-MR選択

オプションから「ステージ」を選んで以下のように設定します。

オプションーステージ選択

これによって施策前・後などで結果がどのように変化するかを示す履歴管理図が出来上がります。

「新規ステージを開始する時期」の「それぞれの新しい値」にマークを入れて、列に新しい値が出現したとき次のステージが開始するようにセット。今回の場合で言えば「After」ですね。

そうすると、以下のような管理図が瞬時に現れます。まぁ簡単。

I-MR管理図完成!

今回の例で言えば、カイゼンのアクションはかなり有効であったことが分かりました。

上の個別値における上下管理限界線はかなり狭くなって、ばらつきが小さくなっていることがわかりますね。また平均値を表す緑色の線も、160あたりから、100近くまでぐっと下がっていますね。

大成功です。よかったよかった。

ちなみにMinitabには、先ほどのグラフ作成オプションで「検定」を設定しておくと、いわゆる管理図の異常パターンを教えてくれる便利機能もついています。

検定機能も便利

下のグラフは、検査数が違う場合の「P管理図」ですが、検定をするようセットしてみました。

P管理図 赤い点が異常を示す

グラフに赤い点が見えますが、これが異常が起こっていそうなパターンを示しているところです。今回の場合は、管理限界線(3σ)を、上下で超えてしまっているところを示してくれました。

工程で何かしらの異常が起こっていることがわかりますので、丁寧に原因を調査し、何らかのアクションを取っておかなくてはいけません。

こうした場合、その時期に起きた4M(Man,  Machine, Method, Material)の変化のような、何かしらの出来事を、グラフに重ね合わせながら調査を進めていくと良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は「改善には『管理図』をぜひ使っていただきたい」と題しまして、カイゼンProjectには欠かせない、管理図のお話しでした。

こうした管理図も、PCがないと作成はたいへん面倒です。巷でよく説明されている「管理図の8つの異常」というものも、正直追いきれないと思います。

その点、Minitabなどの統計ソフトであれば、作成から異常の判定まで、瞬時に行えますので、我々人間は、もっと実際のアクションのような付加価値のつけられる作業に専念できますね。

私のサポートしたProjectリーダーさんたちも、管理が楽に行えると喜んでいましたよ。

ぜひぜひこうしたソフトを導入して、実際のカイゼンアクションをバンバン増やしてほしいと思います。

今日も読んでいただきまして、ありがとうございました。

ではまた!

高いけど、必須。

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