「創造力」のトレーニング方法

Training method for creativity.

皆さんこんにちは。突然ですが皆さんは、自分は創造力がある方だと思いますか? Kusunoko-CIはそう聞かれると、おそらくあんまりないほうだと答えたくなりますね。日本人というのはなかなか謙虚な(?)考え方をするようで、6割近い人は「創造力」なんて自分にはないんだ、と答えてしまうようです(Searchina)。しかも「天賦の才」だとも思っている。これ危険ですよね。試しもしないで、「天与のものだから自分には無理」と決めつけてしまうというのは、そもそも持っている可能性をつぶしてしまうわけですから。

そこで今回、私も伸ばしたいこの「創造力」のトレーニング方法というものを調べてみました。これを読めばあなたも「創造力」を伸ばしていける!

創造力

ということで、まずはきっちりこの「創造力」が何なのかを一度定義します。今回は『ブリタニカ国際大百科事典』さんから。

創造力 そうぞうりょく creativity

新しいものをつくりだす能力。解答が1つだけではないような課題における思考,すなわち拡散的思考の能力と関係があるとされる。知能の高い人が創造力にもすぐれているとはかぎらず,創造力は知能のほかにパーソナリティ,動機,所属する集団など,さまざまな要因により影響される。

うん、新しいものを作る。新しいもの=今までにないもの。そういうものを作り出せるスキルということでOKですね? なんだこの「拡散的思考」って? ググる。今度はwikiさん。

収束的思考(しゅうそくてきしこう)、そして拡散的思考(かくさんてきしこう)とはアメリカの心理学者ジョイ・ギルフォードが提唱した概念である。

人間の思考について研究を行ったギルフォードによれば、人間の思考には2つの側面があるとしている。1つは既知の情報から論理的に思考や推論を進めていき、唯一の正解に正しくそして早く到達するための収束的思考、もう1つは既知の情報から様々に考えを拡散させ(めぐらせ)、新たな物を生み出していく拡散的思考である。

なるほど、要はなんかこう放射状にアイデアが拡散していくようなイメージですね。どんどん広がり広がった先で実を結ぶような。あとで述べるMind mappingに近い感じでしょうか。

そんなわけで、これですっきり何を訓練したいかわかりました。「ある一定の分野において、誰も思い付いたことのない新しいアイデアを生み出す力」を伸ばしていきたい。こうなります。

創造力 鍛える

ということで、早速以下具体的な鍛え方や、フレームワークです。

アイデアノート

いろいろ調べてみましたが、アイデアを出すときまず1番重要になるのが「量」。あの発明王と言われるエジソンは、生涯に3500冊ものノートを書いていたそうです(Thomas Edison)。流れ出るアイデアをとにかく書き記す。それが違った形で彼の新たなProjectに活かされたりしたとのこと。

このエジソンンが参考にしていたのが、芸術家で、数学、解剖学、天文学、物理学に造詣の深かったレオナルド・ダ・ヴィンチ。彼の場合も、残っているだけでも7000ページものアイデアやメモを記した資料があるとのことで(Leonardo da Vinci’s Notebook – The British Library)、何とも桁違いですね。1日2ページ書いたとしてほぼ10年かかる計算です。

どちらの歴史に名を遺す発明をした偉人ではありますが、この天才たちであってさえ「ノートにアイデアを書く」という積み重ねをしていたわけです。とにかくアイデアを出して出して出しまくるというのは、「創造」の第一歩ですね。

Brainstorming

で、このアイデア出しを助けてくれるのが、まずはBrainstormingという手法です。ご存知の方も多いでしょうが、以下ルールの説明を。

  • リラックスした雰囲気
  • セッション中は批判も判断もなし
  • 「量」をだすのが目的
  • Post itで書き出して壁に貼る
  • セッション後評価する

なので、どんなバカげたアイデアでもOKとして、とにかく出す。とことん出す。一人100個とか出す。そうやってとにかく量を集めて、その後カテゴリーに分けたり、組み合わせたりして具体的なアクションに落とし込んでいくというやり方ですね。必要なのはこれができる部屋とPost it(カード)とペン。あとは張り出す壁が一面あればなお可、といった感じです。一人でもできます。

Mind map

こちらも定番アイテムです。特に難しい手法もいらないですが、わりとアイデア出しには役立ってくれます。

  • まずは大きな紙やホワイトボードの中心に、アイデアを出したいトピックを置く
  • 中心のトピックからヒゲが伸びてその先にアイデアを置く
  • 続けて放射状に思いつく限りのことを書く
  • ヒゲの先にある思いついたアイデアからもどんどん放射状のアイデアが広がっていく
  • とにかく量を出し尽くす

今はアプリもありますので、PCやスマホの中でもできますが、私はやっぱり手で書くのが好きです。家でもよくやってます。先ほどの拡散的思考が視覚化されたもの、という感じですね。

100枚カード

これは最近、精神科医の樺沢先生に学んだ方法。とにかく何か考えをひねり出したいトピックに関して、カードを用意して書く。ひたすら書く。書いて書いて100枚は最低でも書きだす。そこまでやればそこそこ使えるアイデアが出てくるはずということで、これもかなり使えます。先ほどのBrainstormingと同じですね。これだと一人でやってる時でもやりやすい。そして絶対手書きがいいです。手書きはPC入力に比べて、より多くの筋肉や神経を使わなくてはならず、確実に脳が活性化されます。ちなみに米プリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の共同研究でも、記憶や理解の仕方に有意な差が出るとの結果があります。書きましょう!

切り口を変える

創造力なんかの話でよく言われるのが、「発想の切り口を、あるいは見方を変えていけばいい」というお言葉。これ見るたびにKusunoko-CI、だからどうやるの? それができたら苦労しないんだけど、って思っちゃうんですが。思いませんか?

そこでいろいろなんか簡単な方法、かつなんか面白くやれそうなものはないかと思って探してきました。面白くないと続かないじゃないですか。どうせなら楽しんでやりたいし、長く続かないと意味がない、トレーニングですから

そこで2つ、どちらもTEDからなんですが、ご紹介したいと思います。

ティナ・シーリグさん(スタンフォード)

まずは、スタンフォード大学の管理科学技術工学科の教授、ティナ・シーリグさんが面白いアイデアの切り口の変え方を教えてくれています。

最初は運のお話ですが、3つ目の方法として提示されています。悪いアイデアのみを、いいアイデアに転換していく。これは面白いですね。いいアイデアが「いい」という固定観念を捨て、全く新しい切り口からアイデアを見直し「発想の転換」を図るための訓練。これはまさに「創造」というのにふさわしいやり方ではないですか! 楽しそうですしね。

高橋 晋平さん(バンダイ)

もう一つは、バンダイで現在カプセル玩具の企画開発を担当し、ヒット商品を次々に送り出しているアイデアマン、高橋 晋平さん。

しりとりですよ! この日本人の大好きな! そして、気が付きましたか? 高橋さんも「数を出していけば、必ずいいアイデアが生まれてくる」とおしゃっています。「戦いは数だよ、アニキ!」ってやつですよ、みなさん。

情報収集

ちなみに最後になりましたが、いろいろな情報を仕入れておくのも大事ですよ。読書や新聞、インターネットなどなど。畑違いの分野のものが、何かに生きてくることもあります。STEAM教育の回でも少し触れましたが、横断的な頭の使い方を意識するといいのではないかと思います。

そして「経験」しておくこと。ちょっと普段と違うことをして、新たなことを経験すると、それは本当に血肉になります。先ほどの、ティナ・シーリグさんのスピーチでも言われていますね。コンフォートゾーンから出ることの重要性。私はここに「経験」というキーワードを添えておきたい。実際にやって経験したことは、大きな差異化になるのです。そして知恵になる。知恵になったものは必ず何かに活かせます。

まとめ

いかがでしたでしょうか? 「『創造力』のトレーニング方法」と題しまして、まずはアイデアをいっぱい出す訓練。そして切り口や発想を転換させる訓練でした。

今回私も、とにかくこの創造力を伸ばしたいということで、いろいろ調べました。ただネット上では、情報がなんかコンサルの方がやるような高度なものか、あるいは漠然としたものかの両極端で、しかもあんまり楽しくない。

そこでせっかくだし、一回しっかりまとめて考えてみようという気になりました。

大事なことは、とにかく数を出しておく。それをノートに書き留めておいたり、頭の中にためておいたりする。出てきたアイデアは、くっつけてみたりするとまた何か違ったものになるかもしれない。あるいは熟成させておくことで、突然自然発火のように、全然違う事柄に適用できることに気が付くかもしれない。

我々は天才でも何でもないですし、今まではそうした創造力を求められる場面もあまりなかったかもしれない。しかしながら時代は大きく変わっていきます。IoTやAIがこれまで人間が携わっていた分野にどんどん進出してくることがはっきりしています。

今私たちは、この人間にしかできない創造的な分野で活躍する術を、是が非でも身に着けておかなくはならないのです。来るべき時代の前に、みんなで始めましょう! 準備に勝るものはなしです!

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