問題解決はみんな同じ PDCAとシックスシグマのDMAIC そして8D
DMAIC PDCA 8D
Photo by Chris Liverani on Unsplash
皆さんこんにちは! 今日もどこかで改善サポート、Kusunoko-CIです。
ここ何回か、シックスシグマに関しての記事を書いてみました↓。
歴史や、資格制度(ビジネス)のお話しでしたね。そこで今回は、「シックスシグマ」の改善手法では、どういうステップで問題を解決していくのか、のご紹介です。題して、「問題解決はみんな同じ、PDCAとシックスシグマのDMAIC、そしてついでに8D」です。
こちらの記事で、「シックスシグマ」プロジェクトのすすめ方と、科学的アプローチが理解できますよ。ぜひお持ち帰りください!
シックスシグマスのテップの5ステップ
ではさっそくシックスシグマスのテップの、中身を見てみましょう。
シックスシグマは、「DMAIC」という5つのステップに沿って、プロジェクトを進めていきます。
この5ステップでやるべきことをきちんとやると、問題解決が図れるとのこと。
その5つのステップとは、
- 定義(Define)
- 測定(Measure)
- 分析(Analyze)
- 改善(Improve)
- 管理(Control)
になります。
全部の頭文字をとると「DMAIC」になってますね。ちなみに発音は「でぃーまいく」って感じです。なんか、かっこいいですね!
「DMAIC」で何するの?
では次に、この「DMAIC」という各ステップで、何をしていくのか、具体的な説明です。
Define(定義):
ここでは、問題・課題の現状把握と、プロジェクトのゴールを設定します
「プロジェクトチャーター」というものを書いたりするのですが、この「チャーター」とか、日本人にはあんまりなじみのない言葉で。
「charter」と書きますが、辞書的に一番近いのは、「憲章、設立趣意書。組織の目的や信念などを定めたもの」なのかな(アルク)。
プロジェクト・マネジメントでも同じように、この「チャーター」を書くんですが、なんのことはない「何が問題なのか」をチーム全員で共有して、いつまでにどうするの、どう計測するの、といった基本的なことをまとめだけです。
とはいえ、たしかにスコープやら、何をもって成功とするのかを、チーム全員できちんと理解しておかないと、あとあと大変なことにはなりかねません。
プロジェクトの背景や、スコープ(どこからどこまで今回含むのか、あるいは何を含まないのか)、計画のタイムラインや、プロジェクトをやることで起こりうるリスクなどを、文書にしてチーム全員で理解しておきましょう。
Measure(測定)
Measure(測定)では、現状把握を行うため、データを収集して、その測定方法を具体的に決定します。
まずは現状を正確に把握するよう努めましょう。自分の感覚はこうなんだけど、「事実としてどうなんだ」。感覚として感じていることではなく、数字でどう表れているのかが重要です。十分な量の、正しいデータを取っていきます。
またこのフェイズでは、大まかなプロセスマップから、よりスコープにフォーカスした細かなプロセスマップまで、徐々に核心に迫ること=「見える化」も求められます。
具体的な業務のフローを把握すると、何が問題となっているかも明確にすることができます。
現状の悪さ加減と目標値(具体的な数字)、計測方法もここでクリアにしていきます。
Analyze(分析)
Analyze(分析)は、問題点や因果関係の把握及び要因推定です。
集めたデータを解析します。具体的には、現状とゴールとのギャップを生み出している「原因を探る」ステップです。
その問題(ギャップ)を引き起きている要因が何なのか。データを解析し、要因の中で「結果」に対する影響力が大きい、注目(改善)すべき原因を洗い出していきます。
ちなみにここまで、「準備段階」ですね。
しっかり問題と、原因と、それに対応する改善案を考えます。
Improve(改善)
Improve(改善)は、改善策立案と実行のステップ。
「DMA」と3ステップを踏んできました。
ここまで綿密に準備すれば、問題となっていることの科学的根拠、要因として一番効きそうなところ(原因)、計測の方法などで、すでに見えてきているはず。
この一番効きそうなところに、具体的な策を打っていくのが、この「Improvement;改善」の段階です。
Control(定着)
Control(定着)は、上記の改善アクションの「効果確認」と「標準化」です。
対策実行後、再び工程の測定を行い、改善効果が出ているのかを確認します。また継続的に期待通りの結果が維持できているのかも、チェックの対象です。
Define(定義)で建てた目標を達成しているのであれば、その改善効果を定着させるための標準化を行います。
そのため、作業員の皆さんへの周知徹底・トレーニング、及び管理体制の設立・強化と継続的モニタリングは欠かせません。
問題解決は、基本的に同じである
ここまで読んで、勘のいい皆さんはもう気づかれたかもしれませんが、問題解決のステップというのは、基本的に一緒です。
- 現状(問題点)把握と達成したい目標の設定、データ(値)、要因を明らかにする (Plan)
- 要因(真因)に対する改善アクションの実施(Do)
- 改善施策後の状態の観察、標準化と、適宜微調整アクション (Check, Action)
と、まさにPDCAと、同じような流れになっていることがわかります。
なので、このDMAICも細かく見ていくと、トヨタビジネスプラクティス(TBP)と同じステップになっているのですね。
TBPは以下の8 Stepでしたね。
- 問題を明らかにする(Clarify the Problem)
- 問題点を洗いだす(Break Down the Problem)
- ターゲットを設定する(Target Setting)
- 真因を見つける(Root Cause Analysis)
- 改善案を考える(Develop Countermeasures)
- 改善案を実行に移す(See Countermeasures Through)
- 結果とプロセスの両方を検証する(Evaluate Both Results and Processes)
- 標準化しヨコテンする(Standardize Successful Process)
このほかにも、「8D」というフォードの問題解決アプローチもありますが、基本的な流れはほとんど一緒です。
これは問題解決という手法が、どれも「科学的なアプローチから生まれている」ことの証拠なのです。


科学的アプローチ
まとめ
今回は、「問題解決はみんな同じ、PDCAとシックスシグマのDMAIC、そしてついでに8D」ということで、なかなか一粒で3度おいしい記事になりました。
こうした改善手法は、いずれも「科学的な」アプローチから生まれている。なので、踏むべきステップにそう大きな違いはないのです。
シックスシグマで言われている、「Data driven」(データをもとに考える)というのも、どの手法でも同じです。
改善手法とは、現状を把握し、データをもとに、効率的効果的にビジネスやそこに関わる問題・課題を解決していくことになります。
これはもちろん仕事だけではなく、私生活(勉強・習い事・諸問題)の解決にも使える考え方ですので、ぜひ覚えてやってみてください。
慣れると「次何だっけ?」考える必要もなくなって、わりとすいすい問題に取り組めるようになります。もちろん、いい結果も出やすいですしね!
今日も読んで頂きまして、ありがとうございました!
皆さんの問題・課題にいい結果がもたらされますように。ではまた!