改善おじさん視点で見た 株式指標 「EPS、PER、PBR」

EPS, PER, PBR

皆さんこんにちは! 今日もどこかで改善サポート、Kusunoko-CIです。

「最近はまってることはなんですか?」と問われたら、「家族みんなでアウトドアと株です」、と答えます。

株、面白い。

もともと、経理的素養もないのに、経理的なことに興味がありまして。仕事でも、改善活動となれば、どうしてもそういう「お金(コスト)」に関しての話と関わること多いのですが。

ビジネスやるうえで、お金というのは最も重要な要素ですしね。

前回の転職に当たっても、しっかり「財務諸表」を見て、おかしなところがないか、確認しながら会社選びをしました。けっこう役に立ちます。

そんなわけで今回は、「改善おじさん視点で見た 株式指標」ということで、もっとも代表的と思える「EPS、PER、PBR」を説明いたします。

私はもともと数学が苦手なんで、そういう私でもわかるように書きました。かなり分かりやすくなっているはずです。

ご参考になれば幸いです。

3つの基本指標 EPS、PER、 PBR

今回はまず、株式投資の最も基本となる、3つの指標「EPS、PER、PBR」について説明したいと思います。

EPS

まずはEPSから。

Earnings Per Shareの略で、1株当たり利益を指します。その会社が発行している株の、一株に対して、当期の利益(当期純利益)がいくらあるかを表したものになります。

当期利益を発行株式数で割ったもの、です。

例えば、100万円の当期純利益が出ていて、1万株発行している会社なら、100万÷1万でEPSは100となります。現在一株当たり、100円を稼ぐ力のある会社、ということになりますね。

ポイントとしては、やはり過去からの動向を見て、「良くなって(出る利益が増えて)いる」かどうかの推移を見るのがいいでしょう。あとは同業他社からとの比較。

カイゼン活動で、利益率が上がっているのかもしれない(笑)。

例えば、今年に入ってから今日(2020年7月8日)までの、トヨタ自動車EPSですが、最大値=837.6、最小値=762.5で、平均値:824.25円となっております。推移は以下のような感じです。

コロナの影響で、やや厳しいか。

ちなみに、かつてのライバル日産自動車のEPSは、同期間で平均値18.89円ですから、大きな差がついてしまいましたね。

PER

ついでPER。

これはPrice Earnings Ratioの略。日本語では株価収益率

計算式は、

PER=時価総額÷純利益、あるいは

    株価÷一株当たり利益(EPS)

で求めます。どっちも同じ値が出ます。

時価総額とは、“株価×発行済み株式数”を指します。「会社丸ごとの値段」を表します。

例えば、今日現在で、トヨタ自動車の時価総額は約22兆円。なので、それだけのお金があれば、理屈の上ではトヨタ自動車という会社が、買えてしまうということですね。

一般にPERが高いと、利益に比べて株価が割高、低ければ割安であるといわれます。

とはいえ、PERが低ければ何でもいい、というわけでもない。PERが低くても、業績が悪化していくようなら割安とはいえません。

株の取引は「美人コンテスト」といわれるように、「みんなが魅力的であると思うもの」を選ぶことが大事。業績が悪化していく会社には、一般的に人は魅力を感じないものです。

逆に高い場合。

「PER 100倍」など、極端に高い場合も、買わない方がいいでしょう。

このPERという指標は、そもそも「何年で元が取れるか」、という考え方から生まれてきました。

例えば、PER10倍ということは「もし毎年同じ純利益が得られるならば、10年で元が取れる」という意味です。

株価が1,000円で、1株当たり利益が100円ならば、PERは10倍(1000円÷100円)です。その会社が、毎年100円の純利益を10年間稼ぐなら、10年で1,000円の利益を得ますね。

私たちが投資したお金(1株1,000円)と同じ額の利益を回収するのに、10年かかるという考え方です。

なので例えば「PER100倍」とかいうことは、向こう100年分の利益を織り込んでいるということで、あまりに「皮算用」が過ぎる感じがしますよね。

PERは「何倍ならOK」というものでもないです。投資先となる会社の過去のPER値を見たり、同業他社などと比較したりして、相対的な投資尺度として活用するのがいいと思います。

でもまぁ、私は基本スクリーニングをかけるときは、30倍くらいを目安にしますね。

トヨタは本日、「PER 9.14倍」ですから、割安です。ただ先ほどのEPSの推移で、現在上がり調子と見るのは難しいでしょうね。

PBR

PBRとはPrice Book-value Ratioの略です。日本語では「株価純資産倍率」といいます。

これは、“会社の純資産と株価の関係”を表していて、PERと同じように株価の割安性を測るもの。

なので、PBRが低ければ低いほど「株価が割安である」ということですね。

なるべく簡単に説明します。

まずは「純資産」ですが、これは「その会社が持っている、借金ではないお金」。

総資産 総負債 純資産 「経理Compass」より

ある日突然、その会社が解散するとしたら、総資産(持ってるお金の全部)から、支払い義務のある費用を全て払い、従業員にも給料や退職金を払います。株式会社は「法律上株主のもの」ですから、それでもなお資金が残った場合は、それらは全て株主達のもとへ、となります。

このPBR、計算式は

PBR=現在の株価÷一株当たりの純資産

となりまして、まずはこの「純資産」を発行株数で割った数字を出します。ちなみにこれをBPS (1株あたりの純資産)といいます。

このBPSは、「1株あたりにいくら分の純資産がくっついてるのか」と考えるといいでしょう。例えばBPSが、100円なのか200円なのか、ということですね。

で、例えば今ある会社の株が、1株1000円だとして、これをそれぞれBPS100円、200円で割ると、

PBR=1000÷(BPS)100円=10

PBR=1000÷(BPS)200円=5

という数字が出てきますね。

当然ですが、一株に「200円くっついてる」ほうが、分母が大きい分、PBRの値は小さくなります。

分母が大きい=一株にくっついてる純資産(返ってくるお金)が大きいということ。返ってくるお金で、株価を割るので、「返ってくるお金に対して株価が何倍になっているか」がわかるということですね。

なのでこの数字は、「小さい方がいい」ということになります。

こちらは感覚として、せいぜい5倍くらいまで。返ってくるお金の5倍くらいまでの株価なら、買ってもいいかな、と私は判断しています。

ちなみにトヨタ自動車、今日現在でPBR1.03ですから、かなり割安ですね。ほとんど株価=返ってくるお金みたいになってます。

まとめ

というわけで今回は、「改善おじさん視点で見た 株式指標」と題しまして、最も代表的な「EPS、PER、PBR」の3つを取り上げてみました。

株というのは、なかなか奥の深いもので、その企業のある瞬間を、判断材料として切り取ればいいわけではない。

その産業の動向、投信、外国人投資家の動き、日本という国の景気、海外特にアメリカ株との兼ね合いなど、考えられる要素は、たぶん無限大ですね。

私たちがチャートや、指標で追いかけている定量的なものの向こう側に、人々の思惑、期待や嫌気などの気持ちが渦巻いている。

なんというか、将棋や囲碁が面白いという気持ちと、なんとなく似ているのでは、思いました。

分からなければ、本当につまんない。でも何かが見えてくる瞬間があって、それが楽しいのですね。苦労して見つけた株が、予測通り値を上げていくときなど、何とも言えない気分になります。

その逆もありますけど(笑)。

株には夢があります。みなさんもトライしてみてはいかがでしょうか? 余裕資金の範囲内で楽しむなら、全然危険ではないはずですよ!

今日も読んでいただきまして、ありがとうございました。ではまた!

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