後工程はお客様 英語で“Following process is your (internal) customer”

海外で改善指導を行っていると、なかなか望む品質が出てこないことないですか? 今日はこの品質問題について、トヨタの自工程完結という考え方も絡めながら、なぜなのか、何ができるのかについて語ってみようと思います。

自工程完結 トヨタ

この「自工程完結」英語でいうと、”Built-in quality with ownership”となります。「品質は工程で作りこむ」という概念を必死に詰め込んだ訳になっていて、私は好きです。でもあんまり通じてる感はありませんが。

やり方はいたって簡単、導入は難しい。方法は、簡単に言えばSIPOC analysis やsix sigmaのDetailed map作成にも似たやり方です。

1.業務フローを書く

2.Inputとoutputをはっきりさせる

3.誰がやっても同じOutputが出るようにそのプロセスで行うタスクを、可能な限り細分化していく。

4.特記事項があれば合わせて記載し、後で使う人が迷わないようにする。

5.常にアップデートする

6.文書化されて、そのタスクに関わる誰にでも閲覧可能にする。

だいたいこんな流れです。

ポイントはInputとoutputをはっきりさせることで、前工程からくるものに必要な要件、後工程に流す良品判定の判断基準(criteria)が明確になる、そして何よりダブりや漏れなどの確認が可能になり、「誰がやっても同じ結果が出せる」という目的が達せられるところです。この活動が始まったときの、最初の思いは一つ、「人の一生懸命を無駄にしてはいけない」、これがトヨタのteam workの考え方です。

「後工程はお客様」に見る文化論

ここから先は、海外で改善や品質について教えてきた人間の所感です。

“後工程はお客様”は英語で、“Following process is your (internal) customer”。という感じでしょうかね。

日本人なら、この言葉を口にすると皆さん何となく、「あ、そうだよね、やることきちっとやらないと」みたいな感じになりますよね。

しかしながら、この言葉を訳して海外の方に伝えても、ものすごい「???」という感じになることがあります。

私も最初に“Following process is your customer”と文書に入れたら、上司から「(internal)ってつけ足さないとわからないと思う」、といわれまして。

なぜなのか私なりに考えてみたのですが、やっぱり大きくは文化の差ではないかなと。

日本人は農耕を通してteam workを保って生きてきた民族です。コミュニティ内の結束や和というものがすごく重視されている社会です、良くも悪くも。

ちなみに、“Conformity is an essential element of our homogeneous community.”というフレーズは私の大好きな英語の参考書「Duo 3.0」の中に出てくる一文ですけど、日本社会を海外で説明するのにこのConformity(他者に同調する意識)という単語は非常に便利です。

それはさておき、「後工程はお客様」の感覚、同じ農業立国(例えばタイ)なんかでも、通じないみたいです。

思うに海外の(とあんまり一括りにするのもよくはないんですけど)方の責任に対する範囲の取り方というのが、日本人と違うんじゃないかなと。

例えばサウジの場合だと、最終的な判断というのは、結局自分と神様の間の対話に集約されていくようですから、他者への相互介入というのが少ないのかな、と感じました。

これがタイ人の場合ですと、一般的なコミュニティに対する世界観というのは、3つの大きさの違う同心円で成り立っていて、家族→友人(同僚・クラスメート)→そして一番外側の「公」のようになっている、そしてこの最後の円に属する人々に関してはかなり無頓着というか、気遣う対象ではないという(手押し信号で止まらないのはこの「公」の部分での出来事だから)。

書いてて思いましたけど、根っこにあるのは気遣いなのか。その気遣いの意識をどこまで拡大して持っているのか、とか。だから“Omotenashi”みたいな日本固有の文化も生まれるわけですね。なるほど。

尊重 Respect Human

そうはいっても品質ですから、この会社の生死にかかわることを「文化の違い」と片付けてはいけません。

そんなわけで、何ができるかというと、やっぱりトレーニングなのかな、セッションというか。

今「後工程はお客様」をテーマにした資料を作ろうと思っています。彼らも同じ会社の人間、時間をかけて丁寧に説明すればもちろんわかってくれます。

ここで注意しなくてはいけないのが「尊重」の精神です。日本は優れています。それは私も同意します。

ただだからといって、それを前面に押し出してしまってはいけません。振り返れば日本だって、低品質に泣いた時代があった。Made in Japanが品質の悪さの代名詞であった頃もある。

それを我々の先人たちが、それこそ血のにじむような努力でここまでにしてくださって、ありがたい。おかげで今私も日本人ということで世界で活躍させてもらってます。

今はできないかもしれない、しかしこれからは変わっていく、その道の途中で私たちは彼らのお手伝いをしているわけですからね!

文化的背景は、言語の特性を超越してしまうのですね。訳があってるからといって理解できるとはかぎらない、ということです。

英語習得は異文化交流。これが鉄則です。面白いですね!

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