現場管理に必要なもの 海外事例も含めて

Gemba control.

皆さんこんにちは、体調いかがですか? 今日もどこかで改善サポート、Kusunoko-CIです。

さて、体調と言えば、やっぱり大事なのは、「なんかおかしいかも」という体のサイン。あんまり気にしすぎるのもどうかとは思いますが、おかしな気配を感じ取るというのは、大切な健康管理の第一歩。

最近では、こんなTweetも話題になっていました。

いつもやってることができなくなったら、なんかおかしいということすね。

というわけで今回は、現場の管理に必要なもの、と題しまして、

  • どうやって問題発生を防ぐのか、あるいは
  • 改善後、定着を確実にするための管理の方法は

ということについて、お話ししたいと思います。

この記事を読むことで、現場管理の基本的な考え方が、すっきり説明できるようになると思います。後進を育てるときなんかに、例え話としてもお使いください。海外とか。

現場管理に必要なもの

さっそくですが、現場管理に必要なもの、それは「基準」です。

極めてシンプル。

なぜなら現場には、「正常」か「異常」か、の2種類しか存在しないからです。それさえ見極められて、適切なアクションが取れれば、しっかりした管理ができていることになります。

その「正常」か「異常」かを判断するために、いわゆる「基準(物事の基礎・拠り所)」というものが必要になりますね。

「基準点・基準値」を設定するからこそ、そこと比べてみて「いいとか悪い」の判断が下せるようになります。

例えば、小学生の子どもが、「テストで40点だった」と結果報告してきたとしましょう。100点満点中の40点。それをどう考えるべきなのでしょうか。「60点も失って、良くないじゃないか」感じてしまっていいものか。

ところが、よく調べてみると実はこれ、全国で実施したテストで、平均点はなんと20点だった、などということがわかったらどうでしょうか? 全国平均を20点も上回っていたわけで、「そんなに悪くもない」ということになるかもしれません。

それは今、「基準」となるものがあるからです。基準値があれば、そこから外れたものが「異常」であるということがすぐわかる。「正常」か「異常」かの判断が、瞬時につきます。

そして、異常なら、直ちに手を打つことで、これ以上の問題発生を防ぐこともできますよね。

あるいは、日々のデータを追う中で、最近の傾向が、基準値を外れる方向に動き始めている、ということが見て取れれば、基準値を外れてしまう前に、気づいて何らかの防止策を打つこともできます。問題発生の予防もできるということです。

これが「基準」というものをもつ理由になります。

ちなみに、そうした「傾向」で、いち早く「異常」を察知するためのツールが管理図です。

異常・正常だけでいいの?

Photo by Isaac Smith on Unsplash

あるいは改善活動をした後、その定着には、いくつかの定型的な手順がありました。

  1. 仮の作業であった改善を新たな標準とする(標準作業書)
  2. 管理者や、管理の方法を決め、文書化し実践
  3. 変更があったことを周知徹底
  4. 変更に伴うトレーニングを実施
  5. 現地現物で、新しい「標準」と現状との差異をチェック・是正(これを日々行う=日常管理)

いわゆるトヨタ式の、カイゼン定着の仕方でしたね。

いっぽうシックスシグマの手法であっても、似たような考え方を垣間見ることができます。

シックスシグマは、いろいろな統計的手法をつかって品質改善を行っていきますが、目的は下の絵に代表されるように、とてもシンプルです。

的を外してる and/or ばらついてる を「精度を上げて真ん中に」

  • いかに「ターゲットを捉え切れていない」状況を正し、
  • 「ばらつきが多い」ものを、真ん中(ターゲット)に集めていくか

なのですね。

ターゲットを捉えて、その精度をあげる」。図を見ての通り、「真ん中にいかに正確に合わせていくか」が目標です。

当然ですが、そこに基準となる値があることが、大前提になります。

改善は、巨大なPDCAボールを、坂の上へと押し上げる作業

改善は、「Continuous Improvement」と呼ばれて、よく下の絵のように表現されます。

PDCAサイクルを、坂道を上に上にと回していく。

見てわかる通り、これにはたいへんな労力がいる。なんというか、そもそもが、簡単なことではないのだ、というのが見えてくるのではと思うのですが、いかがでしょうか?

そして変化をさせた(改善)後、というのが最も重要なポイントになる、と個人的には思っています。

ぶっちゃけ押し上げるのは、「よいしょ」っと、力業でも何とかなる。

ただその後、あなたは押し上げた巨大なPDCAボールを支える手を、放してあげなくてはいけない。ずーっとそこで支えているわけにはいかない。

「あなた」なしで、ボールはそこで踏ん張れるのかどうか。

このPDCAボールを支える、「つっかえ棒」がないと、せっかくの”改善”も瞬く間に転がり落ちて、元の状態戻ってしまう。これは想像に難くないですよね。

戻らないようにするのも、「管理」です

ボールが動きそうな兆候が現れたら、坂道を転げ落ちて勢いをつけてしまう前に、対処しなくてはいけない。それが、「異常」なサインが出たときに、いち早く手を打つ、というアクションになってきますね。

定着化に、きっちりした「管理」が必要になってくる理屈が、お分かりいただけるかと思います。

まとめ

ということで今回は、現場管理に関する、ちょっとしたコンセプトでした。

現場には「異常」と「正常」しかない。

異常をいかに検知するのか、あるいは予測するのか。そして、問題発生をいかに少なくしていくのかが、管理の要点になってまいります。

このために、すでにご紹介した、管理図など、様々なツールがあるわけです。

そして、こうした管理を生きたものにするのが、結局のところは「現地現物現実」の、いわゆる「三現主義」です。これなくして、言うまでもありませんが、管理はあり得ません。

と、なぜ何度も書くのか。

それは、海外に行くと、いわゆる管理に当たる立場の人間が、現場に行かないからです。

これは、けっこう由々しき状態で、かつ、残念なことに多くの海外の現場で見受けられる症状です。

ですので、いかにこうした現地現物での管理が重要なのか、こうした例を使いながら、きっちり説明してあげてください。

そしてしばらくは、あなたか、あなたの名代が、管理者を管理する、という、なんというかちょっとアホみたいな状況になったりするかもしれませんが。

でも仕方ない。出来ないんだから。

何も考えなくても、こうしたことができるようになるには、時間がかかります。

でも人を育てること以外に、乗り越える道はありませんから、愚直にやってまいりましょう。間違っても、「現場管理にビデオを付けました。これでカンペキです!」なんて言葉を、受け受け入れてしまわないように(実話)。

成功をお祈りいたしております。

今日も読んでいただきまして、ありがとうございました。

ではまた!

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