改善資料のわかりやすさを求めて、「グラフ」のおさらいをしよう!
Graph and Kaizen.

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皆さんこんにちは! 今日もどこかで改善サポートKusunoko-CIです。
改善プロジェクトや、イベントをやるのはいいけれど、その後の資料作りがたいへん、という声を聞くことがあります。
確かに、「もう一仕事」という感は否めないですよね。
特に普段から、パソコンに向かって、資料を作るような仕事をしていない方にとっては、ちょっと苦痛というのもわかります。
「資料もプレゼンも、あんまり慣れてないしなぁ…。」
そうして出来上がったのが、なんかわかりづらい発表資料というケースを、たびたび目にしてきました。
あんなに頑張って改善したのに、もったいないなーと思うことがよくあります。
そこで今回は、改善資料のわかりやすさを求めて、「グラフ」のおさらいです。
とても基本的なことですが、グラフの特性をきちんと理解して使えば、あなたの説明は、かなり「分かってもらえる」ようになるのです。
こちらでグラフをサクッとおさらいをして、「伝わる」プレゼン資料を作りましょう!
改善の資料には、どんなグラフがいるの?

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改善活動をプレゼンで発表するのも、様々な場面があります。
そのプロジェクトが始まる前に、経営層や他のチームに内容を発表したり、途中経過やプロジェクト完了時の成果発表をしたり。
最近では、こういう改善発表会でも、パワーポイントやGoogle Slideを使って説明することがほとんどになりました。
改善活動の中身もさることながら、「プレゼンの技術」も問われるようになっていますね。
さてそんな時、プレゼンや資料の基本にして、論理補強の強い味方になってくれるのが、様々な「グラフ」たちです。
改善活動発表の場合に絞って考えてみると、
- 事象の大きい小さいを比較したい
- 物事の変化を見せたい
- どのくらいの割合(%)かを見せたい
- 2つの要因の関係を示したい
などのケースが、主に考えられると思います。
以下、上のケースごとに「使うとよいグラフ」の種類をまとめてみました。


改善発表で使いそうなグラフの種類
私たちの日常の中でも、目にする機会の多いこれらのグラフ。
それらが何に適しているのか、特徴を知らずに(あるいは忘れて)使ってしまうと、全く意味がなくなってしまいます。
意味がないくらいなら、まだましです。おかしなグラフ使いは、むしろ「誤ったメッセージ」を送ってしまうことさえあります。
ですのでグラフを使うときは、一瞬、「これはこういう意図だから、このグラフ」と確認する作業を入れましょう。
比較なのか、推移なのか、%なのか、関係性なのか。
私の経験上、あんまり複雑なグラフは、改善のプレゼンでは必要ないように思います。基礎的なもので、十分OK。
ですが、「自分の伝えたいメッセージに沿ったグラフ」が選択されていることは、きちんと確認しておく必要があります。
それが「わかりやすい・伝わる」資料づくりです。
分かりやすさは、「高評価」を得るカギ
そもそもなぜ、「グラフ」を使うのでしょう?
改めて、作り手・聞き手双方の「メリット」をまとめてみました。
まずは作り手から。
改善活動のレポートや発表資料を作る際、必ず何か伝えたいポイントがあるはずです。
例えば、
- 現状の悪さ具合
- 生産量の推移や比較
- ある製品のコストや不具合割合
などなど。
「なぜこの改善をプロジェクトに選んだのか」、あるいは「改善によって、どのくらい良くなったのか」、そうした伝えたいデータを、聞き手に分かりやすく「視覚化」してくれるのがグラフです。
分かりやすいグラフや図表にして、さらに色や太字で強調してあげると、伝えたいことがはっきりして、ついでに説得力も増してきます。


「ライン4は何か問題がありそう」が一目で分かる
チームで頑張った、せっかくの結果を効果的に見せるためには、グラフはとても有効なツール。
また、そのレポートの聞き手であるマネジメント層や、他の改善チームの人たちも、「どれだけ悪かったものが、チームの努力でどのくらい良くなったのか」を、直観的に理解できます。
分かりやすいプレゼンであるということは、あなたのチームの達成した改善結果が、よくわかってもらえる=高評価につながる、ということでもありますね。
またそのパワポやA3が理解しやすいということは、後から参考にしたい人たちにとっても重要です。細かな説明なしに、パッと理解してもらえるというのは、「ヨコテン」目的としても最高ですね。
分かりやすいは「正義」です。
小学生にも分かるようにしよう!
基本的なことなのですが、この「分かりやすくするために、グラフを使う」ということが出来ていないプレゼンを、いっぱい見てきました。
そういう改善発表を見るたびに、「もったないなぁ」と感じてしまいます。自分がサポートしたプロジェクトだと、特に歯がゆく感じますね。指導が行き届かなかった、という後悔もありますし。
せっかく素晴らしいことをやっているのに、それがうまく伝えられないというのは、本当に損なのですよ。皆さんには、出した成果をきちんと伝えられるようになってほしいです。
内容はただの例えですが、以下のようなケース。
製品Aの直行率ですが、2018年の第3四半期には90%でした。その後第4四半期になるとさらに1ポイント減少してしまいます。2019年最初の3か月のデータは、少し回復して91%。ついで・・・・
このように延々と、推移を口頭で説明したり、あるいはプレゼンの中に書き込んでしまったりするケースが、信じられないかもしれませんが、あるんです。
読んでいてもお分かりになると思いますが、全然イメージがわかないですよね。
同じ内容のことが、下のようなグラフになるだけで、しっかりと理解しやすい「絵」になっていきます。
「自分が思っていることは、思っているようには伝わらない」、これをきちんと理解しましょう。
なんなら、「こちらが言うことは、言葉だけでは絶対に伝わらない」くらいの気持ちでいいかもしれません。
いかに「わかりやすいものにしようとするか」、これは要するに、私たちの頭の中の「見える化」です。
- 言いたいこと、伝えたいことをはっきりさせて(メッセージ)
- 効果的な話の持って行き方を考え(ストーリー)
- それらがより分かりやすくなるよう、絵やグラフで補強する(見える化)
分かりやすい資料作りというのは、聞き手という「後工程」=お客様に、いかに「良品」をお届けするかということにもつながっていきます。
「小学生にもわかるようにしなければ、物事はうまく伝わらない」ということを覚えておきましょう。
そして単純化できないということは、自分でもよくわかっていないということを示しています。
シンプルにロジカルに。これは自分の理解を深めることにもなりますので、ぜひ「わかりやすさ」を追求してみてくださいね。
基本的なグラフからでいいので、ぜひ。
また、よくできた資料をみて、参考にするのもいいでしょう。「車輪を二度発明するな」という「カイゼン」の極意もあります。いいものは、どんどんパクりましょう。
まとめ
とうことで今回は、改善資料のわかりやすさを求めて、「グラフ」のおさらいでした。
大事なことなので何度も言いますが、「分かりやすい」ということは、とても重要です。
聞き手や後進という他者のために。そしてひいては、自分に返ってくる「理解」や「評価」としても。
なので、資料作りの際には、ぜひ一瞬立ち止まり、「これって分かりやすいかな?」とか、「言いたいこととグラフはあってるかな?」と考える時間を設けてくださいね。
改善発表の場合は、
- 事象の大きい小さいを比較したい=棒グラフ
- 物事の変化を見せたい=折れ線グラフ
- どのくらいの割合(%)かを見せたい=円グラフ
- 2つの要因の関係を示したい=散布図
このくらいの種類が使えていれば、問題ないです。それぞれの特徴をつかんで、わかりやすい資料を作っていきましょう!
今日も読んでいただきまして、ありがとうございました。
ではまた!