ISO 9001概要(備忘録)
皆さんこんにちは! 今日もどこかでカイゼンサポート、Kusunoko-CIです。
今回はISO 9001についての備忘録です。思えばきちんと文書化してこなかったなーと思い立ちまして。概要とQMSの原則、それと要求事項をまとめておきました。備忘録です。
品質マネジメントシステムの規格
品質マネジメント
製品やサービスの品質を保ち、向上させていく方針をプロジェクトに取り入れていくことー>顧客満足の実現を目指す。
品質マネジメントシステム(QMS)
プロジェクトの方針やルールを定めて組織を管理する仕組みのこと(組織としての一貫性・方向性を持ったPDCAを回す)。
P-要求事項(顧客・社内・法的・規格)に従ったルールを作る。
D―そのルールをみんなで守る(この辺まで5S)。
C―ルール通りに運用できているのか、そのルールは本当に役立っているのかを評価する。
A―問題があれば、より良くできる点を見つけてどんどん改善を続ける。
品質マネジメントシステム7原則
1.顧客重視
組織を存続させるために顧客満足は欠かせない。顧客とはすなわち利害関係者、ステークホルダーであり製品やサービスに関わる全ての人のことを指す。
組織は将来にわたり顧客のニーズを理解し顧客の要求を満たし、また顧客の期待以上であるよう努力しなければならない。
2.リーダーシップ
リーダートップマネジメントは、QMSの構築実施有効性の評価・継続的改善などに積極的に関わりすべての責任を負う。トップマネジメントは組織が進むべき道を明確にし、それを組織内部や顧客に伝達する必要がある。これら明文化したものが品質方針であり、組織の方向性を示したものとなる(方針管理)。
3.人々の積極的参加
マネジメントシステムはトップマネジメントが言語化し文書化するだけでは意味がない。組織全員が参加して成り立つもの。顧客満足を高めるという目標に向かって一人一人ができることを考え実行していく必要がある。またトップマネジメントは、組織の構成員が最大限の成果を上げられるように役割・責任・権限を割り当てる(仕組みづくり)。
4.プロセスアプローチ
プロセスアプローチとは組織内の仕事の流れを業務単位で管理するというもの。開発製造営業などプロセスで管理を行い、無駄な作業を削減し、品質を高める改善を継続しなければならない。またある工程のアウトプットは次の工程に必ず影響するのであるから、後工程はお客様というように、次工程の作業がしやすくなるような配慮も欠かせない。
5.改善
顧客満足を叶えるために組織は絶え間なく品質向上を考え、マネジメントシステムを改善していく必要がある。問題があるときだけでなく、順調にいっているときにこそより良くする方法がないか考える。改善のPDCAは組織全員で取り組むこと(褒賞やトレーニング・コーチングは機能しているか)。
6.客観的事実に基づく意思決定
データや情報を分析評価することで得られた客観的事実に基づく意思決定は、目的達成に欠かせない。経験や感その時の気分で経営を行うのではなく、事実から出てきたデータを活用し、確かな根拠のもとにマネジメントシステムを構築する。改善をするとまた新たなデータが出てくる。こうしたデータを蓄積していくことで確実に目標達成に近づく。
7.関係性管理
組織とその利害関係者は対等であり平等。製品やサービスに関わる全ての人が協力し合い、顧客満足という目標を達成する必要がある。決してお金を払っている方が偉いのではなく、
互恵関係にあることを理解する。そして良好な関係を築いた上で顧客満足を高めることが求められる。
要求事項
「ISO9001:2015(品質マネジメントシステム(QMS)-要求事項)」(JIS Q 9001: 2015)
企業が実現すべき基本要件。
この「要求事項」に適合しているかどうかを評価することによって、製品やサービスのプロセス(仕組みや管理方法など)の適否を判断。
「4 組織の状況」からが「要求項目」。「文書化」されていることで判断。文書にした情報を維持、更新、改訂してゆく必要がある(文書管理)。
大分類 | 中分類 | 小分類 |
0.1 一般 | ||
0.2 品質マネジメントの原則 | ||
0.3 プロセスアプローチ | ||
0.4 他のマネジメントシステム規格との関係 | ||
1 適用範囲 | ||
2 引用規格 | ||
3 用語及び定義 | ||
4 組織の状況 | 4.1 組織及びその状況の理解 | |
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解 | ||
4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定 | ||
4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス | ||
5 リーダーシップ | 5.1 リーダーシップ及びコミットメント | 5.1.1 一般 |
5.1.2 顧客重視 | ||
5.2 方針 | 5.2.1 品質方針の確立 | |
5.2.2 品質方針の伝達 | ||
5.3 組織の役割,責任及び権限 | ||
6 計画 | 6.1 リスク及び機会への取組み | |
6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定 | ||
6.3 変更の計画 | ||
7 支援 | 7.1 資源 | 7.1.1 一般 |
7.1.2 人々 | ||
7.1.3 インフラストラクチャー | ||
7.1.4 プロセスの運用に関する環境 | ||
7.1.5 監視用及び測定のための資源 | ||
7.1.6 組織の知識 | ||
7.2 力量 | ||
7.3 認識 | ||
7.4 コミュニケーション | ||
7.5 文書化した情報 | 7.5.1 一般 | |
7.5.2 作成及び更新 | ||
7.5.3 文書化した情報の管理 | ||
8 運用 | 8.1 運用の計画及び管理 | |
8.2 製品及びサービスに関する要求事項 | 8.2.1 顧客とのコミュニケーション | |
8.2.2 製品及びサービスに関連する要求事項の明確化 | ||
8.2.3 製品及びサービスに関連する要求事項のレビュー | ||
8.2.4 製品及びサービスに関連する要求事項の変更 | ||
8.3 製品及びサービスの設計・開発 | 8.3.1 一般 | |
8.3.2 設計・開発の計画 | ||
8.3.3 設計・開発へのインプット | ||
8.3.4 設計・開発の管理 | ||
8.3.5 設計・開発からのアウトプット | ||
8.3.6 設計・開発の変更 | ||
8.4 外部から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理 | 8.4.1 一般 | |
8.4.2 管理の方式及び程度 | ||
8.4.3 外部提供者に対する情報 | ||
8.5 製造及びサービス提供 | 8.5.1 製造及びサービス提供の管理 | |
8.5.2 識別及びトレーサビリティ | ||
8.5.3 顧客または外部提供者の所有物 | ||
8.5.4 保存 | ||
8.5.5 引渡し後の活動 | ||
8.5.6 変更の管理 | ||
8.6 製品及びサービスのリリース | ||
8.7 不適合なアウトプットの管理 | ||
9 パフォーマンス評価 | 9.1 監視,測定,分析及び評価 | 9.1.1 一般 |
9.1.2 顧客満足 | ||
9.1.3 分析及び評価 | ||
9.2 内部監査 | ||
9.3 マネジメントレビュー | 9.3.1 一般 | |
9.3.2 マネジメントレビューへのインプット | ||
9.3.3 マネジメントレビューからのアウトプット | ||
10 改善 | 10.1 一般 | |
10.2 不適合及び是正処置 | ||
10.3 継続的改善 |
「7.5.1 一般」
組織の品質マネジメントシステムは,次の事項を含まなければならない。
- a) この規格が要求する文書化した情報
- b) 品質マネジメントシステムの有効性のために必要であると組織が決定した,文書化した情報
「7.5.2 作成及び更新」
文書化した情報を作成及び更新する際,組織は,次の事項を確実にしなければならない。
- a) 適切な識別及び記述(例えば,タイトル,日付,作成者,参照番号)
- b) 適切な形式(例えば,言語,ソフトウェアの版,図表)及び媒体(例えば,紙,電子媒体)
- c) 適切性及び妥当性に関する,適切なレビュー及び承認
「7.5.3 文書化した情報の管理」
- 7.5.3.1 品質マネジメントシステム及びこの規格で要求されている文書化した情報は,次の事項を確実にするために,管理しなければならない。
- a) 文書化した情報が,必要なときに,必要なところで,入手可能かつ利用に適した状態である。
- b) 文書化した情報が十分に保護されている(例えば,機密性の喪失,不適切な使用及び完全性の喪失からの保護)。
- 7.5.3.2 文書化した情報の管理に当たって,組織は,該当する場合には,必ず,次の行動に取り組まなければならない。
- a) 配付,アクセス,検索及び利用
- b) 読みやすさが保たれることを含む,保管及び保存
- c) 変更の管理(例えば,版の管理)
- d) 保持及び廃棄
品質マネジメントシステムの計画及び運用のために組織が必要と決定した外部からの文書化した情報は,必要に応じて識別し,管理しなければならない。
適合の証拠として保持する文書化した情報は,意図しない改変から保護しなければならない。
注記 アクセスとは,文書化した情報の閲覧だけの許可に関する決定,又は文書化した情報の閲覧及び変更の許可及び権限に関する決定を意味し得る。
まとめ
というわけで今回はISO 9001の概要について、ざーっと駆け足でまとめてみました。
やめる企業も増えてきたと聞きますが、それはそれでありかもしれません。
いずれにせよこういうものは、いかにその組織にとって役立つ形で運用できるかがカギです。
7原則なんか、当たり前のことしか書いてないですからね。できるよう努力しなくてはけないし。組織文化づくりと合わせて考えるといいでしょう。
私も細かいことすぐ忘れるので、この記事に戻ってこようと思います。
今日も読んでいただきまして、ありがとうございました。
ではまた!