改善活動を英語で指導するとき、知っておきたい英単語たち 問題把握編
Kaizen instruction in English 1 ~Grasp current situation~.
皆さんこんにちは! 海外で改善活動をサポートしているKusunoko-CIです。
いざ改善活動を指導しようと思っても、なかなか英語が出てこない、そんな経験はありませんか?
私は海外で指導を始めた頃、そんなことばっかりでしたね。
そこで今回は、海外の現場の皆さんと改善活動(Kaizen activity)をしていて、覚えておくと良さげな英単語というのをまとめてみました。
問題把握編です。
改善 英語フレーズ集
Berlitz blogさんにも詳しく出てます。このへんさすが英会話学校老舗だけあって、ネイティブの発音付きですから、一読の価値ありのページになってますね。
ちなみに上げられていたのは、12の言葉。
仕事 = task/work
手段 = means
より正確にする = improve accuracy
より速くする = improve speed
より効率的にする = streamline
変える = change
継続的 = constantly ongoing
無駄(余分) = redundancy
排除する = eliminate / get rid of
より重要な仕事 = more important work
専念する = concentrate (efforts) on
現場の人たちが中心となる = employees in the field play a central role
でした。
ま、正直これらの単語自体は、実際的な改善活動にはあんまり使えないけど。
生産性改善の英語、問題把握編
生産性を上げたい、ないしは生産Lead timeを短くしていきたいなら、まずはValue stream mapやらProcess flowを描いて、全体を把握しないといけないですね。
「全体を把握する」で、grasp the currentとか grasp the overviewなんて言い方をします。「把握」にはgraspをよく使っていますね。
Understandでもいいです。理解しよう、って感じです。Understand the current situationとか。
「VSMを描く」ならDrawを使うといいです。あれは絵っぽいものなんで、「描く」の意味のDrawがしっくりきます。でもCreateとかMake(作る)でも事足ります。
そして、全体像が描けたら、次は問題点を見つけていかなくてはいけない。
この「問題点」は、pain pointとかproblematic point。Problemの名詞がproblematicという形容詞になります。
そこから優先してやっていかなくてはいけないですよね。そうするとPriority (優先すべきもの)はここだ、とか「優先する」(prioritize)という単語が必要になってきます。Focusでもいいですね。ここにFocus しよう、Let’s focus on hereとか言います。
だいたい、ワークショップとかだと、いろんな部署から人を出してもらってますんで、Cross functional teamになります。「部門横断的チーム」って日本語にすると、めっちゃ使わない感じでですよね(笑)。
基本皆さん、それまではあまり一緒に仕事をする機会はなかったはずです。こういうふうにVSMとか描いて、ビジネス全体を見渡したうえでの問題点の発見。こうすると、今本当にやらなきゃいけない、優先度の高いものがチーム皆さんの中で認識されます。Consensus building(意見の一致)が見られる。ないしは、build a consensusといって、「意見の一致を図る」という言い方もします。
それを確認したいなら、「Are we on the same page?」 と言えば、みんなが状況を理解しているかを聞くことができます。「同じページに居る?(見てる?)」という感じ。
生産性なら、「ボトルネック」という言葉も聞いたこともあると思います。問題があって、そこが全体の生産性を下げたりしている。工程であったり、部署であったり。
これはそのままBottleneckで通じますよ。
ちなみにそもそもの「生産性」はProductivityですね。Increase productivity=生産性を上げる。これはよく使います。
ちなみにムダは、上のBerlitz blogさんとは違いますが、Waste使うのが絶対いいですよ。「7つ(8つ)のムダ」が「7 waste」で浸透していますから、絶対こっちのほうが理解してもらいやすいです。
改善用語で、日本語が英語になっているもの
トヨタ発のカイゼン活動。Kaizenはすでに英語になっています。
このKaizen、なかなか面白い話が、こちらのサイトで読めます。実際にトヨタの方で、1980年代GMとの合弁会社設立に携わった方。
トヨタの改善の、最も重要なニュアンスである『お金をかけずに、知恵を絞って』を表すために、Kaizenは訳さない方がいいというお話。
あとは、Genchi Genbutsu とか、Mudaというのも訳さない方がいいかもしれません。
Yokoten(ヨコテン・水平展開)のお話しも以前しましたが、これも訳さないで伝えられた方がいいと思いますね。
Kusunoko-CI、何度かお話してきましたが、訳せたからと言って、必ずしも伝わっているわけではない。
大事なことは、実は、流ちょうに英語が話せることではないんです。
やろうとしている活動の、本質的な部分が伝わっているかどうか。伝えられているかどうか。
これに関しては、いまだに私も自問自答の日々ですね。
トレーニングをやって、理屈を説明して、そして、どこまで自分たち自身の問題として取り扱ってくれているのだろう? という部分です。
改善のワークショップをやるのは、ある意味簡単なんですよ。ぶっちゃけ、お金払ってやればいい。お金さえ払えば、いくらでもやってくれるコンサルなんか見つかります。
でも、やる目的や、やったことの意義がどこまで浸透しているのか、というのはまた別の話で。
ここが最も難しく、かつやりがいのある部分でもあります。
Sustainabilityというやつです。持続可能性と日本語では訳されてますが、これも使わない日本語ですね(笑)。
「改善」の定着であり、Improvementを継続的な「カイゼン」にしていくため、知恵を絞っていかなくてはいけない部分になってきます。
まさに文化の構築ということです。
まとめ
ということで今回は、英語で改善指導するにあたり、使われそうな単語を上げてみました。
うまい表現が見つからないなーという方に、少しでもお役に立てれば幸いです。
自分も、この仕事を初めた当時、英語で改善指導をしたり、トレーニングをやる中で、どういう英単語を使えばいいのかよくわからず、ずいぶん苦労しました。
今回問題把握編としましたけれども、これだってざっくりし過ぎてますよね。
もちろん、まだまだいろんな場面があります。
今後も、いろいろな改善(問題解決)のステップごと、皆さんの「どう言えばいいの?」にお答えできるような記事にしていきたいと思っています。
最後になりますが、海外で、日本人が改善指導をするうえで、効果を実感するための重要な式があります。
それは、「伝えられる改善の知識・経験がある x それを伝えられる能力 = 成功率・定着率の高い改善活動」です。
ここでいう伝えられる能力は、単純な外国語の力ではなくて、いかに文化・言語の違いを超えて理解しあえるか、に近い意味合いになります。極端な話、日本語オンリーでも、絵など描いて伝えられるならそれはそれでありです。
皆さんに改善知識が、よりよく伝わるようなお手伝いができるよう、今後とも頑張ってまいります。皆さんの持つ改善経験が、海外で有効に使われることを願ってやみません。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは!