コロナ対策にパレート図 改善手法から見る「コロナ撲滅対策」
Pareto for COVID-19 as Kaizen project.
皆さんこんにちは。Kusunoko-CIです。
連日、コロナの報道は続きます。
これを書いている、4月12日現在、日本国内での感染者数は、6,921名(クルーズ船除く)となっております。
政府は先週7日、緊急事態宣言を発令しました。東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7つの都府県が対象で、今はこれに自主的な愛知も加わっています。
昨日、福岡にいる友人からメッセージが届きました。彼は現在単身赴任で、家族と離れて福岡に暮らしているのですが、「家族の事、自分の身、考えるととても不安になる」とのことでした。
もし万一、自分や家族に何か起こったとしても、彼はどうすることもできないわけですから、その気持ちは痛いほど理解できます。私も家族持ち。親として人として、彼は今、心配すぎておかしくなりそうな気持ちなんだと思います。
さて今回は、そのような中で、改善おじさんとして現状の緊急事態宣言に、何かできることはないかと考えてみました。題しまして、改善手法から見る「コロナ撲滅対策」です。
コロナ撲滅対策 政府にできること
私は、今回のこの緊急事態宣言には、多少遅かった感はあるにせよ、一定の効果は得られると考えています。何もないよりは断然ましです。
下の図は、各都道府県の感染者数のパレート図です。
パレート図は、パレートの法則と言って「80 20ルール」というもの適用して考えることができます。改善活動で、一番効きそうなところに資源・労力の集中投下を行い、最大の効果を上げる。そういう選択に利いてくる、データ分析です。
47都道府県の、上位10都府県は全体の約20%を占めていますから、ちょうどこの上位20%で、全体の感染者数80%を占めていることになり、上記データともほぼ合致します。
上位を占めるのは、上から順に東京、大阪、神奈川、千葉、埼玉、兵庫、愛知、福岡、北海道、京都の10都道府県。政府の選んだ7都府県で抜けているのは、愛知、北海道、京都の道府県。
愛知はすでに、独自で緊急事態宣言を出しています。北海道は以前、緊急事態宣言を出して一定の効果を得ましたが、ここにきて、また新たな感染増が報告されています。
なので私が提言したいのは、
- せめてこの上位10都道府県は、すべて緊急事態宣言の適用下に置くこと
- そして外出制限に強制力をもたせること
この2点が、改善おじさんの提案する、コロナ撲滅への改善施策になります。
強制的な外出抑制が必要な理由
データを見るまでもないでしょうが、その都道府県の人口とコロナ感染数は、かなり高い相関関係にあると言えます(今R² = 0.8031で、一般に0.7以上で強い相関ということができます)。
人口が多いということはすなわち、人の動きが活発で、かつ歓楽街などの市場規模も大きいことを意味しています。
また、第2波が報告されている北海道や、10位の京都などでも、地域外から持ち帰った感染者によるクラスター感染が、感染者数増の大きな要因となっていることが、すでに報告されていますね。
人が多いところで、みんなが活発に動き回り、かついわゆる「3密(密閉空間・密集場所・密接場面)」の状態を繰り返せば、感染拡大は防ぎようがありません。
とても単純な話です。
こちらは行動自粛が、感染に働影響するかを示した、シミュレーションです。
見やすく注釈作ってみました!
— kyutaro@あらゆるものを分析する (@kyutaro15) March 27, 2020
自粛反対派の人はこのシミュレーション必見ですね!
左:自粛なし 右:自粛あり
?⇒健康?
?⇒感染?
?⇒回復?
⬛️⇒死亡?
※線は病院のキャパ
左が行動自粛なし、右が自粛ありです。
下の真ん中に引かれている黒い線は、病院の対応能力を示しています。行動自粛がないと、簡単に医療崩壊が起こることがわかりますね。
日本医師会の横倉会長も、記者会見で
「外出を控えて人との接触を80%減らすと、感染者が激減することが研究でわかっているので、宣言によって何とかそういう状況にもっていきたい。宣言が出されても行動が変わらなければ、何も変わらないので、皆さんにはさまざまな行動変容を起こしてほしい」
とのこと。
現在、自粛の「お願い」が出されている対象は
▽映画館・劇場、
▽集会場や展示場、
▽百貨店、スーパーマーケット、
▽ホテルや旅館、
▽体育館、プールなどの運動施設
▽博物館や図書館、
▽ナイトクラブ、
▽自動車教習所や学習塾など、
建物の床面積1000平方メートルを超える施設で、これに満たない施設でも特に必要と判断された場合(「緊急事態宣言」で暮らしはどうなる)
となっていますが、誰もが思う「通勤電車」というのが、非常に気になるところです。上記の記事の中でははっきり、この要請対象から、
▽職場への通勤など生活の維持に必要な場合は除く
と書かれています。まさに「3密空間」なのですが。命と仕事、どっちが大事なんだという話です。今はそれを、経営者判断に任せるということですね。
現在、この「要請」によって、週末の都心部への外出はある程度抑えられているようですが、要請に「従わない」人がいる限り、感染拡大は絶対に防げないでしょう。
まして都市部は、コミュニティとのつながりが希薄な分、行き過ぎた個人主義になりがちです。「自分さえよければ」という気持ちは、今回の件では大変危険です。
一部の「自分勝手」が引き起こしている現状
これまでのところ、「自分には関係ない」という、一部の人間の、すがすがしいしいほどの無知と自分勝手が引き起こした状況がこちらです。
まずは、防護服の替えがないため、トイレに行くこともままならず、おしめをつけて連日長時間勤務をされている看護婦さんのツイート。
今日入院してきた若い男の患者さん
— QQ看護師 (@DaxO5cIF9TZcAHF) April 6, 2020
クラブに行ったりしてたと話してます
こんな奴のために私たちは働いてるのか
きちんと自粛してても感染した人らと同じ医療が遊び呆けて感染して感染拡大させた人達も安心して受けられる
ツイート続きます
#コロナ #看護師
激務とリスクの中、クラブでコロナに感染した男性の看護をしなければならない、苦しい胸の内をつぶやいていらっしゃいます。
またほかにも、医療関係者の子どもさんが、保育園内で一人隔離されていたお話や、運送業の方のお子さんが、学校長から登校を控えるように言われたケースなども報道されています。
医療に携わる方たちは、まさに「最後の防衛線」です。物流だってそうです。
ここを突破されると、もはや我々人間に、なすすべはない。コロナだけではなく、何かしら他の病気で、今も治療を受けなければならない患者さんがいっぱいらっしゃいます。自分勝手な行動は、そうした多くの人たちの生命を、危険にさらしていることになります。
我々にできることは、
- 自粛要請に可能な限り従い、不要不急の外出はしない。
- 「3密」は避ける。
- うがい手洗いをする。
- 免疫機能を維持する生活習慣を守る。
家にいてばかりでは、ストレスがたまるというのも当然ですが、我々が上記のことを守ることが、そのまま医療関係者を助けることにつながります。
まとめ
最後に「神奈川県医師会からのお願い」というPDFのリンクを載せておきます。
医療関係者からの切実なお願いです。ぜひ読んでみてください。
今回改善おじさんKusunoko-CI、パレート図でもって、緊急事態宣言の妥当性を検証しました。そして、最も効きそうなところに「あたり」を付けたら、そこの真因を解決するということを提案いたしました。
改善施策は「人の動きを強制的に抑制すること」です。
問題というものは、真因を解決しないと、必ずまたぶり返してきます。
今、「人権がー」とか「経済がー」という理由にためらい、効果的な手を打たなければ、感染拡大はまず抑えられないでしょう。感染経路がわからない、コロナの抜本的な治療法がない現状で、打てる手は、この強制的な人の動きの抑制だけです。
お願いしたって人は動きませんよ。そして一部従わない人間がいるだけで、十分崩壊しそうなくらい、医療現場切羽詰まっていると思います(関西の病院で働く検査技師の女性。子どもを出産して、わずか2か月で、職場に復帰)。
国民みんなが、不安を感じているという、この未曽有の状況下で、医療崩壊がもう目の前に迫っている中、政府には断固たる行動が求められていると思うのですが。
皆さんが、自分を守り、愛する人を守れることを願ってやみません。そうすることが、この国の医療やライフラインを守ることにもなっていきますしね。
一日も早い終息を願いながら。でもたぶん、長期戦になる気がします。
今日も読んでいただきましてありがとうございました。
Stay healthy!
ではまた!