間違いだらけの動作改善~トヨタカイゼンにみるムダどり

Time is the shadow of movement.

Photo by Tom Barrett on Unsplash

どうもこんにちは! 今日もどこかでカイゼンサポート、Kusunoko-CIです。

以前も何度か、トヨタのカイゼンの要になるのが、「ムダを取ることである」とお話ししてまいりました。

ムダがある、生産や処理に時間がかかっていて困っている、どうやって時間短縮を図っていけばいいのだろう? という悩みは、わりとどこの現場でも共通して見られます。

そんな時は、そのあらゆるムダを取っていくことになるわけですが、どうもうまくいかない。効果が出ている気もしない。あるいは、時間短縮にも限界を感じている。

そう空気が流れているなら、もしかするとその改善、やり方が間違っているのかもしれません。改善の効果が全部、飲み込まれてしまっていたり。

そこで、今回は、そのムダどりの中でも、直接サイクルタイムに響いてくる、「動作のムダ」に焦点を当ててみたいと思います。題して、「間違いだらけの動作改善~トヨタカイゼンにみるムダどり」です。

時間は動作の影

付加価値のついてない作業を、どんどん減らしていくことが「ムダどり」でしたね。

仕事場に、あってはならないムダには、7つありました(最近は8つとか言いますが)。

その中でも、最悪のムダは「作りすぎのムダ」であることは、以前お伝えしましたね。

そして今回は、「動作に関係するムダ」に焦点を当てていきます。

トヨタ生産方式(TPS)の生みの親の一人である、大野耐一さんは、「時間は動作の影」という言葉を残されたといいます。

初めから、時間そのものを減らそうとしたって、うまくはいかない。なぜならかかっている時間というものは、何かの結果でしかないから。

何かの結果、とは何でしょうか?

そうです、作業場においては、人間や機械の「動き」です。

なので、かかっている時間を短縮したいなら、時間そのものに着目するのではなく、作業員の動作に、まずは焦点を当てるのだ、とうことです。

あるいは、同様に機械の効率も考えなくてはいけない。ただし機械には、ある一定の作業時間というものが、性能として定められてしまっている。

しかし、人の動作は、ある意味無限大の可能性を秘めています。

人の動きに着目する。そうすれば、「ムダな動き」というものが見えてくる。

ムダに時間がかかるということは、ムダな動作が多いということ。それをどんどん観察して、ムダな動き=ムダな時間を取り除いていかなくてはならないのです。

時間を減らすのではない ムダな動きをへらすのだ

Photo by Veri Ivanova on Unsplash

ムダを取る方法としては、客観的に動作を見ることのできる、時間観測が効果を発揮します。

今はスマホのビデオもあるので、とてもやりやすい時代になりました。観測も、ストップウォッチで逐一動作を追いかけ、都度紙に記入していた時代に比べて、とても正確な観測結果が得られます。

そうしたな観測の際に、トヨタで開発された「標準作業組合せ票」を作ると、機械と作業者の関係性と、かかっている時間がよく見えてきます。

こちらで標準作業組合せ票の書き方を説明いたしました。

もちろん、機械や設備と仕事をしていない、人だけの作業観測でも使えます。

手を入れるべきは、最も時間のかかっているところ。ここに、動作のムダがふんだんに詰まっていると考えていいでしょう。

長い線が、時間のかかっているところです。優先して手を付けましょう。

動作のムダは、「流れで作る」から改善できる

以前、一個流しのカイゼンについてお話ししました。

一個で流すと、ムダが見えやすくなるという。これを「流れで作る」と説明しました。

この「一個流し」、動作のムダを発見するためにも、とても効果的なんです。

もし、多くの作業者さんが、一つの作業を、「一人完結型」で生産していたら、どうでしょうか?

おそらく、一人一人のムダを追求したところで、結局効果も、よくわからないのではと思います。なぜなら、いかに標準化しようとしても、人によって、さまざまな作業の癖や、ばらつきが出てしまいますからね。

改善内容が、「多勢に無勢」の中に飲み込まれてしまいます。

その点、要素作業に分解した、流れのある作業ラインは、一人一人の作業者さんの動きが際立ってきます。要素作業の1から10はAさん、11から15はBさんと、モノが流れていきますから、一人の方の作業に集中して観察、ムダどりをすれば、それがそのまま生産リードタイムの短縮につながっていきます

ざっくり、大ロットやバッチで生産していては、こうした細かな(時として秒単位になる)改善など、何の意味もないです。すぐにその、「おおざっぱな」作業内容に飲み込まれてしまいます

例えば、動作の「ストライクゾーン」という考え方。腕を肩より上げて作業する、あるいは、ひじから先が両肩より外へ出て作業するというのも、すでにムダを含んでいます(動作経済の原則)。

また、「動きの3“No”」と言って、作業者さんに「探させない、しゃがませない、ふりむかせない」というのも、秒単位のムダを取りぞくために、とても重要な考え方です。

これらを実現するための、作業台であり、用具・冶具の置き方であり、各工程のレイアウトであり、がよく考えられ、実現されているかが問われるのです。

時間は動作の影

動作を極限まで効率的にしようと追求したときに、見えてくる言葉になります。

ちなみに、「楽に」作業するために改善するのであって、作業者さんに何か一つでも余計な動作をさせるのは、改善ではないということも、合わせて覚えてくださいね。

まとめ

今回は少し哲学的な響きを持つ、「時間は動作の影」という言葉に注目してみました。

これは、何を追いかけて時間を短縮すればいいのか、それがよくわかる言葉になっていると思います。

時間がかかっているからおかしいんじゃない、時間がかかる動作がそもそもおかしいのだ、ということですね。

このようにトヨタのカイゼンでは、いわゆる「真因」に対応策を打たなければ、その問題はいくらでも形を変えて発生していく、ということが重視されます。

時間短縮したいなら、時間を追うのではない。その、かかる時間を生みだす、「動作」の無駄を追求するのだということです。

しかしながら、そうした追求をするために、先に問われるべきことがあります。それが、「流れで作る」ということなのですね。

工程に流れをつくれるまでは、カイゼンはうまくいかないかもしれません。ですので、いかに「流れを作り」、「流れで作る」のか、知恵をひねってみましょう。

今日も読んでいただきまして、ありがとうございました。

ではまた!

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