息子へ、パパから伝えておきたいこと その1

To our son, things that Papa wants to tell you Vol.1

君はまだ小さいから、今はここでパパが言っていることはあまり理解できないかもしれないね。

でも、いつか大きくなってこれを読むとき、パパとママがどんなふうに考えて君に接していたのか、育っていってほしいと願いながら毎日過ごしていたのかを知ることになる。

パパもママも親になるのが初めてだったから、あんまりうまくできていない、あるいはいなかったと君は考えるかもしれない。いろいろ不満もあったのではと思う。それは謝っておくね。

でもパパもママもいつも君のことを一番に考えていたし、今ももちろん考えている。それが親なんだよ。だからここに書いてあることを、自分の小さいころの思い出と重ね合わせながら、読んでもらえると嬉しい。そして、いつか君が親になったとき、これが何かの参考になるなら、その時はおじいちゃんになったはずのパパにとっては最高のプレゼントになるだろうね。

君がママのおなかに宿ったとき

君がママのおなかに宿ったのを知ったとき、ママは泣いていたよ。Jeddahの部屋で(君が生まれた町だね、サウジアラビアの)。

で、パパはとても驚いた。「え、うれしくないの?」って。後でママに聞いたら、「Mixed emotionだった」って。そうだよね、誰だって、うれしい気持ちと、自分は本当に親になっていけるかしら、という不安でいっぱいになってしまうよね。

でもそのあとのママはすごかったよ。Jeddahでできる最高の努力をしていた。食べ物、サプリメント、水もVolvicとか買って飲んでた。だってそれがそのまま、君の体を作るための栄養になるからね。ママは君がおなかの中で大きくなっていくのを、本当に身をもって感じていたから、ずーっと君と会話し、一緒に音楽を聴いて、おなか越しに触れあうコミュニケーションもとりながら、ママになる準備もしていたんだ。

その時パパはね、あんまり実感わいてなかった。正直、君が生まれてくるまで父親になるってどういうことだか分らなかったのかもしれない。

ただ、できることは何でもしたよ。妊娠中に何ができるかのアプリとかダウンロードして、第何週には赤ちゃんはおなかの中でこんな感じ、というのを勉強していたよ。あとは病院に行くのも、Jeddahでは必ずパパが運転手だったしね。

ママは君がおなかの中で大きくなって、体が重くなってくると、ずいぶん背中や肩が痛くなっていてね。パパは毎日のようにママの背中や肩をマッサージしていたんだ。運動も一緒にしたよ。二人で外を歩いたり、とてもとても暑かったんだ、サウジアラビアは。

二人でいろんなものを買いそろえてね。君のGod Parentsになってくれたパパママのお友達も、ずいぶんいろんなものを買ってくれたよ。さまざまなサポートもしてくれた。だから本当に君はいろんな人の支えがあって生まれてきたんだ。Lucky babyだね!

誕生

君が生まれたのは、JeddahにあるIMC(International Medical Center)という病院だった。うっすらでも覚えているかい? 生まれた後は何度もVaccinationで通ったね。

IMC

君は、生まれてくるはずの予定の日になっても、なかなかママのおなかから出てきたがらなかった。そんなに居心地がよかったの? だから、パパとママは病院に前もって相談してあって、薬のようなものを使って君が出てくるようにお願いしたんだ。

入院したその日、一晩中、君は出てこようとしたり、しなかったり。そして一回、きみの心臓の鼓動が、夜中にとっても弱くなったんだ。確か朝方の3時頃じゃなかったかな。お医者さんや看護婦さんがいっぱい来て、機械を眺めてた。パパが聞いてもみんな何も答えてくれなくて、すごく怖かったんだよ。

でも幸運なことに心臓の鼓動は安定して、そのあと君はようやく外へ出たくなったようだった。朝の6時ころ、いよいよママのおなかの痛みはだんだんと強くなっていって、ママは本当に苦しそうだったよ。パパはね、基本何もできないからそばにいるだけだったんだけど、ひどい頭痛でね。よりによってこんな日にという、いつもの片頭痛が襲っていたよ。

お医者さんや看護婦さんがいっぱい来て、ようやく朝11時10分、君は無事ママのおなかから出てきました。ママは本当に痛くて、epiduralという麻酔を使う予定だったんだけど、君の心臓のことや、タイミングもあって結局使えなかった。だから、あの痛みに麻酔なしで耐えたんだ。すごいんだよ。ちなみに子供を産む痛み、君やパパ、男の人は耐えられないんだって。大したもんだよね、女の人って。

パパはね、いよいよおなかから君が出てくるとき、ママの隣にいてね、ママに痛みが和らぐガスを吸わせる役目をしてたんだよ。それでね、あまりに頭が痛かったから、パパもそのガスを吸ってたら、看護婦にえらい怒られたんだ。いいじゃんね。

それから、君がおなかから出てきた瞬間、「やった!」と思ってスマホでビデオを撮った。それで、ややしばらくしてから「そろそろまたママのサポートしてあげなきゃ」と思ってビデオを止めて、後から見直してみたらね、録画時間なんと1秒。パパの頭の中ではもう5分くらい撮ってたような気がしてたんだ。だからその時、ものすごい勢いでパパの頭はいろんなことを考えていて、時間の感覚がおかしくなっていたんだと思う。それだけ密度の濃い時間だったんだよ、パパにもママにも。

看護師さんがすぐに君を連れて行って、きれいにバスタオルにくるまれた君が、ママの病室に帰ってきた。初めての抱っこの時、ママはまた泣いていました。感激の涙だね。

パパはね、君にご挨拶をしたんだよ、「初めまして」って。そしたら君は目をうっすら開けて「え、どちら様ですか? 私眠いんで」ってまた目を閉じちゃった。まぁ、君は見えてないんだけどね、そんなふうな動きだったのがおかしくて、今でもよく覚えているよ。

そのあと友達がいっぱいママの病室に訪ねてきてくれて、うれしかったね。パパもママも祝福されているなーと感じたよ。

日本と違って、2日後には退院だから、パパとママ、いっぱいの荷物とプレゼントと一緒に、初めて君を連れて我が家に帰りました。もう今すぐにでも壊れてしまいそうなほどの君を、初めて運ぶのが怖くて怖くて、すごい緊張したんだよ!

名前

君の名前は、パパのおじいちゃん、つまり君のひぃおじいちゃんにゆかりのある名前なんだよ。パパはおじいちゃん子でね、小さい頃いつもひぃおじいちゃんと一緒に遊んでたんだ。だから、ゆかりのある名前は、きっと君のひぃおじいちゃんがずっと強く守ってくれるんじゃないかと思って付けたんだよ。

それから君の名前に選んだ漢字だけど、心も体も強く、そして優しい子供に育ってほしいという願いがあるんだ。それに、君の名前の読みはInternationalにもなるようにママと一生懸命考えたよ。本当にね、何個もの候補を上げて、何日議論したかわからないくらい。君が一生一緒に使っていく、君自身を表す言葉だからね、慎重に慎重に決めたんだ。君が気に入ってくえれてるといいなと思う。

君のおじいちゃんは、名前を書いた書道の紙を用意して、わざわざJeddahまで送ってきてくれたね。今でも大事にとってある、いろんな思い出の詰まったアイテムだよね。

今、毎日君の名前を呼ぶけれど、君を表したとてもいい名前だと感じている。

手続き

君の出産後の手続きはとても大変だった。パパママの国籍がそれぞれ違う上に、どちらも外国人となる国で生まれたからね。

まずはJeddah総領事館で、君が生まれたという届け出と、同時にパスポートの申請。それから、今度はフィリピンの領事館に行って、こちらでも君が生まれたという届け出とフィリピンのパスポートを申し込んだんだ。君は20歳までDual nationality だよ。21歳の時に自分でどちらの国の人になるか決めてね。

そして、病院からもらった「生まれましたという書類」(ちなみに病院の書類は、いっぱい間違えていて、何度も書き直してもらった)と、日本領事館からもらった書類を、アラビア語に翻訳してもらいました。サウジの政府は、もちろんアラビア語じゃないと受け入れてくれないからね。それもきちんと政府が認めてくれた翻訳の人じゃないとダメなんだ。

パパはサウジの運転免許取得の時に行ったことのある、スーダン人の翻訳家にまた頼んだんだ。そしたら、その人パパのことを覚えていてくれた(数少ない日本人のお客さんだからね!)。

そのスーダンのおじさんは、「次回会えるのは、Kusunoko-CI(仮名)さんの次の子ども(君の弟か妹)の生まれた時だね」なんて言ってたけど、ごめん、君には弟も妹もいないね。でもルンバ君いるから!

そしてサウジの役所に行って、サウジの国からの「生まれました」という書類をもらって、また違うサウジの役所に行って、君のIqama (Muqeem)をもらったんだ。パパ、パパママのパスポートを忘れたりして、大変だったんだけど、なんとか成功しました。よかったよ! 晴れて、君はJeddah生まれの日本人として、サウジの国にも正式に認められたんだ。

初めてのBCG

君はたぶん覚えていないと思うけど、初めてのBCG注射はとってもハードルが高かった。ママは、君を生んだすぐあとで体調がすぐれなかったけれど、とにかく行かなくてはならない。大人になったらわかると思うけど、ママはその時階段を上るのも一苦労なくらい疲れて憔悴しきっていたんだ。熱だって出ていた。なにせ、君を生んでから5日と経っていないんだからね。

それでも、行かなきゃいけない。君を守るために。

不運なことにね、君の生まれる1年前まではどこの病院でもBCGを受けられたんだ。でも君の時はね、Jeddah市内に3か所ある政府の病院だけになっちゃってて。

最初に行ったところは、まったく英語が通じなくて、何言ってんだかさっぱりわからなかなった。二つ目の病院は、ラッキーなことにフィリピン人の看護婦さんがいたから、どういうシステムなのか聞くことができたんだ。そしたらその日はもう終わっていて、次の日、朝早く来て並びなさいって教えてくれた。

次の日行ったらすごい行列でね。もちろんみんな君ぐらい小さな赤ちゃんばっかり。1時間くらいかかったかな、でも無事注射出来て本当に良かった。

ちなみにサウジは結構予防接種がしっかりしていて、今の日本じゃ受けられない(受けなくてもいい)ものまで含まれているんだよ。もちろん日本で受けなくてはいけないのは、全部含まれている。だから心配しなくていいよ。日本で言われているものは全部受けているから。

パパね、帰国したとき、全部日本語に翻訳して表にして、保健士さんに見てみらったよ。完璧だって。よかったね!

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