タクトタイムとサイクルタイムってなんだ? What is Takt Time and Cycle Time?

皆さんこんにちは。工程でのプロセスカイゼン、進んでいますか? これから初めて生産性を上げていきたいとか、ムダ取りをしたいとか考えてらっしゃる方もいることでしょう。そんなとき知っておかなくてはならないのが、このタクトタイムとサイクルタイムです。この二つのタイム(時間)は、そのラインの生産性考えていくとき非常に重要な要素になります。ここでしっかり覚えてしまいましょう。

タクトタイム サイクルタイム リードタイム

このタクトタイム(Takt time)、サイクルタイム(Cycle time)、ついでに言うとリードタイム(Lead time)は生産性を考えていくときになくてはならない指標になります。ところが、ネットで調べてもいろんな情報が錯綜していて、こんがらがってしまいます。Kusunoko-CIもその昔、なんか英語で説明されてわからず、ネットに答えを求めたことがありましたが、かえって混乱した思い出があります。そこで、基本中の基本ではありますが、おさらいの意味も込めて違いをしっかり説明してみたいと思います。

タクトタイム

そもそもタクトタイムとは、自分たちで決めるものではありません。お客様が月なら月、週ごとなら週ごとに何個の製品を我々に作ってほしいか、というところからスタートした数になります。例えば月に20,000個、お客様から納品を求められているような場合であれば、自ずと週当たりないしは日当たりいくつ生産しないといけないかということが問われますよね。で、例えばA工場の場合、月間25日間稼働の1シフト体制だったとして、一日当たり800個生産しないとお客様の求める数を納入できなくなってしまいます。

まずは、この1日の勤務時間が8時間で、そこから本当に稼働できる時間のみを求めます。例えば昼休憩が1時間(60分)で朝礼で15分、それからさらに30分の休憩があるとするならば、この工場が本当に稼働できる時間というのは、

480-60-15-30=375(分)

ですね。ということは、本当に稼働できるこの375分を1日当たりの生産必要量800個で割ると、

375(分)÷800(個)= 0.469(分)、すなわち28.1秒/個

このA工場は、この製品を28.1秒に1個のペースで作っていかなくてはならないという計算になります。

もともとこのタクト(Takt)というのは、ドイツ語で指揮者の指揮棒という意味合いがあり、一個作るのに費やせる時間が一定のテンポを刻むリズムのように見えることからつけられたようです。生産の「リズム」を決める大事な基準値で、一つの工程作業がこれを超えてしまうと、お客様のニーズを満たすことができないことが一目瞭然になる、いいか悪いかの判断基準になる概念値になります。

サイクルタイム

このサイクルタイムは、一つの工程が、そこに割り当てられた作業を、一個の製品に対して完了させるときにかかる時間のことです。その工程の初めから終わりまでの1サイクルがどのくらいかという、こちらは実測値になります。

例えば上記のA工場は、先ほどの製品を作るのに10工程あったとします。そして、最初の工程から最後の工程まで、それぞれこのサイクルタイムを計ります。今はビデオカメラもありますから、測定は昔に比べて楽になりました。「はいお願いします」と作業を始めてもらい、「終了です」というところまで、何分かかっているかを実測。そうすると、先ほどのタクトタイムと比べられますね。この場合のタクトの28.1秒/個で作業できているのかどうか、できていれば良し、できていなければ我々は日に800個の生産を達成できないということになり、そこがいわゆるラインのボトルネック(Bottleneck)ということになります。

リードタイム

で、リードタイムですが、これはある製品が生産をスタートしてから、最後の工程を経て完成となるまでのトータルの時間です。例えば、A工場の場合であれば、工程1から工程10までをへて、製品が一つ完成するのにかかった時間が10時間ならこれがリードタイムですね。もっと身近な例でいうと、レストランに行って、注文をしてからあなたのところに料理がサーブされるまでの時間、これがいわゆるリードタイムです。これもムダを排除して、できる限り短くしていなかなくてはいけません。

タクトタイム サイクルタイム リードタイム 使い方

ここからが大事になりますが、じゃこの3つの異なる時間をどう使っていけばいいのか。それは実はすごくシンプルです。次のグラフを見てください。

いかがですか?これ見るともう一発でわかるんですが、工程3と工程10はこの基準値となるタクトタイムを超えちゃってますよね? ということはここのカイゼンを最優先でやっていかなくてはいけない。なぜならこの生産ライン、お客様の求める要件を満たしていませんからね、急務です。あるいは残業で対応しているとか。

で、もう一つ踏み込んで言うならば、工程5もなんかおかしい。時間が有り余っていますね。ということは、この工程は何もしないでいる時間帯が発生してしまっていて、これも一つのムダを生んでいるところ=カイゼンの必要な場所ということができます。

ここから先は、機械の問題であったり、純粋に作業者さんのスキルの問題だったり、いろいろ考えられるわけで、作業要素をもっと丁寧に見て、カイゼンしていく作業になります。先ほども述べたビデオの解析から判断していくことになります。

そして、サイクルタイムが短くなれば、必然的にリードタイムも減っていきます。そして工程間のバランスが取れて、流れが生み出されればそれも全体のリードタイムを削減することにつながります。前述のレストランでいえば、注文からサーブまでの時間が短くなって、お客様はよりハッピーなはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか? タクトタイム・サイクルタイム・リードタイム。もう一度簡単にまとめると、

タクトタイム:基準となる概念値。お客様の必要数と我々の持ってる時間から計算

サイクルタイム:一つの工程で、そこの作業を完成させるのに必要な時間、実測値

リードタイム:生産が始まってから終わるまでの時間

となります。少しすっきりしましたか? こうして基準があると、今の自分たちの状況がいいのか悪いのかが理解しやすい悪いのであれば、どれだけ悪いのかを把握することによって、具体的にどのくらいのカイゼンが必要なのか(ここでいえば何秒縮めていくのか)とかわかってきますよね。もっと難しい、ややこしい説明もあると思いますが、私は、理屈はシンプルに考えて、その分カイゼンにより時間かけた方がいいという考え方です。

わからない・見えてないことが見えてきた時のすっきり感は、病みつきになります。ぜひお仕事に活かしてください。今日もお疲れ様です!

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