付加価値とは 5分でわかる付加価値について
Value adding activity.
皆さんこんにちは、Kusunoko-CIです。自分の仕事に無駄が多いといわれたら、カチンきますよね? しかし、意識して、無駄のない作業=付加価値の高い仕事をする、これはとても大事なこと。
付加価値が高い仕事ができるということは、社会からの必要性も高いということになるわけです。
それは、もちろん会社の中における作業だって同じです。
改善活動の中で言われるのはだいたい、「作業効率」をあげろとか、工程改善しろ、ムダをとれということなんですが、これすなわち「付加価値を上げる」活動にほかなりません。
じゃそもそもの、「付加価値を上げる」ってなんだ?
ということで今回は、この仕事・作業における付加価値について考えてみました。5分もあれば、付加価値について理解できる中身になってます。「付加価値とは 5分でわかる付加価値について」です。
付加価値とは「完成品へ向かうための変化を与える」作業
これに対しては、多くのサイトで説明がなされいていまして、会計的な意味や、マーケティングに関する付加価値は、もはやここで説明する必要もないですね。
そうではなくて、私が今回焦点を置きたいのは、「改善における付加価値」、この一点になります。
このブログで紹介している付加価値が何なのか、定義してみましょう。
工場においては、モノがどこかに滞留することなく、inからoutまで動き続けることが理想とされるます。いわゆる「一個流し生産」です。
モノが工程内を動いていくということは、それぞれの工程で何らかの加工がなされて(モノが変化し続けて)、次の工程へと、どんどん渡されていくわけですね。
次に渡されたものは、また新たな加工をされて(変化して)最終的に完成品になる。
この未加工品が、工程を通って、最終的に完成品になるための作業が、基本的に生産ラインに求められていることです。これは事務仕事でも同じですが。
そして時間がかかればかかるほど、一般的にお客さんは、ハッピーではなくなる。なので、なるべくお客さんの要求を満たし、かつ短い時間で、100%良品の完成品が作られることが望まれます。
この、工程ごとに必要な加工作業(のみ)が、付加価値をつける作業。
完成に向けて、変化・加工させる行為のみが、付加価値を持った作業になる。そのためにある作業が付加価値をつける作業なのです。
付加価値とそうでない作業
一般に、改善するにあたって考えなければならない、仕事(作業)のカテゴリ―というものがあります。
それは、三種類ありますが、以下です。
- 付加価値のつく仕事=Value adding activity
- 付加価値はつかないが必要な作業=Nonvalue adding but necessary
- 無駄=Nonvalue adding (Pure waste)
1は、先ほどもお話しした、ものを「完成に向けて、変化・加工させる行為」で、これはお客さんに見せても納得してくれるでしょう。「ここにお金を払ってるんだ」と、お客さん・作り手の双方が、確実に合意できるアクションです。
2は、ちょっと面白いですが、「無駄」ではあります。ただし、なくすことができない。
例えばお客さんがどうしてもやってほしいといってくる作業。あるいは、法的規則などで決められているものは、やめるわけにはいかない。法令順守が最優先です。
とはいえ、短くすることが、できないことはないはず。なくせないまでも、できる限り短くすることが求められます。
そして最後の3は、完全なムダです。これは、まず真っ先に、何があっても排除しなくてはいけない。ものを「完成に向けて、変化・加工させる行為」とは、真逆にあるものですね。例えば、探す・無駄に作る・無意味の運ぶ・待つ…などです。
7つのムダのところでもお話ししましたが、改善活動で、一番最初に行わなければならないことは、この無駄を取り除くことです。
とにかく無駄を排除していく=効率を上げる、全体の作業における付加価値率を上げることが、第1の目標になってきます。
付加価値上げる具体例~サウジ改善~


国境近くのディーラーさんにて。
特に改善のなかなか進んでいないところにおいては、この付加価値率が非常に低いことが、多々見受けられます。
ある意味、そこには改善の機会が山ほど眠っていますので、まずはムダどりするだけでも、十分においしい改善結果が出ます。
私が改善のお手伝いをした、サウジのディーラー。車の定期点検の、時間観測と無駄どりをしました。
その時は、点検に当たる作業員の技術的な面は、全く触れませんでしたが、全体で40%以上のムダを省くことができました。ざっくり言って、半分は付加価値がついてない作業だったわけですね。
これだって、難しいことをやったわけではなく、見えるようにするためのいくつかの改善施策を行っただけです。例えば、時間観測・5S、見えるようにする、動く距離を短くする、など。本当に基本です。
ただ、こうした基本も、本当にバカにしたものではないんですよ。
トヨタのカイゼンでも、ベテランの作業者さんの動きをビデオで撮って、そのベテランさんと一緒に見てみる、すると、そのベテランさんも納得の「無駄な動き」が見つかったりする。
慣れや惰性でやっている作業には、必ずこの「付加価値のついていない作業」が含まれています。ビデオや時間観測で徹底的に見つけ出し、排除していきましょう。
こうした地味な作業が、付加価値率を上げ、ぜんたいにかかるリードタイムを減らし、ひいては、競合に勝つための自社の強さを高めていってくれるのです。
まとめ
今回は、改善における「付加価値」について、まとめてみましした。
おさらいですが、仕事における3つのカテゴリー。
- 付加価値のつく仕事=Value adding activity
- 付加価値はつかないが必要な作業=Nonvalue adding but necessary
- 無駄=Nonvalue adding (Pure waste)
この3は徹底的に排除、2は極力短くしていくこと。
そして、最終的には1の「付加価値のつく仕事」すら、要素に分解して、丹念に見ていく必要が出てきます。
そのために、基本となる5Sや見える化、間締めという改善を行っていきましょう。
最後に、いつもご一緒する、改善コンサルの方のお言葉を一つ。
「時間は動作の影」
です。
時間がかかっているということは、何かおかしい。付加価値がついていないムダが潜んでいるということになります。
無駄のない、付加価値で満たされた、工程ないしはプロセスを目指しましょう。それが競争力です。
今日も読んでいただきまして、ありがとうございました。
ではまた!