トヨタカイゼンと見える化

Kaizen and visualization.

皆さんこんにちは、今日も元気にお過ごしですか?

さて今日は、原点に立ち返ってトヨタのカイゼンそのものについて、ご説明したいと思います。

改善Vs.カイゼン

私のブログになかでも、時折この「改善」と「カイゼン」が混在しているのですが、どういう意図があっての書き分けなのか。

改善はもちろん、物事を良くしていくこと。

三省堂の大辞林では、

物事をよい方に改めること。  「待遇を-する」 「 -の余地がある」

このように書かれています。

はい、そういうことです。

で、そこで敢えてカイゼンというカタカナ使われている理由はというと、「それが一過性のものではなく、継続的に(半永久的に)行われる活動である」ということを表すため、だそう。

これは私のカイゼン師匠に教えてもらったことです。

トヨタカイゼンのスポンサーとして、その黎明期の中心的存在であった、会長故豊田英二氏。この人に近いところで、カイゼン活動に携わった人から伝授された逸話であるとのこと。

なので「改善ではない、カイゼンと書いて区別しなさい」、というのが今でもなんとなく頭にこびりついています。

KaizenとLean

今では、カイゼンという言葉も、英語になってそのまま伝わります。

そして「Kaizen」と書き表されるこの単語は、「Continuous Improvement」と英語では訳されていますね。

上のような「改善Vs.カイゼン」の理屈を知っていると、なぜ敢えて頭にContinuousという単語が付け加えられているのかわかります。

海外でKaizenを最初に広めたのは、James P. WomackさんというMIT(マサチューセッツ工科大学)の教授です。

1980年代に日本からアメリカに大量の自動車が輸出されるようになると、アメリカの自動車産業界は価格・性能の面で、すぐに太刀打ちできなくなってしまいました。

アメリカの日本叩きが激化した時代、と同時に日本のモノづくりが最も輝いていた時代でもありましたけれども。

そんな中、MITは、日本の自動車づくりの研究をはじめ、トヨタ生産方(TPS: Toyota Production System)を徹底的に整理し、体系化しました。

こういうのが、アメリカの本当にすごいところなんですよね。第二次大戦中にゼロ戦を鹵獲して、徹底的に戦法を練ったのと本質は同じ。

そしてそこで生まれたのが、「Lean」という言葉。

Leanには「ぜい肉の取れた、体が締まった、痩せた」という意味合いがあります。まさに無駄のない、すべてが付加価値を生むプロセスで構成された生産方式、こういうことを言いたかったんでしょうね。

そして、アメリカ最高峰の大学で研究した結果が、「トヨタ生産方式:TPS」では、あまりに、なんというか気まずい(笑)。そこで、新たな言葉「Lean」がその生産方式を表す言葉として生まれてきたわけです。

なので今では、ビジネス上でLeanと言えば、だいたいの人がどういうものを意図して話しているのか理解してくれます。

シックシグマも、今ではLean six sigmaなんて分類を作っていますしね。

カイゼンとは見える化である

要はこうしたLeanな生産ラインや組織を作っていくために、このカイゼンという活動が必要になります。

継続的(永続的)に、改良して改善して、良くして良くして、どんどん高みを目指していくのがカイゼン活動ということです。なので、トヨタの改善では「ベスト」というのはあり得ない。いつも「ベター」であって、そこに終わりがない。

極限まで「ムダ」をなくしていくということ。

そして、私がいろんな海外の工場や事務所を見てきて、最近一番思うのが「『見える化』ができてない」という点です。

この「見える」というのはとても大事なこと。

当たり前ですが、問題が見えれば人は対処しようと行動を起こします

逆に見えなければ、何かしようとは思いません。なので、目の前で問題が発生しているということが「見える」というのは、本当になくてはならない状態なのです。

例えば、私たちは年に1度健康診断を受けます。これは、隠れている(自覚症状がない)健康状態の問題点をあぶり出し、見えるようにして、対処していこうというのが目的ですよね。

工場だって、事務所だって同じことです。

なので、S、整理・整頓をして視認性を上げていきましょうということになる。

生産管理版を導入して、計画と実際の差異が、誰の目にもすぐに明らかになっていなくてはならない。

小ロット生産を推し進めれば、問題点はすぐに浮かびあがってきます。なぜなら、無駄に仕掛のないラインは、問題が発生すればそこで止まります。「ラインを止めるなんて!」という声が聞こえてきますが、それはまさに、そこに問題があることをはっきり示してるわけです。すぐにカイゼンの手を打たなくてはならない。そういうことが見えてくるわけです。

そして、人は必ず失敗や問題を隠そうとします。これはその人が、人としてどうとかそういうことではなく、人間の性と言ってもいい。なので、マネージする側もそれを理解したうえで、人を育てる、ないしはシステムそのものを考えていく必要があるわけです。

大事なことなので何度も書きますが、問題が見える=対応できる(カイゼンできる)ということです。そのための「見える化」なんですね。

TPS導入とは経営改革である

以前ご紹介した、田中正知さんは、その著書の中で、

TPSは経営哲学だ。そしてTPSを導入するということは、車道の左側通行を右側通行に変えるくらいの大仕事」と述べられています。

これを言うとだいたいの人が、カイゼンを、導入すれば何か魔法のように現場が良くなるものというイメージから、経営陣含め相当な覚悟が必要なことなんだ、と理解してくれます。

先ほどの「見える化」にしたってそうです。

結局のところ、問題が見えるようにするというのは、問題が見つかった方がいいという態度がなければ実現しません。

何か問題が発生するたび、叱責や責任問題にのみ終始してしまうような環境で、誰が見える化を推し進めますか? むしろ「見えない化」に走ると思います。

以前、東芝の不正会計問題のお話をしたことがありました。あれだって、当時の経営陣は有無を言わさず、ただ「達成しろ!」と強く迫っただけ、あるいは未達に関して非常に厳しい処置が待っていたと。

で、結果部門長以下何をしていったかというと、会計上の数値を書き換える、取引をねつ造して数字の「見栄え」をよくする、というまさに隠ぺいの道へまっしぐらでした。

往々にして、会社の文化や風土というのは、経営陣の姿勢で決まっていきます。

カイゼンを導入するということは、見えることを是とするよう、トップが率先して会社の空気を換えていくこと。そして見えるようにしたことが称賛され、次のアクションを生んでいく、そうした土壌を育むこととも言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

私も一番最初は「改善? なんじゃそりゃ」なところからスタートしました。

今だってまだまだ学んでいかなくてはならない途上におりますが、基本として何が必要なのかは、次第にわかってきました。

まずは「見える化」です。問題を顕在化させましょう。

そういう、「見通しの良い」空間へと、物理的にも精神的にも変化させていくことが重要だと思います。

これは個人の成長でも重要な点です。問題点が見えれば、対処のしようがあります。

ウィルスが見えるようになれば、これほどいいことはないのですが。そういう薬品とかあると面白いかもしれませんね!

コロナウィルス経路の見える化↓

体調に気を付けてお過ごしください。

今回も読んでいただきありがとうございました! では!

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