5分でわかる倉庫・ストックヤードの基本カイゼン

皆さんこんにちは! 今日もどこかでカイゼンサポート、Kusunoko-CIです。

リモートで海外の現場改善のお手伝いをする昨今。倉庫に関わるカイゼン プロジェクトのお手伝いも、かなり手掛けてまいりました。今回は「5分でわかる倉庫・ストックヤード基本のカイゼン」と題しまして、倉庫作業のよくある事例と、カイゼンの考え方、使用ツールなどまとめてみたいと思います。

基本的なことばかりですが、モノに追われて苦労しているのであれば、必ずこれらに立ち返ってカイゼン活動を行うべきです。

こちらの記事を、今日からの倉庫カイゼンにお役立てください。

モノは「お金」

こちら「モノは“お金”」というフレーズ、トヨタ式のコンサルの方もよく口にされる言葉です。

目の前にあるモノは、すべてお金で買ったのであり、それが滞留したりたくさんの在庫になっているのを見たら、すべて「お金」が横たわっているのだと思え、という教えです。「お金」だったら、何とかしないとという意識も生まれやすいだろう、ということですね。

原材料・仕掛かりや製品といった工場内で抱えるモノの管理は、生産性やキャッシュフローに大きな影響を与えます。

一般にこうした倉庫や在庫管理で抱える問題としては、

  • 大量にモノが入ってきて、置き場所がない。あるいは外部倉庫を借りていて、そことの運搬・往来や賃料もバカにならない。
  • 何がどこにどのくらいあるのかわからない。
  • モノの取り出しに時間がかかる。

などがあげられるでしょうか。

倉庫内・ストックヤード作業は一般的に次のようなものに分けられると思います。

  • 入荷:部品・材料の受け取り→確認・分類→検査
  • 保管:保管場所への運搬→入庫→保管
  • 出庫:保管品のピッキング→製造場所への運搬
  • 出荷:確認→梱包→出荷

など。

まずは入庫から、出庫(ピッキング)までのプロセスに影響を与えるカイゼンで、できそうなことが何か考えてみましょう。

入荷に関して出来ること

Photo by Markus Spiske on Unsplash

ここでも重要なのは、必要なものが、必要な時に、必要な分量(JIT:ジャスト イン タイム)を目指すことです。

モノがJITで倉庫に届くために、どうしたらいいでしょうか?

まずは、1日当たり何をどのくらい作るのかがしっかり決まっていることです(平準化)。そうすれば、運搬のリードタイムなども加味した、必要量というのが決まってきますね。

倉庫作業で先に上げたような問題が起きているときは、発注の仕方おかしいことによって引き起こされていることが多いです。

MOQ(Minimum Order Quantity、最低発注数量)はどうなっていますか?

よく購買側から言われる説明が、「多く買ったら安くなるので、この量に決まっています」というもの。

これが曲者なのですね。

それは確かにそうなのでしょうが、置ききれない、自社倉庫でさばききれない量を発注してしまえば、しわ寄せはまず倉庫に現れてきます。

これは典型的な部分最適の改善例で、購買と倉庫のKPIが一致していないことから生まれている問題です。

そしてこういう組織は往々にして、その両者間のコミュニケーションがうまくいっていない、あるいはそもそもコミュニケーションを取れる仕組みがなかったりします。

情報とプロセスの流れ図(Swim lane)を使って、部署間の仕事の情報とプロセスの流れをきっちり作り上げるといいでしょう。

そして

  • まずは自分達の工場の生産能力をきちんと把握する(標準作業)。残業ぬきでどの位なのか(残業ありきで計算しないこと)。
  • 生産能力と照らし合わせ、生産計画を出来る限り平準化して、生産量(=モノの消費量)を明確にし、それに基づいて発注する仕組みを作る。
  • 目先の費用に騙されず、JITに購入・入荷できるようにする。これには、「安く買える海外から取り寄せているから、大量にせざるを得ない」というのも含まれます。若干高くても、結局は国内から購入したほうが、倉庫や工程で生まれる様々な経費(ムダ)を考慮すると、経済的である場合が多いです。
  • いわゆるミルクラン」や「乗り継ぎ方式(リレー方式)」を導入して、積み下ろしに関わる作業時間を短縮する方法を模索する。

など、「モノが実際に入ってくる、その前段階に施すべきカイゼン」というのが山ほどあります。

入ってくる量をコントロールせずに、倉庫内の改善だけで何とかしようとしても、それは無理な相談です。

こうした周辺に位置する環境を整えてからでなくては、カイゼンというのは進みません。ここが振れれば、倉庫内で行った改善など一瞬で飲み込まれてしまいますからね。

いわゆる「ムリ・ムラ・ムダ」の「ムリ・ムラ」の是正無くして、効果的なムダの排除というのはほぼ不可能ということです。

入荷作業の動作・動線

動線分析

モノが入荷してから保管されるまでの工程を、レイアウト図を使って図示してみましょう。モノは最短距離を動いていますか

それはつまり、出来る限り直線であり、かつできる限り上下の動きも(置く・持ち上げる)もないということを意味します。

以前もご紹介したスパゲッティチャートと似たような分析になっていくと思います。

運搬や移動というのは8つのムダにある害悪ですから、これをなくすにはどうしたらいいか考えていきます。

これは倉庫のカイゼンだけではないですが、モノ目線で工程を歩いてみるのも理解が深まるでしょう。

また動作の経済というお話は以前もしましたが、倉庫内作業で言うと

  • モノの移動は、上下移動をさけて水平移動に
  • モノの移動には重力を利用

この辺りは生産性を上げ、かつ作業者さんの負担を減らすことにも大きく寄与する部分です。

ここでもビデオ分析は非常に効果を発揮します。

なぜモノがあちらからこちらへ、持ち上げられては降ろされ、滞留してしまうのか、一度映像で確認することをお勧めします。客観的な証拠は、問題点発見と、活動への意欲促進に大きな効果があます。

ビデオ分析の際には、どういう動作や状態がムダなのか意識合わせをきちんと行って下さい。

入庫場所とピッキング

Photo by Adrian Sulyok on Unsplash

モノの保管場所というのは、その後のピッキング作業に大きな影響を及ぼします。

当然すべてのものに処番地を与えて管理することが重要です。5Sの最初のS「整理」と2S「整頓」です。

基本中の基本ですが、不必要なものがあれば見通しが悪くなり、モノの管理はどんどん難しくなります。不必要なものがない状態を作り、あるべきものに「住所」を与えてください。これだけで、倉庫内の管理は劇的に変わります。

またこうした置き場所の決め方ですが、ABC分析をすることをお勧めします。

これはいわゆるパレートチャートなのですが、縦軸に出庫金額、横軸に品目を置いて大きい順に並べA・B・Cでグルーピングします。

出入個頻度の高いモノグループから順に、出荷口に近い場所に処番地を定めるようにします。

出入個頻度は生産によって変化しますから、データの定期的な確認が必要です。

またピッキング作業は、大きくトータルピッキング(種まき方式)と、シングルピッキング(摘み取り方式)に分けられます。

  • トータルピッキング:複数のオーダーを1度にピッキングする。
  • シングルピッキング:1オーダー毎にピッキング。

トータルピッキングでは、一度にまとめてピッキングした物品を荷捌き場に移し、お届け先ごとに振り分けていきます。

納品先や商品の種類が少なく、物品の数が多いときに有効です。シングルピッキングと比較すると、倉庫内を移動する回数が減り、移動距離も短くなるため効率が良いです。AやBグループ向きですね。

ただし、荷捌きをする場所に多くの物品を一時的に保管することになり、そのスペースを確保しなければなりません。

シングルは、その都度ピッキングを行っていく方式であるため、一般的に出荷数が少ないアイテムに向いています。C分類向きになります。また、アイテムの種類やお届け先が多い場合にも有効です。

ピッキングには、今はITを活用した方法も多く出回っていますね。

バーコード・QRコード・RFID(Radio Frequency Identifier)・デジタルピッキングなどが有名ですが、IT化する前に、必ず管理の仕組みとプロセス カイゼンをしておきましょう。

高価なシステムを導入する前に、仕組みやプロセスをきちんと分解・整理して、どこにITが必要なのかを見極めることです。

やるべきことをやっておかないと、導入したものの、柔軟性と互換性を欠いた仕組みに泣くことになります。往々にして、うまくいかない仕組みのために、人間側がやり方を工夫して都度対応せざるを得ないという本末転倒の状態になってしまいますので、ご注意ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、「5分でわかる倉庫・ストックヤードの基本カイゼン」と題しまして、倉庫作業のよくある事例と、カイゼンの考え方、使用ツールなどまとめてみました。

基本定なことばかりですが、きちんとできていない部分も多いはずです。

特に入ってくる部分へのカイゼン(発注量や頻度)に関しては、購買側との連携が必要ですが、サイロ化してまったくコミュニケーションが取れていないなんてことも多々あります。

特に海外では、「後工程はお客様」というお話をしても、全然ピンと来てない(笑)。

例えばあるカイゼンの先生は、「倉庫に置ききれないものが届いたときは、購買担当の机の上に置いたもんだ。『もう入りきらないぞ、これがお前のやった仕事の結果だ、置ききれないから責任とってお前の机に置いておけ』とか言って、その責任者のところまで持って行った」。というお話をしておられました。「購買部の現場は倉庫。現物を見て発注をしなさい」ということです。不良を一等地に置くやり方にも似ていますね。

倉庫の生産性は必ず上げられます。ぜひ一度、これら一連の考え方を活かしたカイゼン活動を行ってみてください。

今日も読んでいただきましてありがとうございました。

ではまた!

科学的なレイアウト改善手法。ためになります。

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