3C分析で方針管理・戦略策定

皆さんこんにちは! 今日もどこかで改善サポート、Kusunoko-CIです。

以前も方針管理策定の段階で、3C分析が必要というお話を何度かいたしました。

目まぐるしく変化する現代、自社を取り巻く環境や変化を意識した企業活動が必要であるのは言うまでもありません。

方針管理は、全従業員が向かうべき方向性を示してくれる便利で重要な仕組みですが、間違った方向を向いていては目も当てられませんね。

そこで今回は、正しい方向への戦略を考えるための3C分析の、実際のやり方についてご紹介したいとします。

全体最適で、有効な意思決定を行いましょう!

3C分析とは

3C分析は、もともとマッキンゼーのコンサルタントだった大前研一さんが開発したものです。

3つのCはそれぞれ、

  • Customer(市場・顧客)
  • Company(自社)
  • Competitor(競合)

というビジネス戦略を考える際の、「最小の重点的構成要素」で成り立っています。いわゆる近江商人の「三方よし」の考え方からヒントを得たのでは、と私はにらんでいますが。

「敵を知り、己を知らば…」という有名な言葉がありますが、戦略決定に必要なのは、我々のいる世界と置かれている状況、そして自分たち自身との関係性を考えることが不可欠です。

3C分析ではまさに、我々のいる世界と置かれている状況を「市場・顧客」「競合」、自分たち自身として「自社」を分析対象としています。

私がいたUniversity of peopleの講義でも出てくるくらいですから、世界的にかなり一般的になっているフレームワークですね。

目指すは、市場・顧客、競合、自社をそれぞれ分析して、KSF(Key Success Factor:成功要因)を見つけることと言われています。

KSFがわかれば、当然成功の可能性は高くなります。全社で進むべき方向性が定まっていきますね。

方針管理の「みんなが同じ方向を向いて、努力している」という状態をここから作り出すことができます。

3C分析の方法

Photo by Kaleidico on Unsplash

それでは具体的な分析方法のやり方を見ていきましょう。

市場・顧客(Customer)の分析

最初に分析すべき対象は市場・顧客です。

世界はどう動いているのでしょうか? これほどまでに変化の激しい時代、今日の正解は明日まだ有効かどうかさえ分からない。極端に言うとそこまで激しくはやく動いてますよね。

まずは世界と市場の規模、変化の方向性や成長度合い、またその中でのお客様の状態・需要について分析します。

カイゼン的視点に必要なのは、お客様目線。これを失ってしまっては、事業の存続すら危ぶまれますので。

世界や市場の分析には、PEST分析というフレームワークもよく使われます。

PESTとは下記

  • Politics(政治):政治動向、規制緩和、税制、法改正、デモなど
  • Economy(経済):消費や景気の動向、為替や金利の動き、経済成長率など
  • Society(社会):少子高齢化、多様化、トレンド、消費者志向の変化など
  • Technology(技術):技術革新、特許、インフラ、IT化、情報時代など

の4つの外部環境の頭文字を取ったものです。

いずれも自分たちではどうすることもできない外的要因ですが、ビジネスをやるうえでは不可欠の事柄ばかり。

自分達の演じる舞台がどういう設定になっているのか、調査し理解しておくことなしに、中長期的な戦略(とそこからくる方針管理)は作れないはずです。

外的世界を見えるようにしましょう

競合(Competitor)の分析

自分達のいる世界がわかったら、次は誰と戦っているかの分析です。

ビジネスとは「比較」である、という言葉をどこかで読んだのですが、まさに競合が何をしようとしているかを知っておくことは勝ち残りのために必要な分析です。

競合を比較分析してみましょう

  • 売り上げや社員数
  • マーケットシェア
  • 製品やサービスの強み・弱み
  • 技術力・開発力
  • ブランドイメージ

などの分析です。

比較し違いが見える化されれば、そこから戦略を練ることができます。

まともに戦うことがやり方ですか? ニッチな方向を探すべきかもしれません。

あるいは、製品やサービスの違いはどうでしょう?

技術力・開発力の比較で自分たちが秀でている部分、足りずに補完が必要な部分も見えてくるかもしれません。

お客様は、自社や競合をどういう会社だとイメージしているのでしょうか? そこに解決のカギが隠れていることもあります。

参考にできる良さ・強みは、他社を遠慮なく参考にして取り入れて活かせばいいのです(ベンチマーキング)。

それがカイゼンの考え方です。「車輪を再発明するな(Don’t reinvent the wheel)」というやつですね。

問題(ギャップ)が見えれば解決できるのです。

自社(Company)の分析

そしていよいよ自社の分析です。

ここまでの分析をもとに、中長期の戦略を作っていきましょう。

市場・顧客の動向、そして競合他社は、それらにどう反応しているのか。そして自社にできること、出来ないことは何なのか。

自社の強みと弱みを分析し、先ほどのKSF(成功要因)を見つけていきます。

この自社分析に用いられる手法に、有名なSWOT分析があります。SWOT分析は自分たちと置かれた状況を

  • Strength(強み)
  • Weakness(弱み)
  • Opportunity(機会)
  • Threat(脅威)

の4つの側面から分析するものです。

SWOTのこれらの洗い出しの後、クロス分析というのが付随するのですが、KSF(成功要因)の発見に役立ちます。

以前もご紹介いたしましたので、そちらのエントリーも確認いただけますと幸いです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は「3C分析と方針管理」と題しまして、戦略・方針管理策定の前にやっていただきたい「市場・顧客」「競合」「自社」分析の方法についてご紹介しました。

3C分析は、自社と自社を取り巻く外部を見える化する手法です。

カイゼンの基本的な姿勢となる、「森を見て木を見て、そしてまた森を見なおして、木を確認する」(Broaden→Narrow Down→Broaden→Narrow Down‥‥)を適用する分析作業になると思います。

実はこれ企業のビジネス・マーケティング戦略だけでなく、株式取引や、個人的な転職活動、キャリア開発にも使える方法です。

繰り返しになりますが、自分たちの置かれている状況、ライバルたちの動向、そして自分自身を分析することなくして、目指すべき方向(戦略)を決めることはできません。

方針管理作成の前に、中長期的な「行く末」を考えることは、当面の具体的な「歩き方」を決める大事な要素になります。

なかなか難しいかもしれませんが、この激動の時代の勝ち残りのため、ぜひ取り組んでみてほしいなと思います。

今日も読んでいただきましてありがとうございました。

ではまた!

3C、この本が初出のようです。

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