シックスシグマProjectの「Define」でやること 2 「目標設定」

皆さんこんにちは! 今日もどこかで改善サポート、Kusunoko-CIです。

前回は、シックスシグマProjectの進め方、「DMAIC」のDefineから、「Problem Statement」の書き方をご説明しました。「取り組むべき課題」を、はっきりさせるのでしたね。

今回は、同じくDefineから、Project のゴール設定の仕方を見ていきたいと思います。

ゴールやターゲットの設定もまた、Projectの成否を分けるポイントになります。きちんと理解して、実りあるProjectにしましょう!

目標設定(Project Goal・Objective Statement)

冒にも書きましたが、これはProjectが進むべき「目標・目的」をはっきりさせる作業です。

旅行に出かけるにあたり、目的地が決まっていれば、当然そこへたどり着けます。

旅の場合は、あえて設定しないという楽しみ方もありますが、Projectはそういうわけにはいかないですよね。

目標設定には、心理的な作用もありますから、それをクリアにするというのは大変意味のあることになります。

やるべきことは、

  • 改善できる機会を定量化する(数値目標)
  • Process Entitlement(プロセスエンタイトルメント)を確認する
  • そのプロセスの現在のベースライン(基準値)と、上記のエンタイトルメントの差をどのくらい解消するのか決める

という3つになります。

Process Entitlement プロセスエンタイトルメント

「プロセスエンタイトルメント」というのは、日本人にはあまりなじみのない言葉です。

ちなみにシックスシグマには、こういう「?」な用語がたくさん出てきます。

こういうのだけで、嫌になるくらいです(笑)。

これは、そのプロセスから得られると合理的に期待できる、「最高のパフォーマンス」と定義されています(Harry and Schroeder [2000])。

この「最高のパフォーマンス」(Process Entitlement)を知ることで、このProjectで何が可能か、何をすべきなのかが見えてくるわけです。

例えばあるプロセスで、この「Entitlement」が、1日あたり500個だったとします。今のベースライン(基準値)のパフォーマンスが250個/日であったなら、このプロセスを改善する余地がたくさんあることがわかりますね。

一方、現在の基準となるパフォーマンスが480個/日であるなら、ここに改善の余地はほとんどないということになるでしょう。

このように「プロセスエンタイトルメント」を把握することで、改善の余地があるのか、あるいはそもそもこの「プロセス」をターゲットとして選ぶべきなのか、ということがわかりますね。

そして、工程のあるべき能力を考慮した、「現実的な目標設定」ができるのです。

「SMART」な目標設定方法

基準となる現状のベースラインと、「最高のパフォーマンス」がわかれば、そこにギャップが見えてきます。

改善はこの差を埋めていく作業です。

最初に、「改善できる機会を定量化する(数値目標)」とありましたが、この差を埋めるときに数字で考えるということですね。

体重ならキロ、TOEICなら点数とか。

誰が見ても、同じ計測尺度で測れるというのが重要です。

当たり前の話ですが、形容詞で表現する「かなり」とか、「けっこう」というのは、人によって感じ方がまったく変わりますからね。数字で語ります。

その目標設定に関してですが、これは「『SMART』な目標設定」という考え方を用いるといいでしょう。

この「SMART」とは、以下の英単語の頭文字から来ています。

  • Specific:具体的であること
  • Measurable:測定可能であること
  • Attainable:達成可能なものであること
  • Relevant:その問題の解決に関係があること
  • Time-bound:いつまでという期限がきちんと設定されていること

この5つのうち、3番の「Attainable」は揉めることが多いです(笑)。

チームにとって、「このくらいならいける」という数字が、往々にしてマネジメントからは「足りない」と感じられることが多い。

確かに、簡単に達成可能な「あまあま」な目標設定は、意味がないです。Projectをやる意義さえ問われてしまいます。

とはいえ、ありえないほど高い設定というのも、最初からチームの士気をくじいてしまいますしね。

おすすめなのは、「チームないしは個人が頑張れば、なんとかやり遂げられるのではないか」と思えるくらいのところに、目標設定を持っていくことです。

「Stretch goal(ストレッチ・ゴール)」という言われ方をしますが、これはマネジメント(上司)側の力量が問われますね。

日頃から、部下の能力をきちんと把握し、「この人(たち)なら、このくらいならいける」という設定が見えているかどうか。

何かあれば、チームや個人をフォローすることも考えながら、この「Stretch goal(ストレッチ・ゴール)」を与える、というのが理想です。こちらには、GEの例なども紹介されていますね。

もちろん製品やサービスに対して、「お客さんからの要求」が明確にあるなら、それを満たしているかどうかは、言うまでもなく第1目標ですが。

Projectが成功しても、お客さんがハッピーでないなら、ビジネスの存続が危ぶまれますからね。

あとは最後の、「Time-bound」も忘れてはいけません。

シックスシグマProjectであれば、だいたい2~3か月のスパンで行われることが多いようです(採取データにもよりますが)。

期間はもちろん、さまざまな要素が絡んでくるとは思いますが、この「お尻を決める」ということが、成功のためには必ず必要になりますね。

この辺はいわゆる「カイゼン」Projectも一緒です。

Project のゴール 書き方・具体例

では、最後に具体的な例のご紹介です。

ゴール設定のセンテンスに必要なのは、以下のようになります。

  • 増やすのか減らすのか:悪いことならもちろん減らす、いいことなら増やす
  • どの測定基準で?:歩留り率なのか、時間なのか、個数なのか
  • 基準値は?:今の悪さ加減は具体的にどのくらい?
  • ターゲットは?:目標値。先ほどのSMART設定で決めたもの
  • いつまでに?:期限の設定

これらがすべて織り込まれていれば、達成のための「良い」Project statement=目標ということができます。

例えばリードタイムに関するプロジェクトであれば、

20xx年11月末日までに、ABCプロジェクトの製造リードタイムを、50日から35日まででに減らす。

あるいは、新製品立ち上げプロジェクトの目標設定なら、

20xx年yy月末までに、NPI製品の組み立て工程DPMO(Defects Per Million Opportunity=100万機会当たりの欠陥数)を、121から36に削減する。

こんな感じです。

いずれも、上に記した5つの要素

  • 増やす・減らす?
  • 測定基準
  • 基準値
  • 目標値
  • いつまで?

が、きっちり組み込まれていることがわかりますね。

いかがでしたでしょうか?

今回は前回に引き続き、シックスシグマProjectのDefineの段階から、目標の書き方・設定の仕方でした。

「取り組むべき課題」がわかり、はっきりとした数値を含む「目標」が掲げられれば、Projectの進むべき道筋は、これ以上ないほどクリアになります。

なんとなくProjectを始めるのではなく、チームの皆さんで「足場固め」をしっかり行ってからスタートを切りましょう。

こうした始める前の下準備は、あるのとないのとでは、後から大きな違いが出てきます。しっかりと準備して、実りあるProjectを始めてください!

今日も読んでいただきまして、ありがとうございました。

ではまた!

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