書評:『知識ゼロでも2時間で決算書が読めるようになる!―会計超入門!』
Book review: 『You can read financial statements in 2 hours even with zero knowledge!』
こんにちは、Kusunoko-CI です。突然ですが皆さんは経理の知識はありますか? もちろん経理部門で働いてらっしゃる方は、それが専門ですからね、エキスパートです。しかしそうでない私たちのような一般の人間も、少しはお金の事、財務諸表の読み方は知っておいたほうがいいですよね。お金は大事ですから。
そこで今回は。私が財務諸表の読み方をきちんと学んだ最初の一冊をご紹介するとともに、まつわるエピソードなんかをちょっとお話ししたいと思います。
会計の知識
もともと私は小売業で働いていましたから、全くもって知識ゼロ、といことはなかったです。ただし、きちんとした経理や財務諸表の読み方なんかを体系的に学ぶ機会はなかったですから、なんか感覚的にこう、みたいな考え方でした。教育専攻ですからね、あんまり専門にも関係なく。
しかも当時の店舗で使われていた会計システムは、本当にユーザーフレンドリーで、難しいことを考える必要性が全くなかった。一応これでも毎日売り上げ日報とか作ってたんですよ。とはいえ、こことこことここに実際の数字を入れて、ここはたまに使うからちょっと気にして、そしてわからなければ本部の経理がいつでもバックアップしてくれましたんで、ほんとに楽ですた。
ま、我々現場の人間はオペレーションをいかに回すか、人の配置、教育、発注、そしてクレーム処理(これが一番やっかいでした。。。)とやることは毎日山ほどあって、しかもお客さんのペースで働いてないといけないわけです。やらなくていいことはやる暇がない。そんなわけで、会計の知識をきちんと学ぶのは、実は現場から遠ざかってからのことでした。
ファイナンスは共通言語
いったん離れてみて、もっと大きな部分で経営を見なくてはいけなくなった時、この『知識ゼロでも2時間で決算書が読めるようになる!―会計超入門』に出会いまして、これは本当にわかりやすくていい本でした。
もう読んでから10年くらい経つかもですが、未だに時々確認のため読み直したりしてます。ヨレヨレになってきましたが、なかなかここまで読める本もないですよね。
形は違えど、国籍も違えど、ビジネスをやる時必ずついて回るのがお金の問題。経理の知識は避けては通れないビジネスの共通言語です。基本くらいは知っておかないと話にならん。ということがきっかけでした。今でこそMBA や改善のコスト論でその先にある知識も多少は得てますが、この本の基礎知識がなければ当然その先もなかったわけで、読んでよかったなーと感じます。おかげさんで、今では自分のビジネスをもったり、株式取引でいい会社を見つけたり、自分の転職の際の判断基準にしたり、めっちゃ役立っています!
経理の知識はビジネス共通言語です。もしまだよく知らない、わからないという方がいましたら、ぜひ勉強を初めてみましょう。これはその時役にたつ一冊になると思いますよ。
目次
ここで「知識ゼロでも2時間で決算書が読めるようになる!―会計超入門!」の 目次を乗せておきます。
目次
1章 基礎の基礎!決算書超入門
2章 超ざっくり!決算書全体と会計の話
3章 ゼロから!損益計算書の話
4章 ゼロから!貸借対照表の話
5章 ゼロから!キャッシュフロー計算書の話
6章 分析!収益性の話―儲ける会社は、ココが違う!
7章 分析!安全性の話―危ない会社は、ココがヤバイ!
8章 分析!成長性の話―伸びる会社は、ココが違う!
9章 決算書から会社のホントの姿を見る!
特集 IFRS(国際会計基準)超入門!―知っておきたい3つの変更点
豆知識ですが、アマゾンなどで本を買うとき、この目次というのはとても大事なチェックポイントになります。購入前には必ず目次をチェックして、その本が本当にあなたの今必要な本なのかどうかを確認しましょう。
例えばこれの場合、残念ながらアマゾンの提供する情報には目次がありません。なので自分の持ってる本を見ながらここに載せていますが、これを怠ると、いざ本を買ってから「外れた!!」と思う確率が、ずーっと高くなります。
私はこの1点においては、アマゾンより物理的な本屋さんのほうが優れていると思います。目次を見て、そして目次から中身を確認して、これは面白そうだとか、ちょっと今求めてるものと違うとか判断がつけられるわけです。アマゾンの場合、残念ながら中身確認はまだ一部限られた書籍にのみ適用ですし、今言ったように目次がないものさえざらです。私Kusunoko-CI、タイトルに惹かれて、実際の本や電子書籍など買って、何回チベットスナギツネみたいな顔になったかわからないです。なので必ず他サイトなどで目次くらいは確認しておきましょうね。
会計知識と東芝不正会計
この本の中で、実際に世の中にある会社の財務諸表を確認してその会社がどこへ向かっているのか理解してみましょう、というワークが提案されています。私も当時一生懸命実際の財務諸表を見て勉強しました。
その中の1社があの東芝でした。皆さんもご存知ですよね、あの2015年の東芝の不正会計事件。偶然にというかなんというか、2012年か2013年頃、当時長年続いていた粉飾のそのただ中にある東芝のPL やらBSを私は確認していたわけです。
不正を見抜けたかって? いやもう全然気づきませんでしたよ。自己弁護ではないですが、あの粉飾が明るみにでた頃 、ニュースでは「ベテランの会計士でも見抜くのが難しい」ほどの巧妙さだったと出ていましたしね。
この本の中で語られているのは、企業の健康状態や行く末、あるいはどこへ向かっていこうとしているのか、そういった情報が財務諸表にはつまっていると。 JALが傾いた時の前兆も見て取れる、と実際のキャッシュフローを使いながら説明されています。
私は当時東芝財務諸表を見て、とても健全で、これからもどんどん利益をとっていけるいい会社だなーと判断しました。ところが、です。粉飾でした。
たしかに、財務諸表は多くを語ります。その会社の方向性や体質といったものも一目瞭然です。ただしそれも、嘘偽りのない情報がまとめられていれば、という前提付きなんですね。だから会社には、大きな責任がついて回るわけです。背信行為などもってのほかになってくるのですが、どうやら当時の東芝トップの方々は何か違う何かを守っていたようですね。
それ以来、私の中で東芝への信頼はゼロです。当面は絶対に信用しません。当然製品も買いません。そういうものです。
まとめ
ということで今回は、「知識ゼロでも2時間で決算書が読めるようになる!―会計超入門!」という本の御紹介と、それにまつわるお話でした。決算書とか読めるとちょっと世界が広がりますよ。ぜひぜひお試しあれ!