新製品の垂直立ち上げに「3P」(Production preparation Process)
みなさんこんにちは! 今日もどこかで改善サポート、Kusunoko-CI です。
最近体にガタが来ている私ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
出張中など、疲労回復のためよくマッサージに行くのですが、3回連続で、それぞれ違うマッサージ師の方から、「異常に凝ってます、体の歪みがひどいです」と言われてしまいました。
そこで試しに体の歪みについて調べてみましたら、
- 不眠
- 肩や背中のコリ
- 頭痛
- 疲れやすい
- 自律神経失調
などなど、ほぼすべての症状が現在の私が抱えている問題を示しておりました。最近ちょっと体調が悪く、整形外科や神経内科に通っているのですが、加えてカイロプラクティックなどにも行こうかなと考えている今日この頃です。
体質と、何より生活スタイルも変えていかなくてはいけないのでしょうね。
さて先日、某所でワークショップのサポートをさせていただきまして、今回もまた、いろいろなことを学べる有意義な時間となりました。
その中でも、新製品立ち上げに関するプロジェクトで、大きな学びを得られましたので、それについて備忘録がてら、まとめておきたいと思います。
題して、「新製品の垂直立ち上げに『3P』」です。今回もワークショップの学び点まとめてみた感じです。
3P
3Pとは何かと言いますと、Production preparation Processの三つの頭文字Pをとったものです。
この方法の目的は、「量産に入るその日から、安全に、100%の品質を出せる工程を、最も短いリードタイムになるように作り上げること」にあります。
これを達成するため、流れで作ることのできるライン構築を目指します。そのため、以下の7つの流れを考慮しながら、最善の工程にできるように進めていきます。
- 原材料の流れ
- 部品の流れ
- 製品の流れ
- 人(作業する皆さん)の流れ
- 機器・機械の流れ
- 情報の流れ
- エンジニアリングの流れ
工程一覧表
その製品をどのように作るのか、当然工程を決めていくのですが、当の製品はどのように流れるのかを決めることが、まずはもっとも重要になってきます。
そのために以前もご紹介した工程一覧表を作成、
- 要素作業
- 治具や機械
- 品質を保証するしくみ(ポカヨケ)
などを明らかにしていきます。
Fishbone (フィッシュボーン)
工程がはっきりしてきたら、今度はレイアウトのFishbone(魚の骨)図を利用。どこで何を製品に組み付けていくのか。その際Sub assyにできるものは何かを見極め、できる限りSub工程でくみ上げておく。メインの工程ではそれを組み付けることだけに集中できるようにし、流れの確立を目指します。
一筆で書ける工程になっているか? 後戻り・行ったり来たりのない工程であるか、実際の流れを確認しながら、作り上げます。
実際にその作業をするオペレーターさんと話し合いながら、最も楽にできるやり方、そのための治具を試行錯誤で作り上げていくのが良いでしょう。
また部品配膳の方法も、作業者さんが最も作業しやすいものになるよう、供給の方向、配膳の仕方、配膳者(水すまし)の動きも含めてシュミレーションします。
こちらの記事でもFishboneはご紹介いたしました。
“時間は動作の影”
「時間は動作の影」は今回も何度も強調されていました。「時間がかかっているのは、作り方がおかしいからだ、時間を短くするのではない、動作を楽に、つくり方をスムーズにしていけば、時間の短縮は後からついてくる」というもの。
実際の作業をビデオに撮ったなら、「時間を拡大」して観察してみること。すなわち、スローモーションにしてじっくりと作業の様子を分析し、何がやりづらいのか、どうすれば作りやすくなるのかを、解析する。
やり方にも、アイデア7方案を利用しました。
今回のチームの使用の仕方で特筆すべきは、出てきたアイデア(12以上ありました)を単体でとらえるのではなく、いいとこどりのハイブリッドで活用していたところでした。
あまり詳しくは書けませんが、今回のこの3Pの考え方を適用したラインでは、世界で初めて、現状唯一の製品を製造しています。ですので、当然そのつくり方も世界で唯一のやり方になります。
とはいえ、量産に入るその日から、安全で100%の品質を出せる工程を、最も短いリードタイムになるように作り上げなくてはいけないのは、どんな製品立ち上げにも共通して言えることになります。
新製品立ち上げの3P適用の基礎を、かなり具体的に学べる機会になったのではと感じています。
大事なことは leadership
そのプロジェクトを引っ張るリーダーさんが、「絶対に達成するぞ」と思えば達成できる。逆に「まぁこのくらいでいいかな」と妥協してしまう心があれば、絶対に達成などできない。
今回、コンサルタントの先生からこのように発破をかけられたリーダーさんは、チームの皆さんと本当によく協力されて、見事当初の目標を達成されていました。
難しい作業の工程のサイクルタイムが半分以下になっていたのは、正直驚きでしたし、感動いたしました。
まとめ
というわけで今回は「新製品の垂直立ち上げに「3P」(Production preparation Process)」という内容でした。
新しい製品、ビジネスというのはこれからも頻繁に起こりうることです。そうでなくてはいけないですし。
今回のこのワークショップの学びを、しっかり自分が指導する際に生かしていこうと思った私でした。
これたぶん、製造だけではなくて、サービスとか事務系の仕事でも適用可能だと思います。要はどんなタスクでも、いかに流れを構築するかですね。
今回も読んでいただきましてありがとうございました。皆さんも体調管理には、くれぐれもお気をつけください。
ではまた!
ちょっと読むのに気合がいる論文集。