親和図法ってなんだ? 新QC7つ道具
皆さんこんにちは! 今日もどこかでカイゼンサポート、Kusunoko-CIです。
さて今回は、新QC7つ道具から、「親和図法」のご紹介。
言語データをカテゴリーに分けて、次のアクションを決めたり、その方向性を決めていったりするときに使われる方法になります。
ですので、改善Projectであれば
- 問題点を洗いだす
- 改善策を考える
といったときに、結構使えますよ。
以下、その具体的な進め方と、ちょっとばかりの豆情報も添えてお送りしたいと思います。
ぜひ皆さんの、言語データのまとめ作業にお役立ください!
親和図法とは
親和図法は、英語で「Affinity diagram」と呼ばれる手法です。
人の意見などといった言語情報を、意味や内容が似通っているもの(親和性の高いもの)でまとめるためのフレームワークになります。
色々な言葉で表されたデータ(言葉による表現)を、共通項や上位概念でまとめて整理していくと、雑多に見えた情報がある種のまとまりをもっていることに気づきます。
このように、一見捉えどころのない個別情報も、実はその本質や切り口次第で、問題の構造が見えてきたりするのですね。
親和図法はいつ使うのか
さてこの親和図法ですが、いったいどういった場面で使えばいいのでしょうか?
- ブレーンストーミングでアイデアをいっぱい広げた後
- 調査結果などの言語データを分析する場合
- 大規模なデータを収集して、整理する時
- アイデア間の関係やテーマを見つけ出す
- より高いレベルで対処するよう、共通の上位概念が必要な場面
などがあげられます。
親和図法を使うためのプロセス
親和図法は、私たちの持っている習慣的な思考や、先入観を超えた、新たな視点を与えてくれます。
さてそれでは早速どのようなプロセスで行われるのかを見ていきましょう。
必要な材料と準備
まずは必要なものですが、付箋紙(Post it)に書き込みますので、そういったものを。3色くらいあると便利ですよ。黄色・青・赤とか。
たっぷり用意しましょう。こういうのは途中でなくなると、ものすごくやる気がそがれますので。
そして人数分のペン(マジック)と広めの会議室。
付箋を貼るのは大きな壁がいいと思いますが、時々ペイントが剥げる場合があるので気を付けてくださいね。
あと安い付箋紙は、ぱらぱら落ちてしまうので、ケチらず普通の物を買いましょう。
参加者ですが、もちろんこの問題や課題に関わる、全ての人で行ってください。
ブレインストーミングになりますから、いわゆるブレストの4原則(オズボーンの4原則)
- 批判はしない(批判するのは簡単)
- 自由であること(アホみたいなアイデアでもOK)
- 質より量(とにかくアイデアを出す。アホみたいなもアイデアでも…)
- 結合改善(他人のアイデ アをもっとよいものに変えるにはどうしたらよいかも考えてみる)
を守ることを全員で確認してください。
「声」の大きい人(上司)とか、台無しにしますんで注意してくださいね。
ステップ1:
各々のアイデアを、ペンで別々の付箋紙またはカードに書き込みます。
1枚一個。
すべてのメモがすべての人に見えるように、壁にメモを広げます。
この時はまだランダムな貼り方でOK。
チーム全体がメモの周りに集まって、次のステップです。
離れた場所からでも単語がはっきりと読めるように、ちょっと大きく書いた方がいいですね。
それからアイデアは、簡単・簡潔な文章になるようにしましょう。もちょもちょ長く書くより、簡単な文章にして、その分数出した方がいいです。
ステップ2:
そうしましたら次に、何らかの形で関連していると思われるアイデアを探して、それぞれ並べて配置します。
個々のアイデア間の関係を探し、チームメンバーでアイデアを5〜10の関連するグループに分類してみましょう。
すべてのアイデアが、グループ化されるまで繰り返していきます。
グループに合わないように見える「孤児」があっても大丈夫です。そういうのは、ちょっと特殊で今回お蔵入りか、あるいは結構重要で、単独でのアクションが必要になる場合があります。
ステップ3:
ここまで来たら、皆さんで話し合いを開始します。
まとめた各グループの要約、あるいは「代名詞」を作成してみてください。
この時必要であれば、グルーピングに変更を加え、アイデアを移動してみてもOKです。
そうしたグループへのタイトルが浮かび上がってきたら、まとめたアイデア群の一番上に貼りましょう。
別の色の付箋で強調したりすると見栄えもいいし、分かりやすいです。
ステップ4:
必要に応じて、グループを「スーパーグループ」に結合します。
いくつかのグループが、さらに上位概念で統合されることもあるかもしれません。
ちなみに、あんまり考えすぎてもなんだかよくわからなくなってしまいますので パッと「直感」でやるとうまくいくように感じます。経験上。
具体例
ということで、ちょっと具体的な例を作ってみました。
例えば、生徒の遅刻が最近増えてきて、困っている先生たちがいたとします。
当然生徒指導など、何かしらのアクションを取らないといけないわけですが、理由によっても対処の仕方が違う、ということはあるでしょうね。
そこで、各クラスの先生たちと、生徒が言った理由(言い訳?)を出し合って、親和図法でまとめてみました。
まずは、いろいろと出てきた理由(言い訳)を書きだしました。
壁に貼った付箋紙を、今度は似た者同士でまとめて。
上位概念でまとめてみる(ラベル付け)。
ということで現在の大項目が、
- 体調不良
- 忘れ物
- お世話系
- 交通系
- 事故・犯罪
- 天候
- 要生活指導
- 注意観察が必要
ということになりました。
これらの大項目ごとに指導の仕方や、家庭環境の調査と対応を考えよう、という次のアクションにつながっていくことになります。ここからさらに「スーパーグループ」というのもあり得そうな感じがしますね。
まとめてみるとわかりますが、全部ひとまとめにして指導を行っても、満足な結果は得られなさそうです。分類分けというのは、改善対策案の効果を高めていくことがみてとれるのではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたか?
今回は「親和図法ってなんだ? 新QC7つ道具」と題しまして、その使い方を、ブレストの基本的な方法も含めてご紹介いたしました。
数値と違って、言語データはなかなか扱いが難しいものです。主観的であったり、感性に因っているところも大きいですからね。
とはいえ、まとまりがなければ、つまり何が問題になっているのかの本質が見えてこなければ、対処のしようもありません。
こうした親和図法で上位概念を探し出して、雑多な情報を「見える化」してみましょう。きっと次のアクションが、明確になってくるはずですよ。
みなさんの改善Project、ぜひがんばってください!
今日も読んでいただきまして、ありがとうございました。
ではまた!