東大データサイエンス ビジネス活用コース 入門講座編

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皆さんこんにちは! 今日もどこかで改善サポート、Kusunoko-CIです。

さて以前、「AI(データサイエンス)とビジネスの間に立つ人間が必要となる」というお話をしましたね。「AIシナジスト」というポジションが、これからの時代には必要になる、ということでした。

そしてAIシナジストには、カイゼン活動で使われている考え方やツールというのが、とても役に立つということもご説明いたしましたね。

私も、カイゼン活動に携わるものとして、AIとの共働を目指していかなくてはと考えています。

そんなわけで、現在東京大学が行う、データサイエンススクールにて学習中です。今回は私が実際に学んでいるコースである「データサイエンス ビジネス活用コース」から、入門講座を修了してみた所感についてお話ししたいと思います。

データサイエンス ビジネス活用コース内容 

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私が参加している「ビジネス活用コース」は、全部で15時間(5日)、一カ月の中で受講しなくてはいけないコースです。

AIやデータを活用するプロジェクトを具体的に企画・推進できるようになりたい方」(東京大学テンション ビジネス活用コース)向けと書いてあります。

この東大データサイエンススクールでは、どのコースがいいのかを相談できるオリエンテーションが用意されています。私もこちらを活用しまして、30分ほど事務局の方とお話しさせていただきました。

こちらの考えるキャリアないしは、「なりたい姿」(私の場合は、現場とAIエンジニアの間の、カイゼン活動の牽引・調整役)を説明して、「ビジネス活用コース」がぴったりとの回答を得ました。餅は餅屋と言いますか、始める前にちゃんと聞いてみるのがいいですね。

ちなみにこちらではデータサイエンスとAIを、ほぼ同義で使用されているとのこと。

今現在私は、コースの中にある3講座(後述)の中の、「データサイエンス入門」を終了しております。

この講座の内容は大きく二つ。

・データサイエンスに関する社会状況や技術の概要を学びつつ、データサイエンスがビジネスにどのように活かせるのかを学ぶ。

・数学を極力使わずにやさしく体系的に学び、短期間でデータサイエンスの全体像を把握する。

東京大学テンション ビジネス活用コース

けっこう駆け足な感は否めませんが、データサイエンスで生み出されるビジネスへの価値や、実際の活用事例を学べて有益です。

もちろんデータサイエンスの手法(教師あり学習・教師なし学習など)や深層学習(ディープラーニング)に関しての説明もあります。

講師は山肩 洋子先生という東京大学の准教授の方。情報学で博士号(京都大学)を取られているようです(Profile page)。

入門講座 受けた感想

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入門講座の講義内容は、こちらのようになっています(シラバスから)。

・データサイエンスの背景

・データサイエンスで生み出されるビジネス価値と活用事例

・データサイエンスの体系と手法(教師あり学習・教師なし学習など)

・深層学習(ニューラルネットワーク)

・データサイエンスの留意点

・発展的話題と今後の方向性

東京大学テンション ビジネス活用コース

ちなみにこちらの入門と、「情報倫理」と呼ばれる2講座は、録画されたビデオで受講することも可能です。私も仕事の関係上、どうしてもこの2クラスはライブ配信で受けられず、ビデオ受講となりました。

入門講座3時間の後には、小テストも用意されています。授業の資料を見れば簡単にできます。確認のため、こうしたテストがあるのはとてもいいデザインですね。

今回の入門講座から学んだ点を少しだけ紹介します。

いわゆるAI導入の流れは、

  1. 目的を定める
  2. データを集めて整理する
  3. 手法を選択する
  4. 実装・実験を行う
  5. 結果を評価する

という5段階になりますが、この1と2のステップでは、

  • 現場で実際に業務に携わり、かつ
  • 業務上で問題・課題を抱えている人

との共働が欠かせません。

AIエンジニアさんは、3や4の手法選択・実装に携わるわけですが、AIを使って何をしたいのかを正しく伝えないと、まったく使えないものが出来上がることだってありうるわけですね。そのビジネス上の課題・問題を、コンピューターが解決できるものに翻訳してあげなくてはいけない。

また大事なこととして、「多くのAI手法は結果の解釈を与えてくれない」ことが挙げられます。こちらは最後5番の「結果を評価する」の部分になりますが、AIエンジニアの方は、現場を知りませんから、出てきた結果(特に失敗した場合など)が、なぜそうなったのかの理由まではわかりません。

ですので必然的に、現場の皆さんとの検証というのが必要となります。プロジェクトに関わる全員が、ある程度AIに関する基本的なこと理解して、一緒に話し合う必要があるということです。

この辺、外部のカイゼンコンサルタントの方とお仕事をすると、同じような場面に行き当たります。

コンサルの方は、現場の細かな作業まではわかりませんが、カイゼンに関する知識は豊富です。ですので、ツールやノウハウを使うため、現場の状況や課題を理解したい。

現場の方は業務に関しての知識・経験は豊富ですが往々にして、カイゼン活動には疎い。

問題解決はまず状況を見える化して、多段的に解決に向けて思考を巡らせて行かなくてはいけないのですが、コンサルの方が思い描くカイゼンの道筋と目的地が、現場の方にはよくわからないことが多いのです。

我々の役割としては、このように現場の方と専門性の高い外部エキスパートの間に入って、「通訳」活動をし、また具体的に求められている成果物生成のお手伝い(たまにほとんどやる)ことが求められます。

そのためカイゼンツールやフレームワークのトレーニングも行い、現場の皆さんが抱える問題を見えるようにするお手伝いをするわけです。

このAI実装の流れも似たものがあるなと感じたのが、この部分の感想でした。

なんとなく「AIシナジスト」の活動に必要な、具体的な役割(とやること)が見えてきた気がします。

地味なものです(笑)。

とはいえ、「AI」だの「データサイエンス」だのと、きらびやかに聞こえるものの実際は、データを集めるとか、コードを書くとか言ったものすごく泥臭い作業の積み重ねで出来上がっているわけで、「AIシナジスト」などとかっこよく言ってみたところで、やることは地味なものになる、ということですね。

ビジネス活用コース概要

ちなみにコース全体の概要です。

東大データサイエンススクールの「ビジネス活用コース」は、今回お話ししたデータサイエンス入門と

  • 情報倫理
  • データサイエンス活用法

の3つで成り立っています。

情報倫理は、こちらも3時間。講義内容は、

ビッグデータ時代にAIやデータサイエンスを活用する際に新たに噴出するコンプライアンス・倫理的課題に対し、どう対応するかの行動規範を身に着ける為のベースを学びます。(東京大学テンション ビジネス活用コース

とあります。

またデータサイエンス活用法では、

・統計分析や機械学習によってどのようなことができるのか、データを活用する際に注意するべきことや準備すべきことは何かを具体的に学びます。

・数式をなるべく使わずに、例題や実例を通して具体的な流れを理解します。

東京大学テンション ビジネス活用コース

とのことで、こちらが今回のメインで、9時間の講義になっております。これはビデオ通話を通してのライブ配信参加がマストです。

AIシナジスト=カイゼンエキスパート

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授業を受けてみてこの「AIシナジスト=カイゼンエキスパート」という方向性により強い確信を持ち始めた私です。

私が現在担っている役割の、延長にある姿で間違いないと思います。

ちなみに、このビジネス活用コースは、いわゆるAI(データサイエンス)を導入する牽引役的な方向けの講義ですので、プログラミングのような本当のエンジニア指向の方向けの授業は含まれていません。

ただ先にも述べましたように、導入は「現場とAIエンジニアに丸投げしておけばいい」というものでは決してなく、管理監督者やプロジェクト全体を見渡す人にも、それ相応の知識や倫理が求められることになります。

AIに関わる技術は、IoTなどと言ってモノづくりのカイゼン活動には欠かせない存在になります。またRAPなど情報処理にも、今後どんどん活用されていくでしょう。

これまでのところ経験上、カイゼンツールはAI技術導入の際の、業務の見える化に大きな成果を出しています。

また当然カイゼン活動は、統計的知識を必要としますので、こうしたバックグラウンドも今後深く手法を学んでいく上で役立ちそうです。

今後のコース受講が楽しみです。

まとめ

というわけで今回は、「東大データサイエンススクール データサイエンス ビジネス活用コース」についてのご紹介でした。

まずは入門講座を受講してみた感触をお話ししてみました。

これを書いている今現在は、その次のクラス「情報倫理」の受講を始めています。

この講義の中で先生が、「つまらないかもしれない、眠くならないことを願う」的な発言が多くて笑ってしまうのですが、これまでのところ私はたいへん楽しんでいます

私はちょっと変わっているのかもしれませんが、内容はとても興味深く、人類の歩んだ倫理の歴史は一般常識としても知っておくべきことだと感じています。

人間は過ちから学んでいくものなんですが、それにしても酷い事例もあり、それゆえ決して忘れてはいけないのではないかと。

この辺も、また次回ご紹介出来たらと考えております。

「AIシナジスト=カイゼンエキスパート」です。カイゼン思考役立ちますよ!

今日も読んでいただきまして、ありがとうございました。

ではまた!

これ面白そうです。欲しいものリストに入れました。

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