AI小説「AIの書く小説は思いのほか。」

AI novel was unexpected.

皆さんこんにちは。

またも出張に出かけるKusunoko-CIです。今回はタイです。ちょっと新型コロナが心配ですが、仕方がない。これも仕事ですからね。

マスクして、サニタイザー持って頑張ります。ちなみに中国は当面出張なしです。さすがに会社から渡航禁止命令が出ましたね。

そんなわけで今回もAIネタです。いろいろとAIに関して記事を読んだりしているのですが、先日、AIの書く小説というものが見つけました。おお、なんとAIそこまで行ってるの? とちょっと感動したんですが。

まぁ何はともあれ読んでみましょうということで、今回です。。

星新一、ショート・ショートの神様

まずは本題に入る前に、星新一さんという作家のご紹介。

Kusunoko-CI、小さい頃から読書が大好きだったことは以前お伝えしました。

その中でも最も思い出に残っているのが、星新一という作家です。

ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、この星新一さんという人は、別名「ショート・ショートの神様」と呼ばれていまして、生涯で1000編以上の作品を書かれてた方です。

一つ一つの物語は長くはなく、当時子供だった私にはとても読みやすい分量でした。

それこそ「狂ったように」読み漁って、新潮文庫、光文社文庫、角川、それに講談社文庫(あれ早川だったかな)と、おそらく当時出ているものは、小学生の時にほとんどは読んだのではないかと思います。

これWikiで調べてるんですが、「1983年秋に「ショート・ショート1001編」を達成した」と書かれてまして、ちょうど私が読んでた頃ですね。当時新潮文庫のフェアで「星新一ショート・ショート1001」というキャンペーンが行われていたのを覚えています。

私と星さんの作品の出会いは、たぶん9~10歳の頃。私の田舎にあった小さな図書館に、星新一小説が何冊かあった。中でもとりわけ鮮明に覚えているのが、「ボッコちゃん」でした。

星新一作品はすごく読みやすくて、それこそ子供でも理解しやすい。それでいて物語はなかなか奇抜で、考えさせられるようなものが多いです。

私にとっては、とても思い出深く、今のSF的な頭の中の妄想回路は、星新一作品によって鍛えられたといってもいいと思います。

「頭の中でイメージする絵本」。これが星さんの作品に対する私の思いです。

ちなみに何作品か、YouTubeのアニメにもなっているので、探してみるといいですよ。

星さんは、残念ながら1997年にお亡くなりになりました。

“星新一賞”にAIの書いた小説が

星新一賞Web page

で、この星新一の名を冠した賞というのがあります。⽇経「星新⼀賞」です。

こちら得意のWikiさんからですが、

2013年より始まった⽇本経済新聞社が主催する理系的な発想に基づいたショートショート、および短篇⼩説を対象とした公募⽂学賞。

ということです。

ここに、なんとAIの書いた小説というのも応募できることになっているんですよ。

AIが小説を書く。

そんなことが現状可能なのでしょうか?

書かれたのは、「きまぐれ人工知能プロジェクト作家ですのよ」という団体のようです。

こちら佐藤理史さんという名古屋大学大学院教授の方が所属する研究室は、この「きまぐれ人工知能プロジェクト作家ですのよ」のメンバーとして、2013年より小説の自動生成に関する研究を開始されたとのこと。この「きまぐれ人工知能プロジェクト作家ですのよ」は、星新一賞の協力団体としても名前が載っています。

ネットで検索すると、第4回に応募したという「人狼知能能力測定テスト」という作品と、その制作裏話というものが公開されています。

評者曰く、「なかなかのもの」という話でしたので、ちょっとワクワクしながら読んでみましたが。

やばい、すごいつまんない。

申し訳ないけど、全然面白くない。

しかもわかりづらくて3回読み返しました。そして読後感を味わってみたのですが。

何を心に残していいかもわからないくらいの出来ではないかと思います。

すみません、Kusunoko-CI、(今は)あんまり人の作品にケチつけることはしないタイプなんですが、これはさすがにひどい。

ただのこの人狼ゲームとかいうゲームの流れを、話者を変えて(異なるAI視点で)追いかけてるだけじゃん。

そして、ラストも何の落ちもない。捻りもない。感動もない。ブラックユーモアもない。

文章が自動生成できるようになったから、自動生成しました。というレベル。

うーん、ちょっと残念だなぁこれは。

皆さんも一度読んでみてください。もしかしたら面白いと思うかもしれない。単に私の嗜好に合わないだけかもしれないですし。

「人狼知能能力測定テスト」勝手な感想

この⽇経「星新⼀賞」のWeb pageにも、この「きまぐれ人工知能プロジェクト作家ですのよ」という団体から以下のようなメッセージが載せられていました。

人工知能にとって創造性は依然として高い壁になっていますが、引き続き星新一さんのようなショートショートが作れるように頑張っていきます。人工知能にシナリオを作らせる部分の開発を本格化させたいと思っています。

うん。がんばってください。

私は小説家でもないですし、本の批評家でもない。ただただ、星新一さんの作品が好きだったというだけの人間ですが、この「人狼知能能力測定テスト」という作品を読んだ感想として、以下のような気持ちがわいてきました。

  • 文章がわかりづらい
  • イメージがわかない
  • わかりづらくてイメージがわかないので、登場人物に何も感じることができない
  • 読んでいてワクワクもしなければ、ドキドキもしない
  • えーっ!? といういい意味での裏切りもない
  • あーなるほど、というその後のストーリーを自分で展開させたくなるようなラストでもない
  • 読んだ後に、通常読了後に起こる「ストーリーを反芻して味わいたい気持ち」もわいてこない

だいたいこんな感じで、もっと楽しめるものが読みたいと、純粋に感じてしまいました。

結局、小説というものは、なんだかんだ言って娯楽ですからね。面白くないと何の意味もない。

私も音楽やってた時、音楽やってない人からよく「つまんないっ」て言われましたよ。で音楽やってる人からは、「ここすごいね」とか言われるんです。

やってるもの同士、技術的にすごいところって気が付くんですよね。

でもそれと聴きたくなる音楽かどうかって、また別の話なわけです。この小説もそうならないように、どんどん面白くなっていってもらいたいです。

人工知能小説 制作裏話

前出の佐藤理史さんは、京都大学工学博士。ご専門は、自然言語処理、人工知能とのこと。

佐藤さんが「星新一賞への再挑戦――『人狼知能能力測定テスト』解説」と、制作裏話を載せておられました。

どうやら、「人狼ゲーム」という実際のゲームに挑む複数のコンピューターのPlayの記録(ログ)から作ったのがこの「人狼知能能力測定テスト」という作品のようです。

話者を変えて、同じストーリーをなぞるスタイルも、「一つのゲームログから複数のお話を作ることができることのデモンストレーションを意図」したということで、そういう意味では実験的な要素が大部分を占めているんでしょうね。

この作品を通して、「機械が作ったプロットを機械が文章化するというところまでは、おおよそ達成できた」とのことです。

これからますます面白くなっていくんでしょう。

これももう2017年のものですから、今はもっとワクワクするようものをAIが書いてくれっるようになっていると信じていますよ! それこそ日進月歩ですからね。今はもしや人が書いたものと区別がつかないくらいになっているかもしれません。

まとめ

ということで今回は、AI書いた小説が、2017年時点でとてつもなくつまらないという結論に達しました。

昨今の機械学習をみていると、コンピューターが、膨大な量の作品にアクセスし、ある作家さんの癖や特徴を捉えて、似たような作品を作るぐらいまでは難なくできそうですが。

絵画なんかは、実際にこうした作品が何億円という値段で売買されていますしね。

ただ絵なら、なんとなくの色遣いや、構成でそれっぽいものは作れても、小説やストーリーとなると少し難しいのかもしれません。

アイデアとは、何かと何かの組み合わせ」であるのは真実です。しかしその意味において、星作品がすごかったのは、「そんなものが存在しない時代に、そういうことの起こった世界が織りなす物語」という「絵」を我々に見せてくれた点でした。例えばインターネットとかですね。

私には、優れたSF作品というのは上記の創造力の点を多分に満たしているものだと思っています。

果たして機械学習に、これがどこまで実現できるのか。

今の「弱いAI」には無理かもしれん、と今回ちょっと悲観的なKusunoko-CIでした。

でも割と真面目に期待してます。星新一風の新作なんか出たら、涙流して喜びますよ、私。あとロバート・B・パーカーの「スペンサー」シリーズとか。サザエさんみたいに、ずっと年取らずにやっていくとかね。

2月の下旬には、今年の星新一賞、結果発表ということです。はてさて。

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