接客、顧客満足度を上げたいなら Good Man’s Talk
自主研Good Man’s Talk.
どうもこんにちは、今日もどこかで改善サポート、Kusunoko-CIです。
いつも改善に絡んだお話をしている、このブログ。
改善というと、工場関係のことだけのように感じるかもしれませんが、実はそんなことはありません。
もちろん小売り業やサービス業に関しても、改善していく方法はあります。プロセスの整備、業務のムダどり、見える化。そして、もちろん、顧客満足度と、そのための社員トレーニング。
この顧客満足に効いてくるのが、今日お話しする、“Good Man’s Talk”(グッドマンズトーク)という手法です。
今回はこの、“Good Man’s Talk”(グッドマンズトーク)という改善手法を説明しながら、人対人、いわゆる接客業の顧客満足度アップのために、出来る社内トレーニングについてお話ししたいと思います。
この記事で、簡単かつ効果的に、スタッフのレベルアップが期待出来るようになりますよ。
「Good man’s talk(グッドマンズトーク)」
まずは、このGood man’s talk(グッドマンズトーク)のやり方からです。
まずは、トップの旗振りです(毎度のことですが、すべてはここからです)。
そして、Good man’s talk(グッドマンズトーク)の、講師役になれる人物(Good man/woman)を選出します。営業成績や、顧客満足度調査で、いつも上位に入る方のことです。
決まりましたら、週一回、あるいは2週に一回、みんなで自主的に、2時間ほど勉強する場を設定しましょう。
参加者は、基本は、今ターゲットにしている部門の、接客に従事する方全員です。例えば、自動車整備のサービスアドバイザーの皆さんとかですね。もちろん先ほどのGood man/womanの所属している部署、ということになりますね。
大所帯なら、いくつかのグループに分けるといいでしょう。1グループは、せいぜい最大7~8名くらいを目安にしてください。でないと、個が埋没して、全員参加の意味が薄れてしまいます。
やり方はいたって簡単です。その選出された“Good man/woman”が、普段行っている接客ノウハウをシェアするのです。
皆さんの職場にも、接客マニュアルや、プロセスを記したフローチャートのようなものがあると思います。
その業務の中で、「ここが最もお客様満足のキーになる」というところから、初めて行くといいと思います。「80 20の法則」ですね。
初めから網羅的に、というのは無理です。内容も薄まってしまいますので。
そして、講師役がシェアする。需要な点をメモして、みんなで共有できる環境にファイル化していく。
これを丁寧に、毎週ないしは2週に一回続けていく、これだけです。
残業代を出すなり、少しの食事手当くらいは出しましょう。これは会社のための活動ですので。
「一人のスーパーマンはいらない」
トヨタのカイゼンモットーで、こんななものがあります。
“A 100 1 % improvement from everyone everyday everywhere,
rather than one 100% leap forward”.
これを日本語にしますと、「一人が100%、改善して先へ進むより、一人一人が、毎日、すべての場所で、1%ずつ前に進んで、総和としての“100%”を作る組織を目指す」という意味合いになります。
つまり、カイゼン活動に、「一人のスーパーマンはいらない。チーム全員が、少しずつでも、前進していける組織作りが大切なんだ」ということです。全体が強い組織づくりです。
この、「一人のスーパーマンはいらない。」というのが、私のトヨタ時代の改善メンターが、よく口にしていた言葉でした。
企業は人です。企業の良し悪しは、そこで働く人たちの正しい努力の差、と言っても過言ではないでしょう。
接客などは、人の個性や性格に左右されるところも、確かにあります。だからと言って、それがすべてというわけでもない。
いくつかのタスクの中には、必ず、「こうやった方が、いい結果が得られる」という経験則からくる技術があります。そのノウハウを、気づいた者が、気づいてない人にシェアして、チーム全体の力を底上げしていくのです。
あなたがお客さんなら、行くたびに、スタッフの当たり外れが多いお店と、誰に当たっても気持ちよく買い物ができる店、どちらがいいですか?
全ての競争条件が、さほど変わらないなら、「はずれのない店」を選ぶのではないでしょうか?
まして、大きな買い物で、長い付き合いになるような商売のスタイルなら、その傾向は、さらに強くなっていきます。
しかも最近では、SNSの発達で、一度でも嫌な思いをした人が、ネット上に書き込んでしまえば、それは半永久的に、店の「評判」として、ついて回るのです。
高い質という意味で、全員が、「どこを切っても金太郎飴」であることが求められています。
全体の質の底上げ。そのために、このGood man’s talk(グッドマンズトーク)はとても有効なんです。
海外での指導例
私も以前、こちらのGood man’s talk(グッドマンズトーク)のやり方を指導したことがありました。
海外のある車販売ディーラーさんの、サービス業務全般の、改善サポートをしていた時です。
地域的にまだ、「顧客満足」という考え方がしっかり浸透していない地域、ということもあって、こちらずいぶん目覚ましい成果が出ました。
もとろん外から講師呼ぶのもいいのですが、コストもかかりますし、一般的なこと以上のことは、あまり言えません。なぜなら、すべての会社が、おかれている環境や業種・形態の掛け合わせで非常にユニークだからです。
なので、長い目で見ると、こういう「自主研」スタイルの、勉強会が、一番効果が出るんですね。
もちろん、リーダー(Good man/woman)として、研修会で講師役をやってもらう方には、少し何かしらのベネフィットを与えてほしいです。
なんか役職をあげて、もちろん手当もつけてあげる。そうすると、本人のモチベーションも上がってきます。
周りからも、一目置かれるようになる。あるいは、ユニフォーム(があるなら)も少し、色を変えたりすることで、内外に対するアピールにもなります。
そうすると、その本人は、さらに勉強して、さらに好成績を上げ、さらにそれをまわりにシェアしてくれるようになる。そしてさらに、シェアされた周りの力も上がっていくのです。
こんな好循環こそが、このGood man’s talk(グッドマンズトーク)の、本当の価値になります
前述のディーラーさんでは、サービスアドバイザーに対するお客さんの評価項目が、コンスタントに「満足」レベルに上がっていきました。Good man’s talk(グッドマンズトーク)施行前・施行後で20%~30%程の変化(上昇率)でした。
やってみる価値、大いにありですよ。
まとめ
ということで今回は、接客業の顧客満足度アップのための、Good man’s talk(グッドマンズトーク)のご紹介でした。
これは、人と対面して、商品・サービスをお勧めしたりするだけでなく、電話越しにお客様とお話しするようなお仕事でも、もちろん使用可能です。
「一人が100%、改善して先へ進むより、一人一人が、毎日、すべての場所で、1%ずつ前に進んで、総和としての“100%”を作る組織を目指す」。
スーパーマンをつぶす必要は、もちろんないです。ただ、ごく少数のスーパーマンにのみ、頼るような組織作りはやめましょう。
そういう働かせ方をすると、だいたいスーパーマンはさっさとやめていきますしね。
多様性、などという言葉も言われて久しいですが、全体が底上げされていく中で、個々人が、個々人の性格や持ち味を生かした、「自分のワザ」を持っているのが、理想的な状況ではと思います。「守破離」の考え方でもあります。
続ければ、そんな組織も構築可能です。取り組んでみてください。
今日も読んでいただきまして、ありがとうございました。
では!