シックスシグマってなんだ? サルでもわかるシックスシグマの成り立ち

History of six sigma.

皆さんこんにちは。今日もどこかで改善サポート、おサルさんKusunoko-CIです。

私はどちらかというと、「Leanおじさん」なのですが、改善Projectをサポートする限り、「シックスシグマ」による品質Projectも避けては通れません。

品質問題改善となると、必ず登場するこの「シックスシグマ」という改善手法。

そこで今回は、この「シックスシグマ」がどのように誕生して、どうしてその名で呼ばれるようになったのか、そこらへんの歴史やいきさつを明らかにしたいと思います。

この記事で、「シックスシグマ」って何? というざっくりしたコンセプトを把握することができますよ。

シックシグマとは

「シックスシグマ」とは、製品、・プロセス・サービスの欠陥をなくすための、統計データを使った「改善の手法」です。

1980年代初めに、モトローラの技術者だったビル・スミスさんという方によって開発されました。

このシックシグマ、実は日本の製造業で行われている「QC活動」を参考にした、と言われています。

日本発の「QC活動」が、現場の人間によるボトムアップ型の手法なのに対して、「シックスシグマ」は、トップダウン型の手法で行う活動として考え出されたようです。

つまり、マネジメント・経営層が、まず取り扱う問題を選んで、プロジェクトが実行されるということですね。なので、経営やコスト削減に直結するような、大きなプロジェクトが取り扱われていくことが多いようです。

もちろん現場レベルの改善で、この手法を使うことも全然OK。私がサポートする改善活動でも、品質問題に関しては、こちらの手法を使うことが多いですしね。

1990年代に入ると、かの有名なカリスマ経営者、ジャック・ウェルチさんが、ゼネラル・エレクトリック(GE)で始めたことにより、どんどん有名になっていきました。

私の同僚元GE マンによりますと、「マネージャ―になるには、シックシグマのブラックベルト保持が条件である」、というルールもあったようで、力の入れようが伝わってきますよね。素晴らしいリーダーシップ。

そして今では、ご存知のように世界中の多くの企業で、この「シックスシグマ」という改善手法が採用されています。

シックスシグマという言葉は「標準偏差」から

まず、何も知らない方は、この「シックスシグマ(6 σ)」という言葉はそもそも何なのだ、という疑問もわくのでは思います。

ここで使われている「シグマ(σ)」を知るためには、まずさらっと「標準偏差」を知る必要があります。

標準偏差は、簡単に言うと、平均からどれだけ離れているか、散らばりの度合いを示す値です。この標準偏差(平均からの離れ具合)を、「シグマ(σ)」で表すのです。

平均

まずは平均からいきましょう。

平均というのは、皆さんもよくご存じだと思いますが、要は数値を全部足して、その合計を全体の数で割ったときの値ですよね。

数学のテストの平均点が、今回70点だった、と言ったとき、クラス全員の点数を足して、クラス全員の数で割ったものです。

ここまでは、結構簡単。

例えばこういう平均

標準偏差

そして標準偏差というのは、チェックしている数値が、この平均からどれだけ離れているかを見るためのものになります。

なんでわざわざそんなことをするかというと、平均だけでは見えない情報があるんですね。

平均が同じでも、中身が違う

例えば、先ほどの数学のテスト、1組と2組のクラスの皆さんの点数を並べてみました。平均70点と、同じではありますが、内訳が大きく違っていますよね。

2組のほうが、いい点と悪い点、両極端に振れてしまっていることが見て取れます。

2組は、学力にちょっと差がありすぎる、なんとかしないといけないのではないか、というような話になったりするのではないでしょうか。

このように、平均だけ見ても中身が見えない、判断のしようがない、ということを解消してくれるのが「標準偏差」というものになります。

「標準偏差」の値が大きければ、平均からの離れ具合も大きくなっていく、ということですね。同じ平均でも、ばらつきが大きいのか、比較的平均値の周りに集まっているのかが、見えてくるわけです。

ちなみに、我々日本人は、「偏差値」というものに慣れ親しんでいますが、その偏差値もこの標準偏差から生まれました。

あんまりいい印象を持たれない「偏差値」ですが、テストの点数やら平均点だけでは見えないもの(集団内での平均値からの隔たり)を教えてくれる、なかなか優れものなのです。

細かい計算や理屈は、ここでは説明しません。興味がある方は、こちらのサイトが良くまとまっていてわかりやすいので、ぜひご覧ください。→「標準偏差の意味と求め方 – 公式と計算例

シグマ(σ)どうして改善手法の名前に?

じゃ具体的に、この標準偏差やらシグマ(σ)が、どうして改善手法になっていくのか、を見てみましょう。

正規分布

まず前提として、世の中の社会現象・自然現象の多くは、ある一定のルールに基づいて発生するようになっています。

この発生の仕方を表したのが、「正規分布」というグラフです。ざっくり言うと、ある現象を追いかけて、いっぱいデータを取って並べてみると、分布(確率)がこういう山の形になるということが、長年の研究の結果わかっているというですね。

これを「正規分布」と言います。ちなみに英語でBell curveとか言ったりします。ベルの形に似ていますね。

正規分布

正規分布の性質

そして、この「正規分布」には、とても面白い性質があります。

今、この正規分布が成り立っている場合には、±1σの中に全体の68.26%、±2σの中に全体の95.44%、±3σの中に全体の99.73%のデータが…収まることがわかっているのです。

「…」と書いたのは、理論上もっともっと続けていくことができるから。

これら「シグマ」の値の大きさで、カバーされるデータ数(全体における%)が予測できるということですね。

この図では、6σまで書いてあります。その6σの範囲に入るのが、「99.9997%」と書いてあるのが見えるでしょうか。

つまり6σのレベルになると、この黄色いところに収まるデータは全体の「99.9997%」をカバーするということです。その逆に、残り「0.0003%」がこのベルの「外側」にあるということになります。

「仲間外れ」ですね。

この「0.0003%」という値は、例えば100万個が全体数だとすると、「3個」とかいう数字になります。

6σという名前

この考え方を、不良やエラーの発生率に落とし込んだのが、「シックスシグマ」です。

下の表を見るとわかるのですが、「6σのレベル」というのは、100万回で3.4個の不良品が出るレベルということです。

「3個か4個」じゃなくて、「さんてんよん=3.4個」。

先ほども登場しました元祖モトローラでは、100万回作業をしても、エラー発生を3.4回に抑える、つまり「6σのレベル」での品質を目指しておりました。

そのため、統計、特にこの標準偏差の考え方を使った、一連の改善手法が「シックスシグマ」と呼ばれるようになった、というわけです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、「シックスシグマ」という改善手法って、そもそも何? というところに焦点を当ててみました。

統計や、標準偏差の、あるいは正規分布のところは、厳密な説明は省いてあります。Kusunoko-CIよくわからないし、あんまり細かいことを追求するより、なぜ「シックスシグマ」と呼ばれるようになったのか、その概要を理解していただければと思います。

大事なことは、こうした手法をどう使って、品質を上げていくか、コストを下げていくかです。

ちなみに昨今は、例えばラインのムダどりや、効率の側面が、改善には必ずついて回るということで、「リーン・シックスシグマ」という名前の活動や資格で呼ばれることが多いです。

本家GEでも、「品質には統計的手法(シックスシグマ)、生産性にはLean」という合わせ技が推奨されているということです。と前出の私の同僚より。

なんでもそうですが、仕事が改善されていくなら、何でも利用しましょう。

「おれはシックシグマだから」とか、「Leanだけやっていればいい」という姿勢は、自分の可能性を狭めてしまいますので。

特に大きな企業で働いていた方、自分のやってきたことしか認めないという頑なさを、何度も見て来ました

大事なことは、変化していくことです。だから「改善」っていうんですよ。

そして、ずーっと変化して行かなくてはいけないんです。だからトヨタでは「カイゼン」というんですよ。

皆さんの「カイゼン」、頑張ってください!

今日も読んでいただきまして、ありがとうございました。

では! うきっ!

参考サイト

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シックスシグマってなんだ? サルでもわかるシックスシグマの成り立ち” に対して2件のコメントがあります。

  1. pcook より:

    勉強になりました。
    ところで、「100万回で出る不良」の表ですが、数値がおかしくないですか?
    すぐ上に描かれている、正規分布の図中に記入された数値とも合わないですし。

    1. Kusunoko CI より:

      pcookさん
      記事を読んでいただき、またご質問いただきましてありがとうございます。
      とても鋭い質問です。
      上で書かれている正規分布のグラフには、理論上のシグマの数値(%)が書かれています。そして、実際に現場でデータを取るものは、なかなかこのような理論値を長期的に維持してくれません。
      そこで、「1.5σシフト」なる、σレベルの(現実に即す形での)調整が行われます。これはつまりProjectなどで仮に6σレベルが到達できたとしても、長期的にはほぼ「4.5σ」くらいに落ち着くことが、経験則上分かっているからです。
      そのような調整後、6σ(つまり厳密には4.5σ)レベルの、山のすそ野から外れる値、つまりそのレベルでの不良の個数が、「3.4個」ということです。それで「6σ=100万個に3.4個の不良レベル」という言い方をするのですね(ちなみにこの3.4個という数字も、品質管理の特性上、この山のすそ野の片方しか勘定に入っていません)。
      ですので、正規分布の中の%とは合わなくなっています。また1σに関しては、数値は確かに概算値ですね。すみません。

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