トヨタ A3の書き方 問題 課題解決型タイプ

課題・問題解決型A3

皆さんこんにちは! 今日もどこかで改善サポート、Kusunoko-CIです。

先日、洗い物をしていてグラスを割ってしまいました。左の薬指の先端に、結構深い傷。止血に15分くらいかかりまして、びっくり。

今は「キズパワーパッド」で保護しておりますが、間違って触るととても痛い。

皆さんも慣れた仕事だからと言って、気を抜かずしっかり安全確認してください。工場だったら、こういう安全に関わることは、直ちに手を打って解決しないといけない。「問題解決」しないとですね。

ということで今回は、前回に引き続き、A3の書き方のご紹介。こうした問題や課題をProjectとして遂行するにあたり使われるタイプ、「問題・課題解決型A3」を見ていきたいと思います。

A3の書き方、だけでなく、どのような点に気を付けて問題・課題解決をしていくのかが分かる内容になっております。ぜひマスターして、あなたのProjectを成功に導いてください!

問題・課題解決型A3

前回は、「トヨタ A3の書き方 Proposal(提案) タイプ」と題しまして、何らかのアクション(企画やProject)の起点となるA3をご説明いたしました。

そちらのA3が、周りの賛同を得て、上司の承認ももらったとなれば、今度は実際に問題・課題解決のスタートです。

こちら「問題・課題解決型A3」は、そのような文脈の中で使われます。

それでは早速中身がどのようなものか、見ていきましょう。

背景(Background)

こちらの「背景」は、4タイプある全てのA3に共通して、まず真っ先に書かれるべきものです。

以下のように、

  • 読み手が状況を理解するために、必要な情報
  • 今何が起こっているのか、本来はどうあるべきなのかを記述する(問題の内訳)
  • 問題が、今対処さればければならない理由を明確にする

項になります。

このテーマ(問題や課題)が選ばれたことに対する、正当性を与えてくれる情報群になりますね。

優先順位の高い問題や、それがどこから来たのか、どこから始まったのかに焦点を当てます。以前の提案型A3の際も書きましたが、ここを前提にして全体の論が進みます。なのでここが基盤として弱いと、A3全体が脆弱になります。

「そうだよな、この問題は解決しておかないといけないよな」と読み手に訴えかけるものにしましょう。

グラフや図表で表現しましょうね。説得力がまるで違います。

ターゲット・ゴール(Target/Goal)

現状と目標の設定箇所です。いわゆる「Gap approach」と呼ばれる、問題解決のための典型的な作業になります。

  • 現状の具体的数値
  • その問題・課題解決に当たり、何をするのか? (いいことを増やすのか、悪いものを減らすのか、なくすのか…)
  • 定量的な測定基準
  • 達成される期日を設定

現状があり、目標がある。そこに当然「差=Gap」があり、それを埋めるのがこの問題・課題解決という作業になるはずです。

さらには、そこにあるべき姿、業界標準や会社標準というものがあるわけですから、そうしたものと比べても、納得のできるところまで到達することが求められますよね。

段階的になるかもしれませんが、「ここまでは」という成果がないと、やる意味自体が問われてしまいます。

もちろん定量的に測定できるものであることは、言うまでもありませんね。

真因分析(Cause Analysis)

問題になっている現状の「真因」を探します。いわゆる「なぜなぜ5回」という分析方法がここでは使われます。

トヨタの問題解決では、この真因到達をかなり重視します。以前も取り上げましたが、「真因」でない現象を解決したところで、しばらくすればまた同じような問題が発生してくるのは、目に見えていますからね。

ここでは、

  • 問題・課題発生のポイントにおいて、優先順位付けされた真因(とその分析)
  • 最も重要な原因の「なぜなぜ5回」
  • 因果関係を確認する(「なぜーなぜなら〔Why-Therefore〕」分析)

のような点にしっかり注目してください

また人的・時間的資源は限られていますから、「最も効きそうな要因に絞る」というのも賢い選択です。優先化には、「80 20 ルール」などを適用しましょう。

また「なぜ―なぜなら〔Why-Therefore〕」分析も、以前の「なぜなぜ」のところでお話ししました。なぜなぜと掘り下げた道筋に不安が残るなら、逆から「なぜなら、なぜなら…」と逆にたどってみることです。

論理がおかしいということは、なぜなぜ分析がおかしいということになります

いずれにせよ「現地現物」で、実際の真因を確認してください。この「現地現物」、トヨタ生産方式では、マストです。

解決策(Countermeasures)

真因が発見されたなら、解決策を考えるべきところに来ています。

  • 短期/長期の対策を検討する
  • 選ばれた理由を説明する
  • どのような措置をとるのか

場合によっては、短期・長期的に異なった対策が施される場合もあるでしょう。

また、みなさんのブレインストーミングで出てきた対策案の、「正当性」を説明できるようにしておいてください。

当然対策は、根本原因の排除/削減に対処する必要がありますが、そこに合理的な説明のないものは、危険な(迂闊な)選択になる可能性も高いです。

あるいはよくある、「解決策ありき」でProjectが進んでしまうことを防ぐ(ないしはそうでないことを証明する)目的もあります。

しっかりと、論理を示しましょう。

実行計画(Plan & Implementation)

Photo by Alvaro Reyes on Unsplash

アクションプランを明確にする項です。

  • それらは、どこでいつ実行されますか?
  • 実行の責任者は誰ですか?

解決策はさらに分解されて、小さなステップごとに管理されるかもしません。全体的なアクションプランを、このA3に書き込んでおき、それとは別に詳細な「ガントチャート」でアクションを管理するのもよいでしょう。

この「誰がいつまで」、という責任の部分も忘れずに。

対策案の選定・優先化には、以前もご紹介した「バリューグラフ」や、「Criteria matrixが効果を発揮します。

フォローアップ(Follow-up)

以前、「トヨタ・ビジネス・プラクティス(TBP)」をご紹介したときも申し上げましたが、ここで、Projectに対する評価を行います。

  • 計画の成功、または失敗をどのように評価したかを説明
  • プロセスをどのように標準化したか

トヨタのカイゼンでは、たとえうまくいた結果だったとしても、それが「なんとなくの成功」でないことが強く求められます。

成功したからといって、手放しに喜べないものであるかもしれません(費用対効果とか)。

ただただ成功したということを喜ばないのが、「Toyota way」です。改善に重要なのは「プロセス」。正しいプロセスと、望まれた結果が一体となっているからこそ、この改善は「ヨコテン」されていくのです。その価値があるものと認められるのです。

「トヨタ・ビジネス・プラクティス」では8あるステップの、わざわざ1ステップを割いて、この評価に充てています。

あなたのProjectを「ヨコテン」で受け取る側は、あなたのアイデアの「後工程=お客様」ですから、ここのプロセス、しっかりと吟味して、標準化する価値のあるものであることを証明していただきたいと思います。

「標準なくして改善なし」。故大野耐一さん曰く。

今後の課題(Future-action)

Photo by Sam Mgrdichian on Unsplash

いよいよ最後になりました。

今回の問題・課題解決はすべてのGapを解決しましたか?

おそらく、この課題に取り組んでいるうちにさらなる問題・課題が見えてきているのではないかと思います。

上流工程であったり、全体最適のための「真因」であったり。

それは全くおかしなことではありません、むしろ自然であり、皆さんがProjectと真摯に向き合った結果でもあるでしょう。

  • さらに改善するための「アイデア」をリストアップ
  • このProject中に発見された、「将来のProjectのアイデア」を一覧表示

改善活動は終わりがなく、それゆえトヨタでは、カタカナで「カイゼン」と呼ばれています(カイゼン=継続的改善活動)。

今回のPDCAは、時間や当初の設定上、ここまでとなってしまったかもしれませんが、もっともっと続けられることが、見えてきているのではないでしょうか。

そうした更なるカイゼンへの展望を、書き示しておきましょう。

愚直に続けていった小さなカイゼン活動、いずれは「イノベーション」と呼ばれるものになっていきます。

このProjectは、小さな一歩であったかもしれません。しなしながら継続することで、大きな躍進にすることも可能です。

その可能性は、チームの皆さんの、今後の活動にかかっていますよ!

まとめ

いかがでしたでしょうか? 今回は「問題・課題解決型A3」の書き方でした。

気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、このタイプのA3は「トヨタ・ビジネス・プラクティス」の中にも見られる「PDCA」に沿う形になっています。

課題・問題解決というのはこの大小さまざまなPDCAをくるくる回していくことです。

先にも書きましたが、小さなステップであっても、継続することでいずれ大きな成果を生んでいきます。

ぜひ続けていってほしいなと思います。

それから、大事なことなのでもう一度書きますが、「解決策ありき」で問題解決に走らないように注意してくださいね。

必ず、論路的な道筋をたどって、「最も効きそうな要因」や「根本原因」を探り出してから解決策の設定に取り掛かることです。私の経験上、「解決策」から入る活動の、失敗率の高さというのは半端ないです。

ということで、今日も読んでいただきましてありがとうござました。

実りある問題・課題解決にしてください。ではまた!

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