AI時代に生き残れる人材とは!?
To survive in the AI era for middle-aged and senior person.
皆さんこんにちは。目指せ中高年のAIの星、Kusunoko-CIです。以前、これからは少しAIの話題を取り上げることにすると宣言しました。その言葉通り、今回は第2回ということで、「中高年向け、AI時代に生き残これる人材とは!?」と題しまして、我々の世代が何をどうすれば、この「人生100年時代」を生き続けていけるか、少し考えてみたいと思います。
AIに奪われる仕事・奪われない仕事
これはもう皆さんもどこかで目にされたことがあるかもそれませんが、もともとのネタは、オックスフォード大学でAIなどの研究をしているマイケル・A・オズボーンさんという方のお話です。これももう2014年には発表された論文なんですね。今2020年になりましたが、どうでしょうか? すでに消えた仕事もあるのかしら?
とりあえずマイケルさんは以下の論文で、702の職業を調べた結果を、コンピューターに置き換えられなさそうな順番でリスト化しています。
ちなみに一番置き換えられなさそう仕事の予測としては「レクリエーション・セラピスト」って書いてますね。これ何の仕事なんでしょうね?
初めて聞く職業なんでちょっと調べてみたんですけど、出てくるのは、この論文がらみの記事のみですね。唯一、なんか資格系のサイトもありますが、そこでもはっきり「レクリエーション・セラピスト」とは書いてない。
ちょっと気になったんで、英語のサイトも調べてみました。
で、ヒットしたのが「CollegeGrad」という学生向け仕事探しのアドバイスをしているサイトです。以下そこからの抜粋です。
すること:レクリエーション・セラピストは、障害、怪我、または病気の人々のためのレクリエーションベースの治療プログラムを計画し、指示し、調整します。
作業環境:病院、養護施設、政府の公園、レクリエーション部門など、さまざまな環境で働いています。 ほとんどのセラピストはフルタイムで働いています。
なり方:レクリエーション・セラピストには通常、学士号が必要です。 多くの雇用主は、セラピストの認定が必要です。
給与:年間平均賃金は47,860ドル。
だいたい平均年収500万くらいのフルタイムの仕事ということで、日本で言うと作業療法士さんに近いのかなと思います。で、たぶんレクリエーションに特化した感じなんでしょうね。じゃ作業療法士さんもきっと安泰だ。と思ったら、日本版の消えゆく職業リストにはしっかり入っている。Ohhh.
AIに奪われる仕事 日本の場合
で、この研究を受ける形で、2015年、野村総研も研究結果を発表しています。より日本の実情を反映した結果になっているんでしょうね。「日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に」というタイトルがついてます。10年から20年後の予測だそうです。ということは2025年から2035年。今から5年後には、という話ですよ、みなさん。
ちなみにこちらは順位ではなくて、「100の職業」というリスト。一部抜粋してみますか。
面白いところでは、「声楽家」とか「漫画家」なんてのも入ってます。無くなるのか・・・。
それから先にも言った作業療法士・理学療法士も。ついでに医者系結構多いですね。
結論としては、「創造性、協調性が必要な業務や、非定型な業務は、将来においても人が担う」ということで、
「芸術、歴史学・考古学、哲学・神学など抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業、他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業は、人工知能等での代替は難しい傾向があります。一方、必ずしも特別の知識・スキルが求められない職業に加え、データの分析や秩序的・体系的操作が求められる職業については、人工知能等で代替できる可能性が高い傾向が確認できました。」(強調Kusunoko-CI)
とのこと。
とりあえずリストに入っている仕事についている方、あるいはまさにつこうとしている方は、一考が必要なのは言うまでもないですね。ちょっと酷な言い方かもしれないけど、これも時代の流れです。
社会構造の変化と仕事
社会構造が変化するとき失われる職業が出てくるのは、歴史が証明しています。
例えばタイピスト。タイピングがまだ特殊な作業であった時代、こういう職業があったわけですが、もちろんワープロやらパソコンの台頭で必要のなくなった職業です。
それから日本で言うと「侍」。徳川幕府という軍事政権が崩壊したのち、その仕組みを支えていた侍は、まったく社会の中で無用の仕事になってしまいました。
今この「AI」(もどきと呼ぶべきか)が、
- 特別な知識・スキルを必要としない単純作業系、
- 大量のデータにアクセス・分析して判断する系、
こういう仕事は、AIがやってくれるようになる、と。
医者多いと書きましたが、ネットを調べてみると、結構否定的な意見は多いですね。「AIに命を預けられるのか」みたいな論調なんですが。
ただ、大量の医学論文を学習したIBMのワトソン君、すでに「診断が難しい60代の女性患者の白血病を10分ほどで見抜いて、東京大医科学研究所に適切な治療法を助言、女性の回復に貢献していた」(日本経済新聞2016年8月4日)なんて記事が出てましたよね。まだ記憶に新しいです。
このAI社会(実現に向けたハイスペックコンピューターの)台頭というのは、人類が絶対に避けて通れない道です。まるで石炭から石油へと必要な資源が変わっていった時のように。
残念ながら、この変化を止めることはできないし、消える職業は消えます。侍のように。
であれば、今から何ができるかを考えていくことの方が建設的ですよね。
サバイバル法
我々にできることは、AI(これもうめんどくさいんでそのまま)といかに協働できるかを目指すことですよね。
もちろん、あなたがまだ若いなら、一択です。「AIエンジニア」、目指してください。アメリカのシリコンバレーで、有名大学を卒業したAIエンジニアの初年度年収が今いくらか知ってますか?
3億円です。
もし、その中でもさらに優秀なら、5億円だそうですよ、今。
ARシステム株式会社のCEO雑賀端之耀さんがセミナーで言っておられました。
2030年までの日本でも40~80万人の規模で不足していく状況だそうです(経産省)。もはや幻の珍獣なみに高値で取引されていますから、ぜひ目指してください。
で、中高年の星としては、「ちょっとそれは今からでは・・・」という人にも希望を与えたい。ってか私も自分のことですからね。
自分をアップデートする
できることは、せめて時代の流れに置いて行かれないために、情報に敏感になって学び続けていくことです。日進月歩どころの話ではないです。これ「日に日に、絶えず進歩すること」という意味ですけど、その言葉がスローに感じられる勢いで進化してます。この領域。
なので相当努力しないといけませんが、これは人生が100年になってしまった時代に生まれた、我々の宿命です。受け入れて私と一緒に頑張りましょう!
創造性・人と人とをつなぐ
もう一回、野村総研さんの「生き残れそうな」基準のおさらいですが、
抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業、他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業
これを念頭に置いて、今からできるキャリアDevelopment考えていきましょう。これは早ければ早いほどいい。今あるキャリア一本ではなくて、マルチにできる人間になる、かつ創造性がとわれる分野・人や心を扱う分野ならなお可という感じでしょうか。
横断性
で、これは私がAI(というかこの今のコンピューター)の特徴を調べていて、ちょっと思ったことなんですが。
今の「AI」というのは、要はある分野に特化したものであるわけですよね? 例えば大量のデータにアクセスして判断するとか。人間が絶対に勝てなくなったというAlpha goだって、先のAIワトソン君だって、その分野に関してはすごいかもしれないけど、行ってみればその分野だけなわけで。
ではいくつかのスキルを重ね合わせたような仕事というのは、どうなんだろうなと。できるのかな? という素朴な疑問です。その辺が、我々の目指さなくていけない方向性なのではと思うのでいくつかのスキルを重ね合わせたような仕事す。
例えばですよ、
- 持っている知識をどんどん抽象化していくことで、他の分野にも応用可能なことを見つけ出すような発想の変化力=創造力。つまり一つの事象を演繹的にひろげて一般化し、さらにそこから解を導き出すような能力。
- 全く異なる分野(例;仕事と趣味)を重ね合わせて、アイデアのスパークを促すような能力。創造性。
- 複数の要因を同じ議論の俎上に載せて、戦略的かつ総合的に判断する能力(3CとかSWOTはこれに当たるのでは)。
このように考えていくと、何が創造力なのか、ということの議論に発展していくわけですが、一つのガイドとして言えるのは、「全く異なった、関連性のない情報群の重ね合わせによるイノベーションができるかどうか」という能力になっていくのでは、と思うです。人間がここなら負けない、という部分になっていくと思います。いかがでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか。書いてて思いましたが、AI恐れるに足らず!ということです。たぶん。
ただ言えることは、一言でいえば「演繹的な思考ができるかどうか」というところに行きつくような気がしますね。
巷では、3種類の人間が生まれるだろうなんて予測されてます。1.AIを開発推進するAIエンジニア。2.AIと協働していく人たち。3.まったくAI時代に適応できない人たち。
今やっている仕事が何であれ、我々だって生き残っていかなくてはならない。
ひとつ「演繹化」して言えることは、「重ね合わせてください」ということです。重ね合わせは、いろんな意味で横断を生みます。これこそ彼ら(AI)にできない部分であると思いますので。AIプロデュース力。
Kusunoko-CI、今後もAI時代に必要な情報、わかりやすく発信していきます。ご期待ください!
中高年の生き残りをかけたこの領域。真剣に調べて、情報発信していきます(他人事ではない)。