会社の価値を判定しよう! 株式投資に「バリュエーション」 

Valuation

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皆さんこんにちは! 今日もどこかで改善サポート、Kusunoko-CIです。

なかなかコロナも収束しませんね。ってか完全に第2波です。

以前も書きましたが、この解決策は「人の動きを強制的に抑制すること」。今集団感染を引き起こしているのは、とても分かりやすい地域と産業、いわゆる「夜の街」です。そんなところに良識や自粛を求めても意味ない。

どこまで毅然とした対応ができるか。そうしないと本当にいくつかの産業、観光業とか死んでしまいますよ。もう限界なんじゃないかと思います。

さてそんな中、日経平均は2万2000円台で、もみ合いが続いています。経済復調への期待と、コロナ禍への不安が入り乱れた、なかなか予測のつかない市場。

一部では、「コロナバブル」という呼ばれ方もしているようですが、実態経済との乖離がすごい。ちょっと怖い。注意が必要な気はしますね。

バブル期は、実際の価値以上に株価が上がってしまうもの。いずれにせよ私たちがすべきことは、「価値ある企業」を探しだして、投資することです。

ではその「企業の価値」は、どうやって測ればいいのか?

そこで今回は、「知ってそうで知らなかった ほんとうの株のしくみ」、山口 揚平さんという方の書いた本からの情報です。

簡単に、ざっくりとした「企業の値段」がわかります。

企業の価値 計算方法

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なぜそうなるのかの細かな部分はすっ飛ばし、以下に山口さんの紹介している、「会社丸ごとの価値」計算方法をまずは書いてみましょう。

全部で4段階です。

会社の事業価値

①まずは会社の事業の価値。

営業利益3期分の平均(前期・今期・来期予想)×10倍

これがその会社が、事業で稼ぐであろう力=事業価値。

会社の財産価値

②は会社が持ってる財産の価値。

流動資産 -(流動負債×1.2倍)+ 投資その他の資産

簡単異言うと、お金をどのくらい持っているのか、という部分。その会社の財産に関する価値。

ちなみに流動負債は、1年以内に返さないいけない借金のことです。

会社丸ごとの価値

そして、① + ②を足したものから、固定負債を引きます。

① + ②-固定負債 … ③

これがその会社丸ごとの価値(金額)になります。現在その企業が持ってる価値を、「まるっと」把握することができます。

ちなみに固定負債は長期の借金、1年以内の短期ではないけど、返さなきゃいけない借金。社債とか、従業員の退職給付引当金なんかが、こちらの勘定科目。

「発行済み株式数」で割る

この③を、その会社の発行済み株式数で割って、1株当たりどのくらいの「価値(¥)」を持っているかを測ります。

そしてこの、出てきた数字(円/1株)と現在の株価とを比べてみて、2倍以上になる会社を投資対象候補としていく。

これが企業の価値を考慮に入れた、投資対象の判定方法になります。

バリュエーションという考え方

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この「知ってそうで知らなかった ほんとうの株のしくみ」の中で山口さんは、

「株式投資とは企業の本質価値を見抜き、割安な価格で株を買うこと」

と説明してくれています。

山口さんは、「Variation Matrix」という企業価値を判定する会社を運営されておりまして、もともとはM&A(企業買収)をやってらっしゃったのですね。

このM&A、会社を丸ごと買ったり売ったりするわけですから、その価格の算定というのはかなり重要なプロセスになります。

なので、こうした企業価値を見極めようとする理論であったり、計算法があったりするのですが、こうした評価の手法を、バリュエーション(Valuation)といいます。

ただし、こちらの本で紹介されている上記の計算方法は、かなり簡素化された、逆に言えば多少精度も落ちたもの

ただ簡単なんです。慣れれば1企業、5分くらいでできます。

我々のような、片手間に投資したい人間には、かなり有用な方法ですよね。専門家のようには、時間を使えないですから。

基本的には、ファイナンスの分野で使われる企業価値算定の方法ですから、ざっくり企業の現在価値というものを知る上では、この簡易版特に問題はない(はず)。

もちろん、この方法だけで会社の価値のすべてが判定できるわけではないですが、おおよその目安がある、というのはとても心強いです。

山口さんも、「もしこの算定方法では判別できず、更に詳細な計算が必要になるなら、そもそもその会社は投資に適していないのでは」と述べられております。

いずれにせよ今までは、「なんとなく」株価が高いか安いかで判断していた投資活動に、その会社の価値に対する、1つの定量的な判断基準が加わるわけです。

その会社の「価値(適正価格)」がきちんとわかっていれば、相場の短期的な動きに惑わされて、「狼狽売り」とか「高値掴み」なんてこともしなくなるはずですね。

トヨタ自動車の例

そんなわけでおなじみの、「7203トヨタ自動車」で、この企業価値がどうなるのか見てみたいと思います。

まずは、四季報Onlineに行きます。営業利益の確認ですね。

本では前期、今期、来期予想の3期平均といわれてますが、私は一応のこのように、可能な限り利用可能なデータで平均出してます。少しは精度が上がるかな、と。

四季報Onlineより

そしたら次は、以前もご紹介した「EDINET」という金融庁のサイトに行って、「有価証券報告書」の確認。

使うのは、黄色くマーカーの入った数字です(これは「資産の部」のみキャプチャしてます)。

EDINETより「有価証券報告書」

あとは、Yahooファイナンスのページで発行済株式数をゲットして。

Yahooファイナンスより

こんなふうにエクセルで作っておけば、ひょいひょいと計算できます。

マクロも組んじゃった

ということで、トヨタの場合は、今日の株価だと「0.80倍」となっていますので、企業価値に対しては、「株価は割高」ということになりますね。

この数字が2以上なら、投資候補

ちなみに、有価証券報告書は、会社規模によって、桁が「百万」だったり、「千円」だったりしますんで、そこだけ注意して計算しましょう。意味の分からない数字が出てきて、うろたえること数回。

「百万」か「千」か、気をつけましょう。

今のところ、スクリーニングであたりを付けた30社くらい、この計算方法を試してみました。

しかしながら「会社丸ごとの価値が、株価の2倍以上」という会社が、ほぼない。30社やって今のところようやく2社のみ。

そのうち1社は、将来性という意味では、ちょっと「?」。

とは言えそもそもの目的が、「企業価値があるにもかかわらず、正当に評価されず、株価が安いままで放置されている会社」を見つけることにあるわけですから、そんなに簡単には見つからないですよね。

ということで、結構面白いんで続けてみようと思います。

将来の「テンバガー」を、見つけちゃうかもしれませんしね(笑)。

ちなみに山口さん曰く、「丸ごと買おうと思えない会社なら、そもそも投資するべきではない」とのこと。

うーん、行き当たりばったりで株買ってました。ここが一番勉強になったかも。

まとめ

そんなわけで今回は、「知ってそうで知らなかった ほんとうの株のしくみ」という本から、企業価値算定の「バリュエーション(もどき?)」のご紹介でした。

株式投資の初歩における、エッセンスを掴むにはかなりいい本ではないかと思いました。

ちょっと古い本(2013年)ですが、株初心者は必読です。私がすっとばした「なぜそうなるのかの細かな部分」が気になる方は、ぜひ本書を読んでみてくださいね。

ちなみにKindle unlimited対象商品ですから、お得ですよ。

それから以前ご紹介した、「PER」や「PBR」という指標も、広い意味ではこうした「バリュエーション」の一部です。

いろいろと、「合わせ技」で使っていくといいのでしょうね。

皆さんも、こうした定量的な方法を覚えて、行き当たりばったり株投資を卒業しましょう!

今日も読んでいただきまして、ありがとうございました。

ではまた!

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