水平展開(ヨコテン)のやり方 海外事例

How to do Yokoten.

皆さんこんにちは。今日も一日お疲れ様です。

今まで何度か、改善の方法や、ワークショップの内容、はてはプレゼンのやり方までいろいろ語ってまいりました。

そこで今回は、改善した後どうするの? というポイントについて少しお話ししたいと思います。すなわち水平展開とかヨコテン(横展)と呼ばれるものです。そのやり方のご紹介。

水平展開・ヨコテン 英語で

これいろいろな訳語があるのですが、特に正解はないです。

トヨタではそのまま「Yokoten」と日本語を使っても通じました。

おそらく改善活動やLeanというものを導入して長い会社なら、これでも通じるでしょうね。そうでなければ、中身から説明しないといけないわけですけれども、私は;

To share the improved result to others.

And we must copy it, modify it and apply to our working place, so that we don’t need to start it from the scratch.

などと言って、言葉の中身を説明して、それを「Yokoten」というんだよ、と言っています。

訳すと

「あなたが改善した結果を、ほかの部署にも広めないといけないですよ。

で、ほかの部署やラインの人も、コピーして(そのままは使えないから)、微調整して、そして自分たちの仕事場に適用させていってください。

そうすれば、工場のみんなが同じ問題を、また0からやらなくてもよくなるでしょ?」

という感じです。

辞書なんかだと、Horizontal deploymentとか言ったり。

でも気を付けてくださいね、言葉が訳されているからと言って、必ずしも伝わっているわけではないですから。

なので私はあえて日本語のままの言葉(Yokotenとか)で「?」とか思わせておいてから、説明して理解してもらうようにしてます。Hookという考え方ですね。

水平展開・ヨコテン 失敗例

とはいえ、言うほど簡単ではないです。

改善やって何が一番大変かって、その結果の維持(Sustainability)ですからね。

ぶっちゃけ、改善するだけならそんなに難しくはないです。

問題点を見つけて、思いついたことをやって、時間が短くなったとか、品質が良くなったとか、まぁやった分だけ成果も出れば楽しいですし。

ところが、この良くなったものを維持して、そして更なるカイゼンに繋げるというのが一筋縄ではいかないんですよ。

この現場改善自体は、現場の責任者の方の権限でやれることも多々あります。ただし、それもえらい人たちの興味や意識が向いていなければ、維持というのは難しい。

まして、ライン一つの改善を、他のラインへなんていうのは、現場の班長さんくらいの職位の人にはなかなかできません。

やはりそこは、部門の責任者やら工場長やらが責任をもってやっていかないといけないです。

これが海外になると本当に難しくなります。

マネジメントが、「改善というのは現場でやらせておけばいいもんだ」とかいう考え方でいたりしますからね。

こういう考えだと十中八九、維持されませんし、ヨコテンなんてとてもとても。

加えて、現場は現場で、秘密主義だったりしますから(笑)。

海外は、とあんまり一括りで言うのもよくはないんですけども、あんまり会社に対するLoyaltyとか持ってないですし。いつクビになるのか、という不安の抱え方も大きいように見えます。

で、皆さん何をするかというと、自分のやってること(成果)は、基本的に自分のもの。そうすれば仕事がBlack Boxに入りますよね? ということは、「彼に聞かないと仕事が回らない」みたいな、ひいては「彼はとても必要な人間だ」と思ってもらえて、「職も安泰」という考え方のようです。

このへん、以前お話ししたサイロ・メンタリティにもつながってくるんですけども。

ほんとに難しいですね。

なので、いずれにせよ、この維持やらヨコテンやらというのも、工場や企業全体の文化や考え方にまで発展します。

なので、「トヨタ生産方式は、経営哲学だ」という話になってきますよね。

水平展開・ヨコテンの目的

 

なぜヨコテンするのか、というとても根本的なお話しですけれども、私は以下のような文章をよく使って説明してます。

“A 100 1 % improvement from everyone everyday everywhere, rather than one 100% leap forward”.

「一人が100メートル進むのではなく、全員が全員1メートル進むことで100メートルの進化を生む組織にしよう」。

トヨタにはこういう考え方があって、会社全体の強さの原点がここにありますね。

以前も何回かお話しした、「車輪を再発明するな」とか「チームの努力を無駄にしない」とか。

愚直に、少しずつ、当たり前のことをやり続けるということの重要さを物語っていると感じますね。

ヨコテン目的は、もうこれに集約されると思います。

水平展開・ヨコテンのやり方

さて、このヨコテンのやり方なんですが、以下のような流れになります。

00.ラインないしは部署で、改善がなされる。

1.仮に作った作業のやり方を標準化する

2.管理方法・ポカヨケなども組み込んで、標準作業票などに文書化

3.周知徹底(関係部署参加の発表会でプレゼン、改善Projectのアーカイブ化、情報の垂直・水平展開)

4.ヨコテンアクションプランの設定

5.新しいやり方のトレーニング

6.実際の運用と微調整(Trial and Error)

7.現地現物にて新しやり方が実施されているか確認

ざっくり言うとこんな感じです。

これ見ていくと、以前ご紹介したChange management のADKARモデルに酷似していることに気づくはずです。

仕組みややり方が変わり、2番の標準作業としての確率までが、いわゆるアクションとしての改善ではありますが、3,4,5抜きにしては維持もヨコテンも絶対かないません。

そして、なじませるまでの期間も見つつ、最後に責任者・マネジメントのReinforcement(強化フォローアップ)というのが欠かせません。

カイゼンや変化になじんだ職場なら、労力や期間を少なくすることは可能でしょうが、そうでないなら結構たいへん。

コツは結局のところ、マネジメントの意識の問題と、私は感じていますね。

まとめ

そんなわけで今回は、水平展開(ヨコテン)のやり方についてでした。

いろんなところで、AIやIoTなどを使ったオートメーションや自動化(自働化ではない)、改善に使える仕組み提案ということが言われてますが、結局のところは「人」です。

人が育っていかないと、カイゼンはできません。「モノづくりはひとづくり」というやつですね。モノづくりだけではないでしょうけども。

つねに変化し続けられるものだけが、生き残っていけるというのが進化論です。

Comfort zoneからでる訓練をしていきましょう!

今日も読んでいただきまして、ありがとうございました。

体調に気を付けてお過ごしください。では!

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