生産性を上げるとき、あなたが行き当たる問題とは?

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皆さんこんにちは! 今日もどこかでカイゼンサポート、Kusunoko-CIです。

さて以前にも、生産性を上げるためのエントリーをアップしましたが、今回もこの話題です。

流れ化」とか「一個流し」というのは聞いたことがあるけれど、具体的にどうしていいのかわからない、ということも多いのではないでしょうか。

そこでまずは、よくある改善絡みの「労使のフラストレーション」の原因を探りつつ、生産性向上の方向性、そのうえで考えられる問題と解決の糸口を説明してみました。

こちらを読んでいただければ、カイゼン導入に必要な心構えが手に入ります。始めてみてから、予期せぬ問題に、頭を抱えるということはなくなるはずですよ!

労使の対立構造

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生産性を上げるためには一個流し、流れで作ることが不可欠です。

バッチで生産している限りは、高い生産性は決して見込めません。以前も一個流しの重要性はご説明しましたが、こちらのYou tubeビデオもとても分かりやすいので、ぜひ見てみてください。

リードタイムが断然違うことが、ご理解いただけると思います。

ところでこのバッチ生産のデメリットですが、リードタイムが長いこと、仕掛が大量発生していることに加え、実は以下のような悪循環も生み出しています。

  1. バッチ生産で、工程ごとに作るもの・やることはわかっているものの、標準作業がない(標準時間がない)ので時間は読めない(作業者まかせ・長LT)
  2. 物理的見通しも悪く、標準もないため作業者さんが何をしているかもよくわからない、品質問題も追えない(誰がいつどれを作ったのかわからない)
  3. ムダな作業に埋もれて、作業者さんは忙しくみえてしまう、あるいは実際忙しい(ムダに追い回されている)
  4. ゆえにムダなコストが発生する(人件費、品質問題、仕掛りなど)
  5. マネジメントは、なぜコストがかかっているのかの明確な理屈がわからず、フラストレーションがたまる
  6. そしてマネジメントは不信感から、コスト削減を現場に迫る
  7. 現場はマネジメントからの厳しい追及を受け、仕方なく「改善」を始める
  8. 明確な方向性のない「改善」活動なので、定着しない場当たり的なものになる
  9. 忙しい中「改善」したのに思ったような結果が出ず、労使双方に不満がたまる
  10. また1のような状態に戻る

いかがでしょうか? こういう経験はございませんか? これでは労使ともにハッピーになれないですよね。

耳が痛いようですが、これは基本的に経営層・マネジメントの責任です。

当たり前の話ですが、仕事と言いうのは上からの指示で動くものです。何をどうやってやるのかの具体的な指針がなければ、現場は混乱するだけですし、なにより「目的地」に到達することはできません。

コストで頭が痛いのはわかります。早急に何とかしたいですよね。

しかしながら、だからこそ順序だててしっかり原因を把握し、問題を潰していかなくてはいけません。

これが1950年、60年代なら、場当たり的であったとしても理解できます。何せ手法が確立していないですからね。

しかし今では、トヨタを含む多くの企業が、生産性を上げるための様々な方法を世に示してくれています。

マネジメントはそれを正しく理解し、あるべき姿・やるべきことを現場に伝えていかなくてはいけません。その一つが「流れで作る」ということになるでしょう。

流れ

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まずはとにかく「流れ」で作ることです。

工程を機能ごとにまとめるのではなく、プロセスに応じて配置しなおします。そしてバッチ生産をやめる努力をする。

そして仕事の原単位を把握することです。

以下の質問に答えてみてください

  • 今作っている工程は、いくつの要素作業で成り立っていますか?
  • 1つ1つの要素作業の、目安となる時間を持っていますか?

これらが分かれば、その製品を作るのに必要なトータルのリードタイムも把握できます。お客様からの要求数を使ったタクトタイムでそれを割れば、工程に必要な人数というのは把握できます。

要素作業はリストのような形で作る順番に並んでいるはずですから、これを各工程がタクト内に収まるように振り分ければいいのです。いわゆる山積みチャートが出来上がります。

機械はどうしても処理にかかる時間がありますから、これは分割できません。

  • 人を張り付けずに済むよう自働化し、標準作業組合せ票で人と機械の最適な作業シークエンスを考える
  • テストなど処理に時間がかかるものは、複数台導入も検討し、ドロップ オフ レイト(DOR、ピッチタイム)がタクト内に収まるようにする

という作業が必要になります。

問題は金の卵

以上のようなことを推進しようとすると、いろいろと壁にぶち当たるはずです。

しかしそれこそがいわゆる「カイゼン」活動の真髄

問題は金の卵。だから積極的に発見して解決し続けなくてはいけない」という考え方です。

「うちは業種が違うから」と初めからできないと決めつけるのではなく、自分たちの業種・工場でできる生産方式はないかを考えることです。

TPS(トヨタ生産方式)だって、初めからあるべき姿がわかってやっていたわけではないのです。有名な大野耐一さんも、「うまくいくかどうかわからない、すべてが手探りの状態でやっておった」と著書の中で述懐しておられました。

「良いものをいかに安く作るか」、これがTPS(トヨタ生産方式)の骨子です。

先ほども申し上げましたが、今では全くのゼロから生産方式を立ち上げるということはないはず。

世の中にある、ありとあらゆる事例からヒントをもらいながら、少しずつ自分たちの現場にあう形に調整して導入していくことです。

カイゼンは、こうした広い視野と、柔軟な思考、そして実行力が問われます。まずはやってみましょう。アクションがなければ何も変わりません。

頭柔らかくして、まずはトライです。

お客様需要の変動

需要変動はあって当たり前

ぶち当たる問題の大きなものの一つが、この需要変動

お客様の需要が変動して1か月ごとのプランが立てられないなら、そこにカイゼンの芽があります。

  • お客様との交渉は可能か
  • 全てを受注生産にするのではなく、完成品在庫や半完成品在庫の製品を持つことは可能か
  • プランニングを最短で、かつ効率的に行う手順や仕組みはあるか
  • 平準化しているか

こうした点が機会として見つかるのではないでしょうか。

暫定的であるにせよ半完成品・完成品を持つというのも一つの手です。当然これは仕掛かりや在庫を抱えるということも意味しますが、何事も一足飛びに解決することはできません。

少しずつカイゼンしながら、あるべき姿に到達しましょう。

スタート当初は現実的であるべきです。

部品・資材供給

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素晴らしい工程があっても、モノの供給が滞っては、製造は成り立ちませんね。いわゆるサプライチェーンにおける問題というのも、多々発見されるでしょう。

  • 在庫管理は適切か(必要なものが、必要な量あることが正確か)
  • 在庫が「見える」仕組みがあるか
  • 発注から納品までのリードタイムは把握できているか
  • 発注頻度は
  • 製造予定と供給(在庫)がリンクした体制になっているか
  • 供給元を巻き込んで、納品をジャストインタイムにする仕組み構築は可能か
  • 不測の事態に備える案はあるか

安易に安心在庫を抱えてくという方法はとらないことです。これは本当に会社のキャッシュを壊滅的な状態にします。

だいたい儲からない会社というのは、ムダな在庫を抱えているものです。

平準化ができていれば、日に必要な部分材料の種類と数が把握できます。もっと言えば時間ごとに必要なものもです。

それが滞ることなく供給されるために、構築すべき仕組みは何でしょうか? 簡単ではないでしょうが、ここを解決しない限りは、「流れ」で物を作ることはできません

TPSではここで「カンバン」という仕組みが生まれました。ただしそれも平準化あっての代物です。

決して「カンバンを導入すれば、万事うまくいく」とは思わないこと。基盤がないままの導入は、悲惨な結果しか生みませんので要注意です。

そしてラインのカイゼン

このように適切なプランと、しっかりした供給があって、現場というのはものづくりとカイゼン活動を進めていけるのです。

上記のような基盤をおろそかにして、「改善だ!」と号令をかけても、実のある活動にはなりません。むしろ悪影響の方が大きい。労使共にフラストレーションですね。

一般に、工程でできるカイゼンは全体の15%、残りの85%は上流工程で準備・整備・カイゼンされておかなくてはならないと言われています。

モノがないならラインを止めましょう。そしてなぜ止まったのかを考え、直ちに改善していくことです。

それを愚直に繰り返していくこと。

以前お伺いした日立の工場でも、「工程に問題があるように見えるとき、大半はその周りに原因がある」と仰っていました。

TPSでいう、「ムリ・ムラ・ムダを省く」というのは、製造の振れ幅(ムリ・ムラ)を極力なくしてあげることで、現場におけるムダを取り除き、いわゆる「Lean」な生産ラインにしていくことなのです。

まず注目すべきは、上流が引き起こす「ムリ・ムラ」。

現場だけがカイゼンするのではないのです。むしろ上流がどうあるべきかが問われているのです。ここを間違えてらっしゃる経営層の方、結構多いと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は「生産性を上げるとき、あなたが行き当たる問題とは?」と題しまして、カイゼン導入に必要な心構えをご説明いたしました。

結局のところ、上から下まで「全社一丸」でなければいけないわけですね。チームワークです。カイゼン活動におけるチーム活動の本質は、「他人がやった努力をムダにしないこと」。

生産現場は日々付加価値をつけてくれています。その努力をより効率的にするのが、カイゼンの目的であり、現場を支える部署の役目です。

いきなり流れ化は難しいかもしれませんが、できるところから流れで作ることを意識してみてください。

流れが止まるのは、流れを止める原因があるから。けっして勝手に止まっているわけではないことを理解しましょう。

「生産性を上げるとき、あなたが行き当たる問題とは」、カイゼンを深めるための金の卵です。

今日も読んでいただきましてありがとうございました。

ではまた!

講演のDVDもついていて、これはかなりお得です。読みづらいけど(笑)

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