生産性をあげるのも難しいことではない
Productivity improvement.
皆さんこんにちは。マッサージのもみ返しに悩まされるKusunoko-CIです。ちょっと、足と背中で2時間は欲張りすぎました。
もみ返しが辛いときは、
- お風呂はやめておく、
- アルコールもとらない(肝機能に筋肉修復に集中してもらう)
- 運動はもちろんしない
- あまり食べない
- 和食系のもので身体をいたわる
ということが必要のようです。指圧師の北谷 太紀さんという方の記事が出ていました。ご参考まで。風邪ひいたかと思いました。しんどくて。
さて今回は、まだまだ改善Projectサポート真っただ中、ざっくり改善ってどうやるのかを書いて、皆さんの改善活動に役立ててもらいたいなと思います。生産性編です。
生産性のProject
今回お手伝いしているProjects、品質だったり生産性だったりしますが、今回は生産性のほうから。
要はお客様のデマンドを達成できるだけの、ラインの力がないということです。
なのでこの時必要になるのが、タクトタイムです。
稼働する時間÷お客様の要求数=タクトタイム
でしたね。
この時、稼働する時間は、例えば休憩とか、必ずやってるミーティングとかメンテとかそういうのは引いてください。純粋に仕事場が生産のために使える時間。これを使います。
お客様の要求数はいつまでの何個というのがあるでしょうから、それを月で、週で、あるいは日当たりで割ります。その期間内に何個生産しなといけないのか。
こうして、一個と作るのにあたり何時間、何分、あるいは何秒必要なのかがわかります。
タクトは、一個と作るのに必要な時間を把握するための、概念的な数字です。なので、その生産に従事する人すべての作業がタクトより短くないいけないですね。この生産に使う時間を、サイクルタイムと言います。
サイクルタイムは実測値です。今はスマホかなんかで、作業のビデオ撮れば、すぐにわかります。
今回のProjectでもこのサイクルタイムが、ながーいラインの各所でタクトを超えちゃっている。そこをなんとかしなといけないわけです。
まずはムダをとってしまうこと。なので、ライン全体を数字でもって測って見て、どこがボトルネックになっているか探さないといけないですね。
そこで有効になるのが、いわゆるVSMとか情報とプロセスの流れ図だったりするんですが、まずはおおざっぱでもいいので、プロセスフローを書いちゃいましょう。
よく見ていて感じるのは、みなさん「正しいVSMの書き方」とかにこだわってしまいすぎる点です。書き方、データボックスに書きいれる必要な情報の種類、用語など。
これは改善するためのツールなので、これがきれいに書けても改善がうまくいくわけではないですよね? 音楽理論知ってるからって、いい曲が作れるわけではないのと一緒です。
なのでぶっちゃけ、どこが問題かわかればいいし、見えればいい。現状が、タクトに対していいのか、悪いのか。悪いのならどれだけ悪いのか。
もし今回は必要ないなら、いくつかの情報をすっ飛ばしてしまったて構わないと思います。
大事なことはアクションです。
ムダどり
トヨタの大野耐一さんが言ったといわれる7つのムダ。いまは8つとか言われてますが。
これだって探せば少なくとも7つは見つけられるという話で、皆さんの活動を制限するものではない。
なんであれ、付加価値をつけていない作業は、探し出して取り除く、あるいは取り除けるような施策を考えて実行しましょう。
正直この作業だけで、ずいぶん生産性は上がるものです。以前私がお手伝いした車のサービスの案件でも、40%くらいが無駄な作業で、それを取り除いてずいぶん時間が短くなったことがありました。作業者さんの技術的な面なんか、一切触れなかったんですけどね。
現状時間のかかっている作業というのは、なんかしら理由がある。まず最初はムダを疑ってみること。
待ち時間があるなら、なんで待ち時間があるのか考える。そして取り除く。
そうやって、作業者さんのやっている作業が、付加価値を生む作業だけの塊にしていくことが大事です。
ライン・バランシング(line balancing)
このようにして、それぞれの作業サイクルタイムから、不必要な時間というものを取り除いていきます。
そうすると今、作業者さんタスクは、すべて付加価値を生む(必要なムダ、たとえばお客様が求めてるとかというのもありますが)ものだけになりました。
そこで初めて、私たちはラインのバランスを考えていけます。
例えば工程3さんの作業が若干タクトタイム(赤ライン)を超えているので、工程2さんや4さんに、振り分けられるものがないか考えてみるといいでしょう。可能であれば振り替えてしまう。そうすることによって、全体の作業が最適化していく=すべての作業がタクト内で生産を行えるようになっていくわけです。
まちがっても、このラインバランシングを、ムダ取りする前にやらないこと。単純に意味ないですから。
全体像(マッピング)→ データ書きいれ(現状把握)→ ムダ取り(5S)→ ラインバランシング
こういう順番ですね。
何人必要なの?
これは計算で出ます。
たとえば、今タクトタイムが8.2分/個だったとします。で、サイクルタイムが実測平均で60分かかっているとしましょう。そうすると必要な人数は7.3人なんで8人ということになりますね。
で例えばこれ、改善の結果サイクルタイム3分縮めたら、人数は7人になるので、一人違うお仕事に回ってもらえます。
こういうふうに
- まずは改善の結果、ムダがない作業であり、
- 計算上タクトという目標値があって、
- サイクルタイムと目標値の関係性から、これだけの人数が必要
と言えたら、マネジメントやお客さんとの交渉がだいぶ違ってきますよね。
科学的になる。説得もしやすい。
ここで、一つヒントなんですが、ラインやそのプロセスから一人抜くなら、優秀な人を抜いてもっと高いレベルの仕事をしてもらうといいですよ。改善がモチベ―ションにもつながります。
逆に絶対やってはいけないのが、人を切ることに使うこと。言うまでもないですけど、そんなん誰も改善しなくなりますし、すぐに優秀な人から辞めていきますからね。
標準作業
生産性を上げるということは、上記のようなことを絶え間なくやっていくことであります。
ちなみに、作業者間で、作業時間にばらつきがあるというのも。生産性には大きな要因になってきまます。
これも、ビデオなどで作業ごと要素に分解して、一つ一つの作業を比較していきます。
例えば一番早い方と遅い方で、どういう違いがあるのか。それは工夫や用具で解消可能であることも多いです。もちろん技術もありますが。
我流なんかでやっていて、標準作業をしていない(あるいは忘れてしまっている)ということもあります。
ちなみに標準3票の「標準作業票」というのも、要はこうして決めた標準作業とと、作業者さんの作業比較が瞬時にできるようにすることが目的です。今はデジタルでできそうですけども。
必ず標準作業を決め、みんながそれに従って仕事ができているということが、とても重要です。ラインリーダーさんが標準作業票をつくり、日々現場で確認することも、大きな責任になってきます。標準がないと改善できないという言葉も、このあたりに起因します。
シックスシグマでは、いかにばらつきを抑えて、目指すターゲットを射抜くかということが目標となりますが、作業者さんの技量のばらつきというのも、もちろん減らしていかなくてはいきません。
標準をまずは決めて、そしてどんどん改善していくことが必要です。
ちなみにリードタイムの短縮は、収益性を追うことがメインですから、そこくれぐれも間違えないようにしてくださいね。
まとめ
こうして読んでくると、なんか普通の当り前の事しかしてないように見えるかもしれませんね。
でもこの当たり前とのことを当たり前にやるというのが、結構難しかったりするんです。なのでカイゼンおじさんが必要になってくるんです。
あとはこれに生産管理板を作って、Visual controlをすることです。時間当たりこの作業場では何台作る必要があって、現状いいのか悪いのか。達してないならすぐにでも手を打つ。一日の終わりとか、週でとかじゃなく「今」手を打つ。
こうすることで、改善のサイクルがどんどん回っていくことになります。いつもそこで目標より遅れるということは、そこに改善の種があるということですしね。
我々カイゼンおじさんは現場の方の給料をピンはねしながら、ご飯食べてます。いかに現場のみなさんの額の汗水を減らしていけるかが、我々の存在意義になります。
では!