しつこい品質問題への対処法

皆さんこんにちは! 今日もどこかでカイゼンサポート、Kusunoko-CIです。

さて現地現物ができない中、リモートで海外の現場改善サポートに四苦八苦している最近です。

先日もアジア某国の工場の大掛かりなワークショップをお手伝いいたしまして、多くのプロジェクトが成功をおさめました。

ほとんどがその後のフォローアップで、改善結果を維持継続出来ていたのに対して、ただ一つ、「品質問題」を扱っていたチームがうまく結果を出せていません。

工程一覧表を使ってもらい、管理図などで結果を見ていたのですが、どうも芳しくない。率直に言って改善策がうまくいってないのです。

そんなわけで、今回は「しつこい品質問題への対処法」をまとめてみました。

品質問題への対処

Photo by Patrick Bellot on Unsplash

品質不良は、4M(機械、人、設備、方法)のすべてが完璧になっていない限り発生します。

不良が発見されたということは、どこかの工程でこれら4Mのうちの何かがきちんと機能していないことを示しています。当然複数かもしれませんね。

現状私たちは残念ながら、チームの皆さんと一緒に現場に行くことはかないませんので、とにかく現地現物をして現場をじっくり観察するよう指導します。

その際もう一度、特性要因図(Fishbone diagram)を書いてもらって、先の4Mで何が要素として考えられるのか、徹底して洗い出しをするようお願いしました。

チームの皆さんの努力により、どこの工程で問題が派生しているのかまでは、掴むことが出来ています。

またデータ上、夜間のシフトで問題が多数発生していることもわかりました。

まずは基本に立ち戻り、しっかりと潜在的な要因、Yという結果に影響を与えるx要因を可能な限りすべて書きだして、その後現場で実際に何が起きているのかを、自分たちの目で確認しなくてはいけません。

とにかく現場に行ってじっくり観察して欲しい旨、強くお願いしました。

データと対策の見える化

今回の不良問題はかなり根深く、工場にとっても頭の痛い問題になっていますから、なにか特別な措置を取らないと行けません。

次にやるべきことは、その品質問題のデータと行動を見える形にすることです。

もちろん管理図による異常管理のやり方は指導済みですが、今回のように特定の工程で、特定の不良がしつこく発生しているようなケースでは、下のようなより詳細な見える化ツールも役に立ちそうです。

グラフと表で見える化

上側は、その特定の不良の推移を表すグラフ。下側にその特定の不良と発生エリアを書き込む表を設けます。ある種の変化点管理になります。追える工程なら、作業員による不良数も書きいれていくといいでしょう。

  • 週(出来るのなら日)単位で、不良がどのくらい発生しているのかの推移が見える
  • 現地現物で原因を「目で見て」発見し、対策を打つ(原因・対策欄に書き込む)。
  • 対策を打つたびグラフに対策名を書き込む。それらが効果的だったのかどうかは、グラフが示してくれる。

といった見える化が期待できます。変化の要因になりそうなことを書きいれるのは、こうした推移グラフの基礎的な利用方法ですね。

これを現場に張り出して、全員で問題解決に当たるようにするといいでしょう。大きな紙に書き出すといいですね。コンピューターに入っていてはダメです。

効果的な対策が打てたのならば、それを新たな標準(標準作業票)として作りこみ、トレーニングなどで周知徹底します。

先ほども述べたように、基本は4Mです。現地現物でしっかり観察すれば、必ず答えは見えてきます。

不良を“一等地”へ

以前外部コンサルの方とのワークショップでもご指導いただきましたが、「不良を一等地に置く」というもの効果があります。

毎日出た不良を、工程のみんなが必ず目にする「日の当たる場所」に置きます。

今日が火曜日なら、月曜日に出た不良の現物が、一等地の机の上に置かれています。

朝礼やシフトが始まる前会議で、対策としてやることなんなのか、誰がいつまでにやるのかを確認して記録してください。

人は間違いやミスを隠したがる生き物です。何もしなければ、こうしたことは必ず奥へ奥へと「見えない化」されていきます。

問題が見えれば対策が打てる。

起きた不良をしっかり皆さんで確認して、迅速にアクションを取るようにしましょう。

以下、迅速なアクションの具体的な中身です。不良を現物で確認したら、工程責任者は、

  1. 発生プロセスを現地現物で特定
  2. 他にこのような不良がないか、仕掛品(完成品)の確認・選別
  3. 真因確認(現地現物)
  4. 対策実施
  5. 次の日の朝礼・シフト前会議で原因・対策を報告
  6. 新たな作業を標準化する
  7. トレーニング、ヨコテン可能であれば他の工程にヨコテン
  8. 現地現物で、異常管理(定着化を図る)

これら8ステップを、遅くとも3日以内で完了させるようにします。特に3・4番の真因確認と対策実施までは、「一等地の不良」と朝礼をやったその日のうちに実行します。

そうしないと、当然ながら、不良がどんどん後工程や、最悪の場合は客先にまでも流出してしまいますよね。

最初はこうした素早いPDCAを回転させるのも、なかなか大変かもしれません。朝礼も、問題が多くノウハウもない中では、時間もかかってしまうでしょう。

それでも粘り強くやり続けてください。

コツをつかんでいくと、朝礼も理想とされる30分程度で終われるようになります。PDCAもどんどん回せるようになっていきます。

このあたり、この現場を取り仕切るマネジメント・リーダーさんの粘り強さが問われますね。こうしたリーダーシップがないと、品質問題だけならず、カイゼンの成功はかなり難しい。

結局のところは「人」ですからね。

蛇足ですが、カイゼン活動でどうしても標準通りの作業ができない人も出てきます。気持ちの面からなのか、技術的な面からなのか。

技術的な面は、向き不向きもありますから、丁寧に訓練してもダメなようであれば、他の作業に回ってもらうことも適正上仕方のないことです。

ただ稀に、気持ちの面でできないという人もいる。

なぜ標準が守られなければならないのか、守らなければどういう結果になるのか、指導を繰り返してもなお従わない・従えないのであれば、進退に関してお話ししていかなくてはいけませんね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は「しつこい品質問題への対処法」と題しまして、迅速に事に当たるやり方とそれに関わる見える化を追ってみました。

これを書いている今現在は、COVIDの影響でなかなか現場に行けません。それは我々のような海外出張組のみならず、工場で実際に働いている皆さんにも起こっています

国によっては、実際に製造にかかわる作業者の方以外は、全員テレワークをしなくてはいけないと決められています。定期的に政府の調査が入り、もしポジション上テレワークとされている人が会社(工場)にいるのがわかった場合、罰則として工場を一定期間閉鎖しなくてはいけないという規則の中操業していたり。

このような中で、いかにして「現地現物」の精神を実行に移していくかが問われていきます。

ワークショップのプロジェクト・リーダーさんは、だいたいがマネージャーさんです。マネジメントの立場になると、「テレワーク」ポジションになってしまって、現場に行けない。なので実際に現場に行ける人に現地現物をするように指導して、事実を突き止めようとする。

リーダーさんはその報告をもとにことを進めるのですが、写真やビデオではどうしても掴みきれない部分というのが出てきます。

なかなか厳しいですね。

とはいえこの状況、永遠に続くわけでもないはず。実際に現場に行けるようになったとき、まだ現場がそこにあるように、出来る限りサポートをしていきたいと思います。

今日も読んでいただきましてありがとうございました。

ではまた!

今回の品質問題への具体的な取り組み方が実例と共に。すごくいい本です。

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