読みたいことを書けばいい 「ほぼ日刊イトイ新聞」の勉強会からみた書く極意
読みたいことを書けばいい。Write whatever we want.
どうも皆さん、Kusunoko-CIです。今日もう一日お疲れ様でした。
今現在、いかがお過ごしですか? コロナ関係で出かけられず、腐ってますか? 私は週末まさに腐ってました。
人間、考える時間が多いとろくなことになりません。いらんことまで考えてしまいます。
行動あるのみ、とホリエモンさん。
みなさんにとって価値ある文章を、書けていますでしょうか? とか考え始めるわけですね。
もうそれを考え始まると、書けなくなるんですよ。何を書いていいのかわからなくなってきます。
ま、そんなわけで今回は、先日読んだ「読みたいことを書けばいい」、田中泰延さんの御本の紹介です。
読みたいこと・書きたいことのみならず、自分の向かうべき方向性を教えてくれる本のような気がします。
文章を書く極意
自分が「読みたいことを書く」、ずばりこれが極意です。
何かに出会い、何かを知る。そのことで、例えば1か月前の、それを知らない自分とは、明らかにその物事についての知識の量はちがってきているわけですよね。
「知らない自分に何を伝えたいと思うか」、あるいは「このことは過去の自分に、ぜひ教えてあげたい」、こう思う気持ちで書く。これが大切です。
そうすることで、確実にまずはあなたに届く文章になる。あなたに届く文章は、あなた以外の人にも届く可能性を秘めている。
そして文章も恥も、いっぱい書いていくことでどんどん技術が、クオリティが上がっていく。そんな学びとなりました。
読みたいことを書けばいい
まずはこの作家の田中さんの略歴をWikiから。
田中 泰延(たなか ひろのぶ[1]、1969年 – )は、日本のコピーライター、ライター。電通に24年間勤務した後、2016年に退職し、2017年から「青年失業家」と称し、フリーランスとしてウェブ上を中心に活動している。
大阪生まれ。高校時代からビジネスに関心をもち、早稲田大学第二文学部1年の時に、川田尚吾、玉置真理、高橋広敏らの学生企業グループに加わるが、ほどなくして脱落し、以降、在学中はもっぱらトラック運転手をして金を稼いでいた。1993年に新卒で電通に入社し、おもに関西支社に勤務していた。
電通在籍時には、一貫してクリエーティブ局でコピーライター、CMプランナーとして働き、象印マホービンやエスエスケイなどを手がけていた。
すごい経歴ですよね。電通、今批判も多いですけど、受かれって言われても受からんです、多分私は。
そこで長年鍛えてらっしゃった方ですから、内容の重みは推して知るべしです。いかに平易に書かれていたとしても。
とりあえずまずは、この方の文章ですけど、ほんとにおもしろい。
飽きないです。
こういうの関西人のセンスなのかなー。すごく楽しい。
私も、あんまり期待しないで買ったんですけど(すみません)、めっちゃ笑って読了しました。多分その間1時間。
本読んでて、たのしく、あっという間に読めるってのは、マジ気持ちいい体験です。
読む本読む本が、みんなこんなだったらいいなと思う。
読みたいこと
読みたいことを書けばいいのです。
事象に遭遇し、心が動いた、その描写が随筆、と田中さんはおっしゃっています。
ただし、読みたいことを書いたとしても、読まれるとは限らない。
書いた人が誰かのほうが重要なんですね。
残酷ですがそれが現実です。
同じ内容を私と、例えば日本最高峰のブロガー、マナブログのまなぶさんが書いたとしたら、そりゃあきらかに彼に軍配が上がります。
そういうもんです。残念ながら。
そう、興味なんか持たれてない。
そこを原点にして、じゃどうすれば読まれる文章になるのかを考えていかないといけないわけですね。
田中さんの場合でいえば、何度も取材にいく。調べて調べて、こんなことが分かった、だから私はこんなふうに思ったのかもしれない、と書けば、少しは面白みを持ってもらえるかもしれない。
調べて、独特の、固有の付加価値をつける。
これが読まれるかもしれない文章を書く秘訣、と田中さんは言います。
自分が読み手
ペルソナ想定の話も出てきます。ペルソナとは、自分が届けたい情報の受け手が、どんな人物で、年齢はいくつくらい、家族構成、仕事、どこに住み、どんな趣味で、云々。
そういう(架空の)人物相手に記事を書けば、届く文章になる、届く広告になる、そういうターゲット設定ですね。
ただこれも「ほぼ無理ゲー」であると。
アパートの隣に住んでるおっさんの、今夜何食べたいのかもわからないのに、目に見えない20代女性に何が求められているか、なんでわかるのかと(笑)。
だからそんなの意味ない。
「自分に向けて書け」。
電通時代、広告を作るに当たり、クライアントから何か案件をもらう。その案件をもらった瞬間は、田中さん自体が何も知らなかったと。
じゃ自分に向けて、知らない自分に届けるために調べて書くしかないんじゃないか。
これが、本当の意味での、「読みたいことを書けばいい」なのではないか、というお話。
つまんないことを書くPDCA
以下、ほぼ日刊イトイ新聞に田中さんを招いた勉強会の内容が載ってまして、私Kusunoko-CIが最も心動いた場面は以下です。
糸井重里:どんどんつまんないもの書いてさ、恥かくことだよね。
どうせつまんないんだから。
田中:どうせつまんない(笑)。
このあいだお亡くなりになった田辺聖子先生、あの50年も小説家つづけて文化勲章までもらった先生が、「わたしらみたいな三文小説家の書くものとか、どうでもええんですよ」って、いつもおっしゃってたわけ。
田辺先生でもそう言うんやから、みんな虫けら以下やん。
だから「虫けらなりに面白い」ってレベルのものをたくさん書けばいいんじゃないですかね。
ちょっとね、涙出てしまいました。
田辺さんの源氏物語とか、高校生のころ一生懸命読んだです。私はこれで、あの名作を理解したといってもいい。で、あの方をして、三文小説家なら、我々がやってることって何なんだという。
ということでね、最終的には書いていくわけです。
書けば書くほどうまくなる。
いつか自分が納得できるものを書くために。
そのために、調べて、少しでも自分が書きたい気持ち・読みたい気持ちを、嘘偽りなく満たしていけるか。
自分が読みたくない文章を、誰が読みたいか。この辺は、以前書いた「伝わる!文章の書き方」とも共通するものがありますね。
知らない自分から始まって、調べて、「ちょっとだけ知った自分」が過去の自分に向けて書いてく。情報を発信していく。
これが自分も伸びて成長していける、それでいて誰かのためになっていける書くことの方法論なのかなと思いました。
書くことのPDCAですね。
まとめ
最後に糸井さんのお言葉。
糸井:「お前」の文章を求めてるわけじゃないんだけど、「お前がお前で書いてるものが面白いから、これからはそっちにしなさい」って言われたら勝ちなんだ。
書いて調べて、自分の専門性やコンテンツを作りあげることですね。これからの時代は。
今日も読んでいただきまして、ありがとうございました。
本日締めは、田中さんの本から。
「たくさんの人に読んでもらえ、WebやSNSでバズり、内容が人に届き、とてもおもしろく、わかりやすい文章を簡単に書く方法。それを短く言うと、こうだ。」
「そんなものはない」
ここが一番うけた(笑)