アウトプットA3 Output A3

皆さんは、一日、あるいは週にどのくらいInputをしていますか? 学びはもちろん重要です。本を読んだり、勉強のためのブログを読んだり、セミナーに参加したり、学ぶ方法はいろいろだと思うのですが、最近の研究ではむしろ、その後のOutputの仕方がより重要だといわれるようになってきました。そこで今回はこのOutputの大切さを説明しながら、Kusunoko-CIおすすめのメモの書き方をシェアしたいと思います。

アウトプット大全

そもそもKusunoko-CIがこのOutputに目覚めたのは、今話題の日本一情報発信する精神科医、樺沢紫苑先生のアウトプット大全を読んだからです。

それまでも読書好きで、小学生の時には新潮文庫で星新一など読み込んでいた私。今は主にためになりそうなビジネス書、カイゼン関係の本などを読んでいました。ところが、最近加齢には勝てず、読んだことが頭にはいってこない。そして、よしんば入ったとしても、忘れていく速さが半端ない。こんなに悲しいことはないですよね。せっかく買って、時間を費やし読むものの、いざそれを実際に使うような場面が来ても、「あれ、なんだったっけ?」となってしまうという。時間のムダ以外の何物でもないわけです。

そんな折、打たれ弱い私、結構な頻度で樺沢先生のYou tubeチャンネルを視聴しては、心が軽くなるヒントを探していたりしてました。そこで紹介されたのがこの本『アウトプット大全』、サブタイトルには学びを結果に変えるなんて書かれています。そして何度か動画の中でも紹介されていまして、買いました。効果的なINとOUTを求めて。

アウトプットを前提に

結論から書きます。樺沢先生のこの本の中に書かれているInputとOutputあるべき比率は3:7です。はい、例えば3時間本を読んだら、それを7時間分くらいアウトプットしていかないと身につかない、とこういうことになりますね。コロンビア大学の研究でも明らかにされた黄金比、と先生はおっしゃっていますが、このInとOutを続け、かつその間にフィードバックをもたらすことによって飛躍的な成長が期待できるわけです。

またそのほかの研究も紹介されていますが、二つのグループを作り、一つには「テストをするので暗記してください」という指示、もう一つのグループには「この内容をあとでほかのグループに教えてもらいます」という指示を与えます。そして実際テストをしてみると、この後者の「教えてもらいます」といわれた集団のほうが、内容の記憶の関して高い点数を取ることがわかりました。このたった一言が、Inputをするときに心が前を全く変えてしまうのです。すごいと思いませんか?

ですので皆さん、これから本を読むときは、Outputすることを前提に。「これを誰かに教えるんだ」という思いと、できれば実際に誰かにシェアしていくことを念頭に読み進めてみてください。そしてInよりもOutの時間を倍以上持つように心がけてみてください。定着度合いが半端なく変わってきますよ! Kusunoko-CI、自信を持ってお勧めします!

アウトプットのフレームワーク

さて、では実際に本を読むなり、講演を聞くなりしたときのノートのまとめ方ですが、これに関してもいろいろ試行錯誤してみました。いくつかノートの取り方に関する良い本も読んだのですが、なにかしっくり来ず。最終的に私がたどり着いたのは、トヨタのA3の書き方が一番合目的的でいいんじゃないかという結論です。しかも私は書きなれている。

まずはA3の紙が一枚目の前にあると思ってみてください。で、どういう内容でまとめてくかといいますと、

0. まずはもちろん本や講演のタイトル、どなたの著作・講演なのか、そして日付です。

  1. Background:ここで背景を書きます。例えば、今投資の本を手に取ったとしましょう。それはなぜだったのか。少し自分の周りの社会的・経済的背景なんかも交えながら、現在置かれている状況を書いておきます。例えば、- 老後における資金が最低でも2000万は必要だと発表があった、- 年金だけで暮らしていけるか心配だ、- 収入が途絶えてからの投資ほど危険なものはない(by ウォーレン・バフェット)。 こんな感じです。
  2. Current:そして現状を書きだしましょう。ここはもう少し具体的な今ある状態の把握です。例えば、今預貯金はいくらだ、どういうふうに運営している、投資というものを始めたいのだが、まずはどうしていいかわからない、などですね。何か問題があってそれを解決したくて情報を得ようとするのがほとんどのケースだと思いますので、「現状の悪さ加減」を赤裸々に書きましょう。問題の顕在化はカイゼンの第一歩です。
  3. 気づきポイント:読みながら・聞きながら感心したところ、ためになったところ、ぜひ自分の生活に取り入れたいところ、その他何でも有益だと思うことに付箋とラインを入れながら本を読みます、あるいは講演でメモを取っておきます。そして、それを書きだしていく。自分なりのイラストが入るとなおいいです(Info-graphic的な)。記憶の定着は、情報を絵にすることで、文字だけのケースよりも6倍高くなります。
  4. その中からこれだけはやる、というものを抜き出してください。赤丸で囲んだりする。これは3つくらいにしておくのがいいかと思います。せいぜい多くて5個。いっぱいあって、どれも重要で・・・というのもわからなくはないのですが、欲張ってもできないです。これもいわゆるカイゼンのVital fewという考え方で、限られたリソースをどう有効に使うか、を我々は常に意識しないといけません。時間は限られています。一日何分何時間、現実的にそれらに時間を割けますか? 試しに全部トライしてみるといいです。賭けてもいいですが、結局どれも長続きはできず、結局何も達成できず終わるでしょう。
  5. Action plan:みなさん、成功してる方はおっしゃっていますが、とにかくやる。知識・情報が頭の中であっても、行動がないと何の意味もないです。全くの無意味です。行動してください。アクションプランに必要な情報は、Who、What、By whenそして達成度を測る数字です。誰が、の部分はこの場合はっきりしてるので時に問題ないかと思いますが、具体的に何をするのか、いつまでに、そしてそれを何とか数字で表せるようにしてください。例えば、アクションが、実際に株を始めてみる、であったなら証券口座を持って実際に株の売買を始めるまでの達成で100%。あるいはもっと具体的に、「いくら稼ぐ」とかでもいいかもしれませんね。
  6. Feedback:もちろん定期的にこのノートを見返す癖をつけましょう。というか、毎日アウトプットするようにしていれば、嫌でも目に入る(だからノートは一冊のほうがいいです)。できていればよし、できていないならどのようにリカバしていくのか書いて下さい。そしてもちろんアクションを取ってください。もし何か予期せぬ障害が出てきたのなら、それはどうすれば排除できるのかも考えて、リカバリしましょう。

ちなみにこれ、トヨタ方針管理のやり方にかなり近いのですが(後半特に)、In、Out、そしてFeedbackの自己成長ループとは、そのままいわゆるPDCAサイクルを回すということと同義なのです。

これをA3になるように、ノート見開きを使って書く。本や講演によっては2-3枚なんてこともありますが、大事なのは中身です。

アウトプットと思考

ここで質問ですが、皆さんは一日にどのくらい「考えて」いますか? 3時間? もっとと感じていますか? 以前紹介した津田久資さんの『あの人はなぜ東大卒に勝てるのか』の中で、はっきり答えが書かれています。「我々は、書いてる時だけ考えている」のです。どうですか? 結構ショックじゃないですか? でもこの言葉よくよく吟味してみると本当に的を射ていて、我々気づくと考えているようで、特に何も生み出していない。あいまいな思考の中で、あっちに行き、こっちに気を取られ、まるで大海をただようクラゲのようにふらふら思考の混沌を漂っているにすぎない、ということに私は気が付きました。

この気づき(というかショック)と、樺沢先生のOutput大全に触発され、Kusunoko-CI、メモ・ノートを取り、このブログに昇華させるという道を選びました。私のブログは時折、「書いてて思ったんですけど」という言葉が出てきますが、あれ書きながら本当にその時ふっと思いついてるんですね。ネタでも何でもなく。

書いている間に、私たちは頭をひねり、混沌とした情報や知識を思考としてを整理・整頓していきます。まさに書いてる時だけ考えているのです。私の場合は、このブログのテーマでもあるのですが、得られた知見と頭の中にすでにあるアイデアやカイゼンの知識・経験とを融合させることによって、また新たな付加価値のついた情報を精錬していくよう努力しています。

本に書いてあることの紹介だけなら誰でもできますよね。そこに何か違う視点を加えることで、いっそうの付加価値が出る。このOutput(ブログ)で考える時間と機会をいただき、読んでくださる皆様には、そうした何かしら有益な情報をお届けしたいと。書き手の私も読者の皆様も新しい知見が得られるwin―winなブログになるといいなと考えて日々精進しております。

まとめ

さて、いかがだったでしょうか今回の「アウトプットA3」。以前もお話しましたが、トヨタのA3は深く考え、そしてコミュニケーションをとるためのツールです。どうせメモを取るなら、アクションまで視野に入れた、実効性のあるものにするのがいいと思います。Outputになり、考えるきっかけにもなり、アクションも取れて、かつFeedbackも出来、そして自己成長という果実が期待できる、という一粒で5度もおいしい時間の使い方になりますよ! Output A3、是非おためしあれ!

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