工程能力(Process Capability)とは シックスシグマ 「Measure」でやること 5

皆さんこんにちは! 今日もどこかで改善サポート、Kusunoko-CIです。

自分の理解確認の意味も込めた、この「シックスシグマDMAICでやることシリーズ」、今回は「工程能力」についてのお話です。

こちらも、シックスシグマ「DMAIC」の「Measure」で使われることの多い考え方になります。

なるべく簡単に、分かりやすく書くよう心がけました。今回もまた初学者向け、「工程能力Process Capabilityとは」です。

皆さんの工程管理や、シックスシグマProjectをレベルアップするために、ぜひ活用してみてください。

工程能力(Process Capability)とは

工程能力(Process Capability)という言葉から、私が最初に連想したのは、「生産性を表す指標」でした。典型的な間違いですね。

これは言葉が悪い(と人のせいにする)。

ここでいう「工程能力」とは、「安定した工程が生み出す『品質特性値』のバラツキ幅」のことです。

「品質」に関する能力なんですよね。

だったら「工程品質能力」とかにすればいいと思うんですが、この思い込みのせいで少し理解に時間がかかったのも、今ではいい思い出です(笑)。

モノの規格とバラツキ

モノには製造する上で、寸法・形・質などの決まりがあります。

これを規格といいますね。

例えば、直径30cmのピザ(Lサイズ)。またピザです(笑)。

全てのピザ(Lサイズ)が30cmでであることが求められますが、作る上で29.5cmや30.3cmなど、製品にはバラツキが生じます。

しかしながら、「ピザ、Lサイズ」としていう商品としてOKなのを、下限29㎝から上限30.5㎝までと決めていたなら、この範囲(規格)の中に入っている、いかなるサイズのピザも「Lサイズ」として売っていいことになりますね。

逆にこれより大きすぎたり、小さすぎたりしたものは「不良品」であり、場合によってはスクラップ(廃棄)になってしまいます。

こうした製品のバラツキを確認することで、不良品の数を推測したり、また工程の品質安定具合の目安としたりするのです。

この規格の上の方の限界(Lピザの例なら30.5㎝)を、USL(Upper Specification Limit:規格上限値)といい、下の方の値(Lピザの例で29㎝)を、LSL(Lower Specification Limit:規格下限値)といいます。

規格下限値、規格上限値

この言葉は、後ほど工程能力を計算するのに使いますので、覚えておいてください。 

正規分布と標準偏差

正規分布

平均値の付近にあつまるような、データの分布を表したものを正規分布と呼びます。

つまり正規分布とは、平均・中心からの分布(バラツキ)を表したものです。

バラツキ具合は、世の中のいろいろな現象を観察すると、こうした正規分布の形に収まる、という統計上の「お約束」があります(どんな現象でもというわけではないのですが)。

これが正規分布のBell curveです。

このような正規分布に沿った形に、バラツキ予想されることを前提に、工程能力は計算されます。

バラツキ方の基準値、「標準偏差」については以前もご紹介しました。

この標準偏差を「σ(シグマ)」と呼びます。

この正規分布が成り立っている場合には、±1σの中に全体の68.26%、±2σの中に全体の95.44%、±3σの中に全体の99.73%のデータが収まることがわかっている、というお話も以前いたしましたね。

これら「シグマ」の値の大きさで、カバーされるデータ数(全体における%)が予測できるということです。そしてそれは、逆にそこから外れる値の数も予測がつくということを意味しています。

工程能力指数 Cp値・Cpk値

こうした製品品質のバラツキとσ値を使って、工程の品質能力を表そうとしているのが「工程能力指数 Cp値・Cpk値」になります。 

工程能力指数 CP値

CP値の計算式は

Cp値計算式

です。

「規格の上限と下限の間の幅」を、その製品のバラツキ具合である「σの6倍」で割った時の値を見ようという式です。

「σの6倍」というのは、先ほどの正規分の中心から右と左に3σずつ(±3σ)の幅。ここに全体のデータの99.73%のデータが入るのでしたね。

±3σで、99.73%

このCP値、分母の6σ(中心から±3σ)と、分子の上下規格幅が一緒なら、当然「1」という数値になります。

工程能力指数CP値が1なら、10,000枚ピザを作ると、27枚の不良(規格外)が生まれる、今のラインはそういう工程能力ですよ、ということを表しています(99.73%の確率で良品)。

お気づきと思いますが、この計算式、分母の「6xσ」が大きい=σ値(バラツキ)が、大きければ大きいほど、小さな数字が出てきます。

つまり、バラツキの大きい工程=能力の低い工程ということになるわけです。 

片側規格 Cpk値

先ほどのCp値は、データの平均と、規格範囲の中心値が一致した状態でしか使えません。ピザで言うなら、その直径平均が、いつでも上下規格の中心に沿っているような工程ですが、完璧にコントロールされた工程でない限り、実際にはそうはなりません。

必ず上下どちらかの値(Limit)に偏り、かついくつかの製品が規格外にはみ出ているのが現実です。だからコントロールや、シックスシグマProjectが必要なわけですしね。

計算式は、以下のようになります。

Cpk値計算式。Cpklは「Lower=下限」、Cpkuは「Upper=上限」。

μは、正規分布のグラフにも出てきていました「平均値」です。

先ほどのCp(両側規格)と違い、上限側あるいは下限側だけを考慮した指標です。なので、分母も先ほどの半分の3σ(右に3σか左に3σ)になります。

Cpkは、偏った(中心から上限か下限にずれた)状態を考慮していますから、規格の上側か下側のどちらか範囲の狭い方の値を採用します。

つまり「やばい方を採用」ということですね。ちなみにこの「Cpk」の「K」は、「Katayori(偏り)」という日本語からきているのだとか。面白いですね。

片側規格 Cpk値のイメージ

あとは品質の特性上、片側しかない場合というのも、こちらのCpkが指標となります。

3σでの品質管理

さてこのように、Cp値・Cpkというものが計算で求められるようになったわけですが、これをどうしたらいいのでしょう?

こうした指数の捉えかた、判断・活用の仕方についての表を掲載しておきます。

日本規格協会新版QC入門講座6 データのまとめ方と活用より

お客様によっては、こうした値の提出を求めてくる場合もありますよね。

あるいは、サプライヤーさんとお話をするときに、尋ねてみるといいかもしれません。品質管理の度合いが測れますので。

 まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は「工程能力(Process Capability)とは」ということで、工程の品質能力を測るCp、Cpkという指標についてのご説明でした。

シックスシグマ 「Measure」でやることという副題をつけてありますが、「Measure」は広い意味での「測定」の段階です。

Projectを遂行するに当たり、 現在の工程能力がどのくらいなのか、またどのくらいまで上げることが目標になるのか、を測っておくことはとても重要になります。トヨタカイゼンで言うところの「Gap approach」ですね。

以下今回のおさらいですが、

  • Cp・Cpkとは、「工程の品質の能力」を数字にしたもの
  • Cp・Cpkの計算には次の値を用意する:測定データ、平均値、標準偏差、規格幅のUSL(上限値)とLSL(下限値)
  • Cp・Cpkの値が大きいほど、その工程の品質能力は高い
  • 実務では、USLかLSL 方向へのバラつきを考慮して、 Cpkを算出する(やばい方で)
  • あるいは片側しかない場合もCpkで

です。

また、Cp・Cpkの使用は、工程がすでに管理されていることが前提になってきますので、シックスシグマのProjectを始めるにあたり、この際なんで始めてしまうことをお勧めします。

今回も読んでいただきまして、ありがとうございました。

ではまた!

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA